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white_robe_love_syndrome:scr01103

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[001]        また、あの夢……。

[002]何もないところで、ぽつんと立ってる女の子が

[003]また謎かけをしてくる。

[004]さぁ、今度は何?

[005]【???】

[006]「好きだって気持ちを伝えるには、

[007] どうすればいいと思う?」

[008]正直に、好きって言えばいい

[009]気持ちが伝わるまで待つ

[010]【かおり】

[011]「状況がわからないから何とも言えないけど、

[012] 正直に、好きって言えばいいんじゃないかな」

[013]【かおり】

[014]「言葉にしないと何も伝わらないよ。

[015] 気持ちなんて、目に見えないものなんだから」

[016]【???】

[017]「それで傷つくこともあるでしょう?

[018] 他人事だと思って!!」

[019]女の子は怒ったような、泣きそうな顔で、

[020]ふっと消えてしまった。

[021]……わたし、

[022]何か気に障るようなこと

[023]言っちゃったのかな?

[024]【かおり】

[025]「状況がわからないから何とも言えないけど、

[026] 態度や言葉で気持ちを示して、

[027] 気持ちが伝わるまで待つのがいいんじゃないかな」

[028]【かおり】

[029]「当たって砕けろって言うけど、

[030] 砕けるのは怖いよね……」

[031]【かおり】

[032]「傷つきたくなければ、

[033] いつか自分の気持ちに気付いてくれるまで

[034] 待つしかないんじゃないかなぁ」

[035]【???】

[036]「気付いてもらえなかったらどうなるの?」

[037]【かおり】

[038]「それは……」

[039]はっきり言えずに、口ごもる。

[040]女の子はがっかりした顔で

[041]ふっと消えてしまった。

[042]ううっ、

[043]わたしって役立たず……!!

[044]あみちゃんが

[045]フォルテールのセッティングをしている。

[046]【あみ】

[047]「最近、あんまり練習してないから、

[048] ちゃんと演奏できるかなぁ……」

[049]見てるだけで、

[050]わたしまで浮かれてしまいそう!

[051]【かおり】

[052]「今日は内輪だけだし、そう気を張らなくても大丈夫!

[053] 観客も303と306で軽症の人しかいないし。

[054] あと、堺さんと」

[055]【あみ】

[056]「え〜、さゆりん来るんですかー!?

[057] ああん、聞くんじゃなかったー!

[058] 何だか余計ドキドキしてきちゃったー!!」

[059]【かおり】

[060]「大丈夫だよ、あみちゃんなら。

[061] あんな綺麗な音出してたじゃない。

[062] 自信持って!」

[063]【あみ】

[064]「ああ……どうしよう。

[065] ドキドキしすぎて、手が震えてきちゃった……」

[066]期待を込めた眼差しのあみちゃんが

[067]わたしの方へと、手を差し出してきた。

[068]本当に震えているその手を

[069]包み込むように握る。

[070]【かおり】

[071]「大丈夫……あみちゃんのこの手は、

[072] みんなをリラックスさせる音を紡ぎ出す魔法の手。

[073] ほら、ゆっくり息を吸って……吐いて……」

[074]【あみ】

[075]「すー……、はー……」

[076]【かおり】

[077]「……ほら、

[078] ね、落ち着いてきたでしょう?」

[079]【あみ】

[080]「あ、ホントだ……。

[081] さすがかおりんさんの『癒しの手』、

[082] 効果絶大ですねっ!」

[083]【かおり】

[084]「実はわたしも緊張する方だから、

[085] こうして胸に手を当てて、深呼吸するの。

[086] そしたらね、すごく気持ちが楽になるの……」

[087]【かおり】

[088]「あみちゃんも緊張した時にやってみるといいよ、

[089] このおまじない、というか深呼吸って

[090] 結構、効くから」

[091]【あみ】

[092]「あ、あの……かおりんさん……

[093] もっと効くおまじない、

[094] してもらっていいですか?」

[095]【かおり】

[096]「ほへ?

[097] もっと効くおまじない……?」

[098]【あみ】

[099]「あの……おでこに、チュッてやつ……」

[100]【かおり】

[101]「んもう、仕方がないなぁ、あみちゃんはぁ」

[102]他に誰もいないことを確認してから、

[103]おでこにチュッとする。

[104]途端に、首まで真っ赤になるのが可愛い。

[105]こういう初々しいところが

[106]たまらないんだよね!

[107]【なぎさ】

[108]「どう?

[109] 準備、進んでるー!?」

[110]なぎさ先輩が

[111]動ける患児たちと堺さんを連れて、屋上に来た。

[112]途端に緊張したらしい、

[113]あみちゃんがビシッと直立不動になった。

[114]【さゆり】

[115]「何、ボケッと突っ立ってるのよ、

[116] 聴きに来てあげたんだから、

[117] もうちょっと嬉しそうな顔しなさいよ、もう」

[118]いつも通りの堺さんのキツい言葉に、

[119]緊張が解けたのか、

[120]あみちゃんが唇を尖らせた。

[121]【あみ】

[122]「もう、さゆりんたら相変わらずなんだから。

[123] 素直に興味津々で平静じゃいられませんって

[124] 言えばいいのにぃ〜」

[125]【さゆり】

[126]「わたしはいつもと何も変わってません!」

[127]【かおり】

[128]「あああ、

[129] ふたりとも言い合うのはそれくらいにして……!」

[130]堺さんは言葉とは裏腹に、

[131]患児たちに混じって、最前列の真ん中という

[132]とてもわかりやすい席に座った。

[133]……うん、

[134]あみちゃんの言う通りだったのかもね。

[135]他の患者さんもみんな一様に興味津々で

[136]あみちゃんの近くに設置された

[137]シートの上に座る。

[138]【あみ】

[139]「きょ、今日の演奏は

[140] 練習の延長みたいなもので……その……、

[141] 失敗しても笑わないでね?」

[142]【なぎさ】

[143]「はい、拍手〜!」

[144]なぎさ先輩の合図で、

[145]観客から拍手が起こり――。

[146]演奏開始!

[147]やっぱり、

[148]あみちゃんの音はすごくステキ!

[149]観客の患者さんたちも、

[150]のびのびした音にうっとりしてるようだし……。

[151]誰かが倒れるような物音に、

[152]ふとそちらを見た。

[153]【なぎさ】

[154]「みこちゃん!?」

[155]ひとり、患者さんが倒れていた。

[156]あみちゃんが演奏を止める中、

[157]なぎさ先輩と堺さんが

[158]みこちゃんに駆け寄って、抱き起こしている。

[159]遠目からでもわかるほど、真っ青な顔。

[160]他の患者さんもざわざわしてて、

[161]あみちゃんもフォルテールの前で

[162]真っ青で固まってしまってる。

[163]……い、いけない、

[164]みこちゃんはなぎさ先輩たちに任せて、

[165]わたしはあみちゃんに集中しないと。

[166]【かおり】

[167]「あ、あみちゃん、

[168] 大丈夫よ、大丈夫だから……」

[169]【あみ】

[170]「で、でも……」

[171]【さゆり】

[172]「チアノーゼが出てます。

[173] 取り敢えず横にして、足を高くして……

[174] 藤沢さん、時計、こっち向けてください」

[175]【なぎさ】

[176]「ああ、眼瞼、真っ白!

[177] アネミーきついわ……」

[178]【さゆり】

[179]「プルス102、微弱、結滞あり。

[180] 呼吸数36、促迫。

[181] 皮膚はやや湿潤……冷汗ですね」

[182]堺さんの報告を、

[183]なぎさ先輩は自分の腕にボールペンで書いている。

[184]一方でわたしは、震えてるあみちゃんを、

[185]そっと抱き締めた。

[186]【かおり】

[187]「大丈夫だから……ね?」

[188]【あみ】

[189]「でも、あんなに真っ青になって、

[190] 意識もないみたいだし……わたし……!!」

[191]【かおり】

[192]「みこちゃんの病気は、あみちゃんのせいじゃないよ。

[193] みこちゃんが倒れたのも、あみちゃんのせいじゃない。

[194] だから、あみちゃんが気に病むことはないの」

[195]物静かな中学生、みこちゃんの病気は、

[196]心房中隔欠損症という先天性の心臓疾患。

[197]本当はうちの外科での手術を望んでたんだけど、

[198]うちの病院の規模で心臓の手術なんて無理だから

[199]夏休みに別の専門の病院で手術する予定で

[200]入院してるの。

[201]今は体調を崩して、手術に向けて

[202]うちの内科で体調を管理してるんだけど、

[203]復調までにはまだ遠いってことで

[204]今日は病室でお留守番のはずだったのに!!

[205]【なぎさ】

[206]「沢井、堺さんと手分けして、

[207] 子供たちとあみちゃんをお願い!

[208] あたしはこの子を病棟に戻すから……よっと!!」

[209]気合一発、

[210]みこちゃんをお姫様抱っこしたなぎさ先輩が

[211]屋上から出て行く。

[212]【かおり】

[213]「はーい、ざわざわしないでねー!

[214] 大人の人たちは自分の足で

[215] お部屋に戻ってくださーい!!」

[216]【こむやん】

[217]「こどもはー?」

[218]【ひろくん】

[219]「さっきのみこちゃんみたいに

[220] 看護婦さんが抱っこして

[221] 連れてってくれるよ!!」

[222]【かおり】

[223]「ほふっ!?」

[224]ここでそんな無茶振りが!?

[225]【やすこ】

[226]「ごめんなー、ちょっとしたアクシデント発生で、

[227] 今日の楽しい演奏会は中止やねん〜。

[228] あみちゃんも、ごめんなー。ほな、帰るでー!」

[229]【ショウ】

[230]「看護婦さーん、抱っこー!」

[231]【やすこ】

[232]「だっこかぁ……。

[233] キミは抱っこされな歩かれへんほど

[234] 重病の子やったっけ?」

[235]【ひろくん】

[236]「でも、みこちゃんは抱っこされて

[237] 連れてってもらってたよ!」

[238]【やすこ】

[239]「んー、みこちゃんは

[240] 心臓に穴開いてる重病の子やからねぇ。

[241] なんや、キミも心臓に穴開けるか?」

[242]【ひろくん】

[243]「そんなの死んじゃうよぅ!!」

[244]【やすこ】

[245]「そやでー、

[246] あの子は死ぬかもしれん病気と闘っとるんやでー。

[247] それでも、ズルイ思うんか?」

[248]うっ、

[249]山之内さん、大人げない……!

[250]子供たちは子供たちなりにイロイロ考えてるんだろう、

[251]黙り込んでしまった。

[252]【あみ】

[253]「……心臓に……穴……?

[254] そんな怖い病気だったの……?

[255] いつも静かに笑ってるから……知らなくて」

[256]【さゆり】

[257]「……病気は人それぞれよ。

[258] あなたがショックを受けるのは勝手だけど、

[259] 彼女は同情されるのを望んでいるかしら」

[260]【かおり】

[261]「み、みこちゃんの病気は深刻だけど、

[262] それはあみちゃんのせいじゃないし、

[263] 倒れたのも、あみちゃんのせいじゃないよ!」

[264]真っ青になっているあみちゃんを抱き寄せながら、

[265]無表情で空を見上げている堺さんを見る。

[266]ううっ、堺さんも

[267]あみちゃんが怯えてるのわかってるくせに、

[268]もうちょっと空気を読んだこと言ってくれれば

[269]良かったのにっ!!

[270]【あみ】

[271]「でも、わたしが演奏なんかしなければ、

[272] みこちゃんはちゃんと安静を守って、

[273] あんな風に倒れなかったはず!!」

[274]【さゆり】

[275]「……そうやって、

[276] あなたのせいじゃないって

[277] 何度言ってもらえれば満足するのかしら?」

[278]呆れたような冷たい目で

[279]堺さんがあみちゃんを見た。

[280]【さゆり】

[281]「……弱いふりして、自分で立ち向かいもせず、

[282] 他人に守ってもらってばかりなのね、あなた。

[283] さぞやお気楽でつまらない人生でしょうね」

[284]【あみ】

[285]「!!」

[286]【かおり】

[287]「堺さん!!

[288] 言いすぎよ!!」

[289]【さゆり】

[290]「あら、失礼。

[291] 浅田さんの悲劇のヒロインっぷりが

[292] あんまり鼻についたものですから」

[293]【あみ】

[294]「…………」

[295]【やすこ】

[296]「……うちからしたら、

[297] あんたらふたりとも

[298] どっこいどっこいに見えるけどな」

[299]【さゆり】

[300]「!!」

[301]あああぁああっ、

[302]もうっ、山之内さーん!!

[303]【やすこ】

[304]「はいはーい。

[305] 306号室のエエ子らは

[306] お姉さんと一緒に帰ろうなー!」

[307]【さゆり】

[308]「…………」

[309]子供たちを引き連れて帰る山之内さんの背中を

[310]まるで視線だけで殺せそうな勢いで

[311]堺さんが睨んでる。

[312]【かおり】

[313]「あみちゃん、風邪引いちゃうから……帰ろう?

[314] 堺さんも……せっかく持ち直してるのに、

[315] ここで風邪なんか引いちゃったら……」

[316]【さゆり】

[317]「あなたなんかに言われなくてもわかってるわ!」

[318]怒ったままの顔で

[319]堺さんは立ち去ってしまった。

[320]わたしは泣いてるあみちゃんの肩を支えながら

[321]フォルテールを片付ける手伝いをして、

[322]ゆっくりと屋上を後にした。

[323]【あみ】

[324]「…………」

[325]あれからあみちゃんは

[326]ひどく落ち込んでる。

[327]みこちゃんは、306号室から

[328]重症患者さんの入る301号室へと転室した。

[329]丁度、認知症で寝たきりの劉さんが

[330]施設へ転院した直後だったから、

[331]301号室のベッドに空きがあって良かった。

[332]もし空きがなければ、

[333]小児外科のある近隣病院へ

[334]緊急搬送するしかなかったことを考えると

[335]不幸中の幸いってところかな。

[336]詳しく診察しなきゃわからないけど、

[337]みこちゃんも、301号室で安静にして、

[338]重点的なケアを受ければ

[339]きっと回復するだろうし……。

[340]【かおり】

[341]「あみちゃん……、

[342] 本当にあみちゃんのせいじゃないから……」

[343]【あみ】

[344]「…………」

[345]【かおり】

[346]「でも、演奏会はしばらく中止って……ごめんね。

[347] 誰が来てたのか、

[348] わたしも気をつけていれば良かったよね」

[349]【あみ】

[350]「……わたしの演奏は、人を不幸にするんです……」

[351]一瞬、聞き間違いかと思ったけど、

[352]そうじゃないっぽい。

[353]【かおり】

[354]「……どういうこと?」

[355]【あみ】

[356]「……言葉の通りです……」

[357]それだけ言うと、

[358]あみちゃんは布団に潜ってしまった。

[359]……あみちゃんの言葉が、

[360]何故か胸に引っかかる。

[361]そう言えば、以前、

[362]似たようなことを言ってたような……。

[363]あみちゃんの言葉の意味を考えながら詰所に戻ると

[364]なぎさ先輩が主任さんに叱られて泣いていた。

[365]【かおり】

[366]「な、なぎさ先輩!?

[367] どうしたんですか!?」

[368]【はつみ】

[369]「……あなたね。

[370] この状況で、どうしてそんな発言ができるのかしら?

[371] 一歩間違えば、大変なことになっていたのよ!」

[372]【なぎさ】

[373]「……うっく」

[374]【はつみ】

[375]「カルテを見ていないの?

[376] 彼女の疾患は先天性の心房中隔欠損症!

[377] それをわかっていての行動なの!?」

[378]主任さんがどうしてこんなに怒ってるのか

[379]話が見えない……。

[380]【はつみ】

[381]「彼女は身体も小さいし、成長も遅い。

[382] だから、リスクのあるオペよりは自然閉鎖をと

[383] ドクターはずっと考えていたの」

[384]【はつみ】

[385]「それでも、自然閉鎖はしなかったから、

[386] 成長するのを待って、ようやくこの夏に

[387] オペできるまでに漕ぎ着けたのよ!」

[388]【はつみ】

[389]「小児外科に移る前に、万全の体調を整えようとした

[390] 計画を台無しにするかもしれないことをしたのだと、

[391] あなたはわかっているの!!」

[392]【なぎさ】

[393]「申し訳……ありません……。

[394] どうしても、って頼まれて、

[395] 無理をしないってことを約束して……」

[396]【はつみ】

[397]「相手は中学生とはいえ、

[398] ずっと娯楽を禁じられ続けていた子よ?

[399] 無理をするに決まっているでしょう!!」

[400]そっか、

[401]山之内さんのリストから外れてたみこちゃんを、

[402]なぎさ先輩が、どうしてもって頼まれて

[403]こっそり連れてきたんだ……。

[404]なぎさ先輩だって悩んだはず。

[405]もし、わたしだったら、

[406]どうしただろう?

[407]みこちゃんにどうしてもって頼まれて、

[408]きっぱりと断ることができるのかな……?

[409]【かおり】

[410]「で、でも主任さん!

[411] 娯楽を禁じ続けられてたって知ってたからこそ、

[412] 逆にダメだって言えないじゃないですか!」

[413]【はつみ】

[414]「沢井さん、わたしたちは看護師よ。

[415] 患者さんに好かれるために働いているわけではないの。

[416] 時には憎まれ役を買わなくてはならないのよ」

[417]【なぎさ】

[418]「……ひっく」

[419]【はつみ】

[420]「藤沢さん……、優先順位を考えて。

[421] オペを受ければ、彼女にはこの先、

[422] 何度でも演奏を聴く機会は訪れるわ」

[423]【はつみ】

[424]「それまでの辛抱なの。

[425] どんなに泣かれても、嫌われても、

[426] 我慢をさせるのが、わたしたちの仕事なの」

[427]主任さんの言うことが正しいと頭ではわかっている。

[428]けど、なぎさ先輩の優しさや、

[429]みこちゃんが演奏会に来たがった気持ちを考えると、

[430]素直に頷くことができない。

[431]憎まれ役を買わなくてはいけない……。

[432]頭では理解できるけど、

[433]そんなこと、実際にできるかどうか……。

[434]【はつみ】

[435]「……藤沢さん、今日の申し送りの後、

[436] インシデントレポートを提出の上、

[437] 3日間の自宅謹慎を申し渡します」

[438]【かおり】

[439]「そ、そんな!!

[440] なぎさ先輩は悪くありません!!」

[441]【やすこ】

[442]「悪くないわけないやろ、

[443] このアホンダラッ!!」

[444]背後からバシッと頭を叩かれた。

[445]【やすこ】

[446]「藤沢の判断ミスがどんだけヤバかったことなんか、

[447] まだわからんのか、ドアホが! 目先の感情に

[448] 流されんな、その頭は飾りモンか!!」

[449]【やすこ】

[450]「もし、あの子に万一のことがあったら、

[451] 演奏者のあみちゃんかて傷つくんやで!!」

[452]【かおり】

[453]「!!」

[454]布団の中にもぐりこんでしまったあみちゃんを思い出す。

[455]既に傷ついてるのに、

[456]これ以上、傷ついてしまうなんて……!

[457]【はつみ】

[458]「……沢井さん。

[459] あなたも頭を冷やす必要がありそうね。

[460] 3日間、部屋で良く考えてきなさい」

[461]【やすこ】

[462]「わかっとるとは思うけど、念のために言うとくで。

[463] 謹慎中は、お互いの部屋の行き来は禁止。

[464] 電話もメールも一切アカン」

[465]【やすこ】

[466]「自分らがどんだけヤバいことをしたんか、

[467] アホで的外れなこと言うたんか、

[468] それぞれひとりで、じっくり考え」

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