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white_robe_love_syndrome:scr00505

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[001]勤務が終わったら

[002]夕食を摂りながら本を読む。

[003]夕食が終わったら、

[004]片付けて、お風呂に入って、

[005]ベッドの中でもまた本を読んで

[006]本を読みながら寝るのが最近のパターン。

[007]勉強だらけだけど、

[008]わたしはまだまだ勉強不足だって痛感してて、

[009]だから、もっともっと勉強しなきゃって思うの。

[010]わたしが勉強することで

[011]患者さんが少しでも楽になるんだって

[012]わかったから。

[013]それに……、

[014]病棟で、患者さんを目の前にして

[015]自分の役立たずっぷりを思い知るのは、もう嫌だもの。

[016]日々、これ、勉強。

[017]それがわたしの、今のジャスティス!

[018]【かおり】

[019]「ん?

[020] 誰だろう……?」

[021]帰ってきてすぐ、

[022]今日、夜勤入りだったなぎさ先輩に

[023]頑張れメールを打ったままで放置してた

[024]携帯電話を手に取る。

[025]見慣れない番号。

[026]登録してない、けれど、

[027]非通知でもなければ公衆電話でもない。

[028]……いたずら電話じゃない、よね?

[029]おそるおそる通話ボタンを押してみる。

[030]【かおり】

[031]「も、もしもし?」

[032]【???】

[033]「プリーズ・ヘルプ・ミー!」

[034]この声は……山之内さん……?

[035]【かおり】

[036]「あ、あうぅ……。

[037] ヘルプって、また原稿ですか?」

[038]【やすこ】

[039]「おお、心の友よ!

[040] わかってくれるとは話が早い!

[041] 沢井やったら手伝ってくれると思てたで!」

[042]【かおり】

[043]「は!?

[044] わたし、手伝うなんて、一言も……!」

[045]【やすこ】

[046]「ほな、部屋で待っとるでー!

[047] チュッ」

[048]え……。

[049]一方的にしゃべった挙句、

[050]一方的に切っちゃった……。

[051]ありえないよ、山之内さん、

[052]どれだけ傍若無人なの!?

[053]あれ?

[054]暴虐武人、だっけ?

[055]そんな言葉は別にいいんだけど。

[056]でも。

[057]【かおり】

[058]「ううう……」

[059]行かなきゃいけないんだろうなぁ。

[060]無視したら後が怖いし。

[061]トホホ……。

[062]山之内さんの部屋は

[063]同じ建物の同じ四階。

[064]同じ階で行き来しやすいのは楽で良いんだけど、

[065]こういう時は、本当に良いことなのか、

[066]ちょっと判断できないよね。

[067]こんな風に

[068]わたしの都合もお構いなしに

[069]呼びつけられちゃうんだもん……困っちゃう。

[070]【かおり】

[071]「……こ、こんばんは」

[072]【やすこ】

[073]「おおお、待っておったぞ、

[074] 心の友よ〜!」

[075]出てきた山之内さんに

[076]いきなりぎゅっと抱きしめられて、びっくりした。

[077]山之内さんは、

[078]相変わらずのアレなジャージに、

[079]分厚いメガネ。

[080]髪は乱暴にひっつめていて、

[081]どこからどう見ても

[082]性別を捨てたオタクな人。

[083]病棟での、仕事のできる美人ナース姿のあの人は

[084]一体、誰なんだろうと不思議になる。

[085]【やすこ】

[086]「玄関で抱き合うのもなんやから、

[087] さ、入って入って」

[088]【かおり】

[089]「別に抱き合いたくて来たわけじゃないです」

[090]【やすこ】

[091]「んもう、

[092] かおりちゃんったら

[093] つれないっ」

[094]【やすこ】

[095]「ほな、座って〜」

[096]山之内さんの指示に従って

[097]座り慣れた場所に座る。

[098]【やすこ】

[099]「ほな、まずはこれな。

[100] ゴムかけ、ヨロシク!」

[101]はい、と原稿を渡された。

[102]渡されたものは、鉛筆線画の上に

[103]既に黒いペンで主線が入ってる。

[104]ああ、初めて山之内さんのお手伝いした時も

[105]こんな原稿だったよなぁ……。

[106]思い出に浸りながら

[107]消しゴムを手にしたところで、

[108]はたと思い出した。

[109]【かおり】

[110]「そういえば、山之内さん、

[111] この間までやってた原稿は

[112] どうなったんですか?」

[113]【やすこ】

[114]「ああ、あれな。

[115] もう本になってるで」

[116]【かおり】

[117]「えええっ!?

[118] わたし、山之内さんの本、見たいです!!」

[119]い、一体、いつの間に!?

[120]本になったなんてスゴイ!!

[121]けれど、わたしの

[122]テンションの上がりっぷりに引いたのか、

[123]山之内さんは微妙な顔をした。

[124]【やすこ】

[125]「あー、うん、

[126] ゴムかけ終わってからな」

[127]……どうしたんだろう?

[128]何か変だったのかな、わたし?

[129]あー……。

[130]【かおり】

[131]「……朝、ですねぇ……」

[132]【やすこ】

[133]「……朝、やねぇ……」

[134]また徹夜してしまった……。

[135]消しゴム、かけてもかけても

[136]終わらないなんて……。

[137]今日がお休みでよかった。

[138]お部屋に帰れば

[139]もう何も考えずに眠れるんだもん……。

[140]【やすこ】

[141]「沢井、

[142] 今日は勤務、何?」

[143]【かおり】

[144]「お休みです」

[145]【やすこ】

[146]「奇遇やな、

[147] うちも公休や」

[148]ふーん、

[149]山之内さんも、今日はお休みなのね。

[150]【やすこ】

[151]「ほな、今日は

[152] キリのええところまで拘束できるな」

[153]【かおり】

[154]「そ、そんなぁ!!」

[155]【やすこ】

[156]「ドントセイ・フォー・オア・ファイブ!

[157] 四の五の言わんと、次の作業に進まんかい!

[158] ゴムかけ終わったら、次はベタ塗りやで〜」

[159]【かおり】

[160]「うわぁん、鬼ィ〜!」

[161]【やすこ】

[162]「ははは、鬼で結構!

[163] うちは鬼畜萌えなんや!」

[164]ううう……。

[165]【やすこ】

[166]「とかいいつつ、

[167] ほれ、ギガミンS、飲み。な?

[168] うーん、山之内さん、優し〜い!」

[169]目の前に

[170]ドリンク剤を差し出された。

[171]くっ……、

[172]感謝なんかしないんだから!

[173]【やすこ】

[174]「沢井〜、

[175] 腹減ったか〜?」

[176]【かおり】

[177]「さっきからお腹の虫が鳴ってます〜」

[178]【やすこ】

[179]「あー、そーいや

[180] うちの腹の虫もわめき散らしとるわ〜」

[181]もう既に

[182]わたしのお腹の虫なんだか

[183]山之内さんのお腹の虫なんだか

[184]判別もつかないくらいに鳴ってるよね。

[185]【やすこ】

[186]「もう限界や!」

[187]【かおり】

[188]「ぴょっ!?」

[189]【やすこ】

[190]「食料も底を尽いた!

[191] 買いに行こう!

[192] 気分転換や!」

[193]そんなことを言うためだけに

[194]いちいち机を叩かないでください、

[195]びっくりするじゃないですか!

[196]そう文句を言いたいような気がしたけど……。

[197]……ふぅ。

[198]もういいや、どうでも。

[199]そんなこんなで

[200]コンビニに行くことにしたわたしたち。

[201]お手伝いの最中の飲食だから

[202]お金は全て山之内さん持ち。

[203]だから、わたしは手ぶらでいいんだって。

[204]【やすこ】

[205]「ほな、行こか」

[206]【かおり】

[207]「はい……。

[208] でも、いいんですか?」

[209]【やすこ】

[210]「ええねん、ええねん。

[211] むしろ、コンビニ飯で、こっちが恐縮やわ〜」

[212]【なぎさ】

[213]「あら、沢井。

[214] ……と、山之内、さん……」

[215]ロビーで

[216]ポストを覗いているなぎさ先輩に会った。

[217]【やすこ】

[218]「おお、藤沢、

[219] おつ〜!」

[220]【かおり】

[221]「お疲れ様です、なぎさ先輩。

[222] 夜勤明けですよね」

[223]【なぎさ】

[224]「ええ、そうよ。

[225] 見てわからない?」

[226]あ、あれ?

[227]なぎさ先輩、

[228]なんだか機嫌悪くない?

[229]えっと……。

[230]【かおり】

[231]「病棟はどうでした?

[232] 夜勤、落ち着いてました?」

[233]【なぎさ】

[234]「そうね、落ち着いていたわね。

[235] 沢井が日勤で頑張ってくれたからかもね、

[236] あ・り・が・と・う」

[237]ううう〜、

[238]やっぱり機嫌悪い〜。

[239]でも、どうしてだろう?

[240]>

[241]【やすこ】

[242]「こら〜、藤沢!

[243] 沢井に八つ当たりすんな」

[244]【なぎさ】

[245]「八つ当たりなんかじゃないですー。

[246] あたしは、お礼を言っただけですー」

[247]【やすこ】

[248]「お礼やったら素直に言うたらええやろ。

[249] 何やの、その嫌味ったらしい言い方」

[250]【やすこ】

[251]「女の子やねんから、

[252] もうちょっと素直になった方が

[253] 可愛げがあるで?」

[254]【なぎさ】

[255]「別に可愛げがほしくて

[256] 女やってるわけじゃありませんから」

[257]あああ、ケンカなの?

[258]ケンカしちゃうの?

[259]どどど、どうしよう〜。

[260]【なぎさ】

[261]「ってゆーか、山之内さん、

[262] あたしも言いたいことあるんですけど、

[263] 言わせてもらっていいですか?」

[264]【やすこ】

[265]「ん?

[266] どーぞ?」

[267]【なぎさ】

[268]「沢井は今、勉強しなきゃいけない時期なのに

[269] そうやって自分の都合に付き合わせるのは

[270] どうなんですか?」

[271]【やすこ】

[272]「あ?」

[273]あああ、一気に

[274]ロビーの雰囲気が険悪に!!

[275]どどどど、どうしよう〜。

[276]わたしが止めなきゃいけないんだよね?

[277]でも、わたしに止められるのかな。

[278]【やすこ】

[279]「……ハッ、アホらし、

[280] そんなこと言いたかったんかいな」

[281]【やすこ】

[282]「心配せんでも、手伝ってもらいながら、

[283] 看護上のアドバイスもさせてもろてますー。

[284] 患者対応のポイント、とかも含めて、な」

[285]あれ、そうだっけ?

[286]【なぎさ】

[287]「……ぐっ」

[288]【やすこ】

[289]「そういう自分はどうなんかなぁ?」

[290]【やすこ】

[291]「飲みながらでも、新人の沢井にとって

[292] 有益なアドバイスとかしとるんかなぁ?

[293] つか、できてんのかなぁ?」

[294]【やすこ】

[295]「そもそも自分かて、

[296] 新人と経験年数の差、一年しかないやん。

[297] そんなんで有益なアドバイスなんかできんの?」

[298]【やすこ】

[299]「つーか、新人と一緒にヘベレケになるわ、

[300] 翌朝、飲みましたって顔で

[301] すっぴんで仕事に来るくらいやのになぁ?」

[302]【なぎさ】

[303]「ぐぐぐ……っ」

[304]ああ、なぎさ先輩が言い負かされてる!

[305]そうだよね、

[306]さすがのなぎさ先輩も

[307]山之内さんに口で勝てるわけないよね。

[308]……わたしも、たぶん、無理。

[309]馴染みのない関西弁で

[310]ポンポン言われちゃうと

[311]もう言い返す気力が萎えちゃうっていうか……。

[312]【やすこ】

[313]「ホレ、言い返したいことがあるんやったら

[314] 遠慮せんと、言うてええよ?

[315] あんたの反論なんか、その場で叩き潰したる」

[316]【なぎさ】

[317]「うぐぐ……っ」

[318]ああ、なぎさ先輩……。

[319]一方の山之内さんは

[320]別に勝ち誇った様子もなく

[321]淡々と面倒臭そうに自分の肩を叩いている。

[322]【やすこ】

[323]「他にもイロイロあるけど、

[324] 今日のところはこれで許したるわ。

[325] ありがたく思うことやね、なぁ、藤沢?」

[326]なぎさ先輩は

[327]悔しそうに、ぐっと唇を噛んで、

[328]ちょっと泣きそうな顔をしてる。

[329]そのなぎさ先輩が、わたしを見た。

[330]え!?

[331]反論しろってこと!?

[332]そして、

[333]なぎさ先輩の視線につられたのか

[334]山之内さんもわたしを見る。

[335]ええっ!?

[336]ちょ……、

[337]何か言わなきゃならない

[338]この雰囲気は何!?

[339]どどどどど、どうしよう!?

[340]わたし、どっちかの肩を

[341]持たなきゃいけない感じ!?

[342]肩を持つとしたら……。

[343]なぎさ先輩

[344]山之内さん

[345]やっぱりここは

[346]なぎさ先輩の肩を持つべきよね。

[347]なぎさ先輩には本当にお世話になってるし、

[348]それに、山之内さんは強い人だから

[349]わたしなんかが味方にならなくても

[350]大丈夫だよね。

[351]【かおり】

[352]「でも、なぎさ先輩との飲みは

[353] ストレス発散になりますから……」

[354]【なぎさ】

[355]「沢井〜」

[356]【かおり】

[357]「勤務中も、勤務後も、

[358] ずっと看護の勉強してたって

[359] 集中力落ちるだけだし……」

[360]【なぎさ】

[361]「だよねー!

[362] 看護師の仕事って

[363] ストレス溜まるもんね!」

[364]わたしの援護射撃で、

[365]途端に、しゃきんとなるなぎさ先輩。

[366]【なぎさ】

[367]「ストレス溜まる上に、

[368] わけのわからないことの手伝いまでさせられて、

[369] 沢井、可哀想〜」

[370]良かった、

[371]なぎさ先輩が元気になって。

[372]【やすこ】

[373]「うわーん、

[374] 藤沢が人の趣味けなす〜!

[375] わけわからんて言う〜!」

[376]え!?

[377]や、山之内さん!?

[378]【やすこ】

[379]「それに、沢井まで

[380] 人の趣味をキモいって言う〜!

[381] うちは孤独や〜!」

[382]【かおり】

[383]「え!?

[384] わたし、キモいなんて言ってません!」

[385]【やすこ】

[386]「でも、藤沢がけなした時、

[387] 一緒になってけなしてたやんか〜」

[388]【なぎさ】

[389]「あ、あたしだって

[390] 山之内さんの趣味を

[391] けなしてませんってば!」

[392]【やすこ】

[393]「……ほんま?」

[394]【なぎさ】

[395]「ほんま、ほんま。

[396] 理解……は難しいけど、

[397] でも、否定してるわけじゃないです」

[398]【やすこ】

[399]「藤沢ァっ!」

[400]【なぎさ】

[401]「キャーッ!?」

[402]がばっと山之内さんが

[403]なぎさ先輩に抱きついた。

[404]【かおり】

[405]「ちょ……っ!?」

[406]【やすこ】

[407]「藤沢〜ぁ、

[408] あんたもうちの可愛い後輩やで〜?

[409] チューする? チューしちゃう?」

[410]【なぎさ】

[411]「キャーッ、イヤーッ!!

[412] 助けて、沢井ーッ!!」

[413]【やすこ】

[414]「……そんなに嫌がらんでも。

[415] 傷つくわぁ」

[416]山之内さんの腕から逃れたなぎさ先輩は

[417]脱兎のごとく逃げ出して、

[418]遠いところから涙目でこちらを見ている。

[419]やっぱりここは

[420]山之内さんの肩を持つべきよね。

[421]山之内さんには本当にお世話になってるし、

[422]一緒に仕事をしていて

[423]看護の裏技的スキルを教えてもらってるし。

[424]仕事ではなかなかお返しできないから

[425]こういう時こそ、恩返しするべき時なのかも。

[426]【かおり】

[427]「マンガのお手伝いも楽しいです」

[428]【やすこ】

[429]「そうか、そうか、

[430] 楽しいて言うてくれるんかー。

[431] あんたはええ子やねー」

[432]【なぎさ】

[433]「ちょ、沢井!?

[434] なに言い出すのよ!?」

[435]【やすこ】

[436]「いやいや、仕事とは別に

[437] やりがいを持つことは大事やで?」

[438]【やすこ】

[439]「それに、あんたほどの腕があれば、

[440] もう少し場慣れしたら、

[441] アシスタントとして働けるで?」

[442]アシスタント、かぁ……。

[443]【なぎさ】

[444]「ちょ、ちょっと待ってください!

[445] 沢井は看護師なんです!

[446] 漫画家志望じゃありません!」

[447]【やすこ】

[448]「いやいやいや。こんな世の中や、

[449] 看護以外に金になるスキルを持つことは

[450] 悪いことやないよ?」

[451]【やすこ】

[452]「なんやったら、藤沢も

[453] うちンとこで修行するか?」

[454]山之内さんは

[455]なぎさ先輩の顎を取って、

[456]くいっと上向けた。

[457]顔が近づく、その刹那――。

[458]【なぎさ】

[459]「い、いやぁぁぁぁっ!」

[460]山之内さんの手を振り払って、

[461]なぎさ先輩が逃げる。

[462]【やすこ】

[463]「……そんなに嫌がらんでも。

[464] 傷つくわぁ」

[465]かなり遠くまで逃げてから、

[466]涙目でこちらを見た。

[467]【なぎさ】

[468]「あ、あたしのクチビルは

[469] 山之内さんの気まぐれで奪われるほど

[470] 安いものじゃないんです!」

[471]【やすこ】

[472]「あー、はいはい。

[473] そりゃ悪ぅござんしたー」

[474]……このふたり、

[475]仲がいいのか悪いのか、わかんないなぁ。

[476]あんなに険悪な雰囲気も

[477]いつの間にか和らいでるし。

[478]わたしの出る幕、なかったってこと?

[479]ま、ケンカにならなければ、

[480]それはそれでいいんだけどね。

[481]【かおり】

[482]「なぎさ先輩も夜勤でお疲れでしょう?

[483] 早く休んだ方がいいですよ」

[484]【なぎさ】

[485]「沢井はいい子ね〜。

[486] その素直さを大事にしてねー」

[487]戻ってきたなぎさ先輩に

[488]ぎゅっと抱きしめられた。

[489]【やすこ】

[490]「はいはい、

[491] 見せつけんのは、そこまでなー。

[492] 独りモンには目の毒やから」

[493]なぎさ先輩から

[494]わたしをベリッと引き剥がして、

[495]山之内さんがわたしの頭を軽く叩いた。

[496]【やすこ】

[497]「ホラ、コンビニ行くで!

[498] 空腹も限界や」

[499]【かおり】

[500]「じゃあ、なぎさ先輩、失礼します!

[501] ゆっくり休んでくださいね!」

[502]【なぎさ】

[503]「……うん」

[504]コンビニに着く寸前で、

[505]山之内さんが

[506]ため息をついたのが聞こえた。

[507]【やすこ】

[508]「……藤沢も

[509] もう少し余裕を持てれば一皮むけるのにな」

[510]【かおり】

[511]「はい?」

[512]【やすこ】

[513]「いや、独り言や、気にすんな」

[514]…………?

[515]何だろう?

[516]どういう意味なんだろう?

[517]【やすこ】

[518]「ほら、コンビニやで。

[519] 好きなモン、買うてええからなー?」

[520]意味はわからなかったけれど、

[521]取り敢えず、わたしはコンビニの棚を物色するべく、

[522]コンビニに入ることにした。

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