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white_robe_love_syndrome:scr00317

Full text: 119 lines Place translations on the >s

[001]今日も無事に仕事が終わった。

[002]白衣を脱いで、私服に着替えるとホッとする。

[003]【なぎさ】

[004]「今日はどうする?」

[005]【かおり】

[006]「……お腹減りました……」

[007]【なぎさ】

[008]「沢井は色気がないなぁ、

[009] 開口一番にお腹減った、だなんて!」

[010]【かおり】

[011]「じゃあ、なぎさ先輩は

[012] お腹減ってないんですか?」

[013]【なぎさ】

[014]「んもー、拗ねちゃって、沢井ったら!

[015] お腹減ってないなんて

[016] 一言も言ってないでしょ〜!」

[017]むにっと鼻を摘ままれる。

[018]【なぎさ】

[019]「そうやって、すぐむきになるところが

[020] 沢井の可愛いところよねー」

[021]【かおり】

[022]「……うう、

[023] なぎさセンパイのイジワル〜ぅっ」

[024]ぷいっとそっぽを向いて、一歩

[025]踏み出したその時――。

[026]ヘナヘナとその場にへたり込む。

[027]【かおり】

[028]「…………」

[029]今……、車が……。

[030]【なぎさ】

[031]「沢井!!」

[032]わたし……、今、

[033]車に轢かれそうになった……?

[034]【なぎさ】

[035]「沢井、大丈夫!?

[036] 怪我はない!?」

[037]【かおり】

[038]「……は、は…い……」

[039]ガクガクと身体が震える。

[040]運転席で強張った運転手の顔。

[041]驚いたような運転手の顔。

[042]……笑っている、運転手の顔。

[043]今の車の運転手さんは……笑ってた?

[044]もしかして、わたしを狙って……?

[045]  「そんなに驚かなくてもいいでしょう?

[046]   あなた、イロイロな意味で目立つ人、だしね」

[047]      「自分が目立っていると

[048]       自覚してなかったんですか?

[049]       ……はっ、おめでたい人」

[050]     「わたし、あなたみたいな人って、

[051]      ほんと大っ嫌い」

[052]……もしかして、さっきの車の運転手さんも

[053]わたしの知らないところで、わたしを知っていて、

[054]わかっていて突っ込んできた、とか……?

[055]……わたし、

[056]殺されちゃうの……?

[057]【なぎさ】

[058]「……にしても、

[059] さっきのドライバー、運転荒いわねぇ!

[060] ねぇ、沢井、大丈夫?」

[061]【かおり】

[062]「……ろされちゃうの?」

[063]【なぎさ】

[064]「沢井?」

[065]【かおり】

[066]「わたし、殺されちゃうの!?

[067] ねぇ、わたし、狙われてるの!?」

[068]目の前で、

[069]わたしの顔を覗き込んでいる人に

[070]縋りつく。

[071]【なぎさ】

[072]「ちょ、沢井!?」

[073]【かおり】

[074]「わたし、何もしてないのに!

[075] それなのに、殺されちゃうの!?」

[076]【なぎさ】

[077]「さ、沢井……?」

[078]【かおり】

[079]「やだ! やだよう!

[080] 殺されるのなんて、やだよぅ!!」

[081]【なぎさ】

[082]「そうね……。

[083] 殺されちゃうのかもね」

[084]誰かが耳元にささやいた。

[085]やっぱり、わたし、

[086]殺されちゃうんだ!!

[087]【かおり】

[088]「いやっ!

[089] わたし、まだ死にたくないっ!」

[090]【なぎさ】

[091]「大丈夫よ、大丈夫。

[092] あたしの側にいれば、大丈夫よ」

[093]誰かが大丈夫だとささやいてくれた。

[094]【かおり】

[095]「大丈夫……なの……?」

[096]【なぎさ】

[097]「そうよ、大丈夫。

[098] あたしが守ってあげるから」

[099]その言葉で、

[100]少し心が軽くなる。

[101]【なぎさ】

[102]「顔を上げて?

[103] 顔を上げて、あたしを見て?」

[104]言われるままに顔を上げる。

[105]目の前には……優しく微笑む、なぎさ先輩がいる。

[106]【かおり】

[107]「……なぎさ、せんぱい……?」

[108]【なぎさ】

[109]「そうよ。

[110] あたしが守ってあげる。

[111] だから、大丈夫」

[112]なぎさ先輩が、ぎゅっと抱きしめてくれた。

[113]そのぬくもりに、

[114]強張っていた身体の力が抜ける。

[115]【なぎさ】

[116]「部屋に帰ろう?

[117] あたしが連れて帰ってあげる」

[118]優しく立たされて、

[119]わたしはコクリとうなずいた。

white_robe_love_syndrome/scr00317.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)