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white_robe_love_syndrome:scr00616

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[001]出勤すると、

[002]神妙な顔をしたなぎさ先輩と主任さんが

[003]向かい合っていた。

[004]【はつみ】

[005]「……本当にいいのね?」

[006]【なぎさ】

[007]「はい。自分が勉強不足だって、

[008] 沢井に教えながら、実感したんです」

[009]【かおり】

[010]「ほへ?」

[011]わたしの名前が出てくるなんて……何だろう?

[012]【なぎさ】

[013]「だから、ちゃんと自分に向き合って、

[014] ……患者さんたちのためにも、自分のためにも、

[015] 沢井のプリセプ、降りようと決意したんです」

[016]【かおり】

[017]「な、なぎさ先輩!?」

[018]【なぎさ】

[019]「……主任さんだって、

[020] 本当はあたしにプリセプは無理じゃないかって

[021] 思ってたんでしょう?」

[022]【なぎさ】

[023]「で、イマイチ、仕事にやる気のなかった

[024] あたしへの荒療治として、

[025] 沢井のプリセプに任命したんでしょう?」

[026]【はつみ】

[027]「…………」

[028]主任さんは小さく笑っただけで、

[029]そうだとも違うとも言わない。

[030]ただ、わたしのような経験不足の新人には

[031]読むことができない表情で、

[032]こちらをまっすぐに見た。

[033]【はつみ】

[034]「それでいいかしら、沢井さん?」

[035]【かおり】

[036]「ひゃい?

[037] な、何がですか?」

[038]【なぎさ】

[039]「あたし、沢井のプリセプを降りることにしたの。

[040] まだ新人を背負えるほど成長してないって

[041] 実感したから」

[042]【かおり】

[043]「え……?」

[044]清々しい顔で、

[045]わたしのプリセプターを辞めるって言われて、

[046]頭が全然ついてこない。

[047]それって……わたしのせいですか?

[048]わたしの物覚えが悪くて、

[049]なぎさ先輩の負担になったからですか?

[050]【やすこ】

[051]「おー、皆の衆、おはようさん!

[052] 今日も雁首揃えて、乳もいろんな大きさが揃ってて

[053] めっさええ眺めやねー」

[054]【はつみ】

[055]「というわけで、藤沢さんに代わり、

[056] 沢井さんのプリセプターは山之内さんになります。

[057] みなさん、フォローをよろしくお願いします」

[058]【やすこ】

[059]「……何ですと?」

[060]【はつみ】

[061]「では、全員揃いましたので、

[062] 申し送りをはじ……」

[063]【やすこ】

[064]「ちょい待ち、ちょい待ち!

[065] 今の何?

[066] どゆこと!?」

[067]珍しく、山之内さんが混乱してる。

[068]【はつみ】

[069]「だって仕方がないでしょう?」

[070]【はつみ】

[071]「藤沢さんが沢井さんのプリセプターを降りる以上、

[072] この病棟のほかの常勤看護師は

[073] あなた以外にいないのだから」

[074]【はつみ】

[075]「それとも、わたしに

[076] 沢井さんのプリセプターをやれと?

[077] 病棟主任の仕事をしながら?」

[078]【やすこ】

[079]「……いや……その……」

[080]【かおり】

[081]「…………」

[082]山之内さんを見てから、

[083]チラッとなぎさ先輩を見ると、

[084]ニコッと微笑んでくれた。

[085]ごめんね、と、

[086]声に出さずに唇で謝ってくれる。

[087]わたしのプリセプターに任命された時、

[088]なぎさ先輩は、また一緒に行動できるって

[089]すごく喜んでくれてたよね。

[090]それなのに、

[091]自分から辞めることを決意しただなんて、

[092]きっと随分と悩ませてしまったに違いない。

[093]【やすこ】

[094]「……これ、断れるような雰囲気ちゃうやん」

[095]【はつみ】

[096]「悪いとは思っているわ」

[097]【やすこ】

[098]「……ちっ、しゃーないなー、

[099] 今度、その爆乳、揉ませてくれるっちゅーんやから、

[100] 引き受けるしかないやないですか」

[101]【はつみ】

[102]「その発言はセクハラと捉えてもいいのかしら?」

[103]【やすこ】

[104]「くっ……!

[105] わーった、わーった、わかりました!

[106] 不肖・山之内、沢井を誠心誠意、調教します!」

[107]【かおり】

[108]「ちょ、ちょーきょー!?」

[109]【はつみ】

[110]「許可します。

[111] 新人をスーパーナースに仕上げてくれるなら

[112] 調教でも何でも大歓迎だわ」

[113]【かおり】

[114]「ほええええ!?」

[115]【はつみ】

[116]「あと、堺さんの血液データが若干、上昇しました。

[117] 沢井さん、担当に戻りますか?」

[118]【かおり】

[119]「え……?」

[120]一瞬、意味がわからず、なぎさ先輩を見て、

[121]新しくわたしのプリセプターになった山之内さんを見る。

[122]【やすこ】

[123]「また嫌味言われる日々に逆戻りするかどうか、や。

[124] どうするかは、あんたが決めたらええ」

[125]【なぎさ】

[126]「でも、嫌味を言う元気が出たって思えば……

[127] 喜ばしいことじゃない?」

[128]ふたりに背中を押されるように、大きく頷いた。

[129]【かおり】

[130]「はいっ!

[131] 頑張りますっ!!」

white_robe_love_syndrome/scr00616.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)