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white_robe_love_syndrome:scr00228

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[001]【かおり】

[002]「んっふっふ……」

[003]なぎさ先輩へのお土産を手にすると、

[004]自然と笑いがこみ上げてくる。

[005]【かおり】

[006]「なぎさ先輩、

[007] 今頃は申し送り中かなぁ……」

[008]そう思いつつ、

[009]ベッドにもたれてメールを打ってみた。

[010]【かおり】

[011]「はっ!?」

[012]わたしったら、

[013]ちょっと寝ちゃってたみたい。

[014]【かおり】

[015]「はーいっ!」

[016]【なぎさ】

[017]「お招きありがとう……って、

[018] さっきまで寝てたでしょう〜?」

[019]【かおり】

[020]「ほへっ!?

[021] 何でわかったんですか!?」

[022]【なぎさ】

[023]「ほっぺに布の跡がついてるわよ」

[024]【かおり】

[025]「ふひっ!」

[026]慌ててゴシゴシとほっぺたを拭いた。

[027]なぎさ先輩はニコニコしながら、

[028]慣れた様子で部屋に入ってくる。

[029]【なぎさ】

[030]「お邪魔しまーす」

[031]【かおり】

[032]「はいどうぞー」

[033]なぎさ先輩の持ってきたビールを

[034]テーブルに並べて……と。

[035]【なぎさ】

[036]「ぷはーっ!

[037] この一杯で、仕事の疲れが吹っ飛ぶって

[038] 気がするー!」

[039]【かおり】

[040]「ですよねー!」

[041]【なぎさ】

[042]「何よ、沢井は今日はお休みだったでしょ!!」

[043]あ、そうだった、

[044]忘れるところだった!

[045]【かおり】

[046]「なぎさ先輩、これどうぞ!!」

[047]ラッピングされた鏡を渡す。

[048]【なぎさ】

[049]「あ〜ん?

[050] 何よ、これ?」

[051]【かおり】

[052]「開けてみてください!!」

[053]【なぎさ】

[054]「あらぁ、可愛い鏡〜!」

[055]【かおり】

[056]「じゃじゃーん!

[057] わたしのとお揃いなんですー!!」

[058]【なぎさ】

[059]「やだー!」

[060]【かおり】

[061]「ちょっ!?

[062] どうしてそこで『やだー』なんですか!!」

[063]【なぎさ】

[064]「あっはっは、

[065] 言葉のアヤというものだよ、沢井くん」

[066]やだーとか言いながらも、

[067]何だかんだで嬉しそうななぎさ先輩。

[068]【かおり】

[069]「今日はね、神庫に行ってたんです。

[070] で、これくらいのサイズだと

[071] 白衣のポケットにも入るし、いいなーって思って」

[072]【なぎさ】

[073]「……ってことは、

[074] 結構、お金かかったんじゃない?

[075] バイトさんや派遣さんとか入れると……」

[076]【かおり】

[077]「やだなー、

[078] この鏡は、わたしとなぎさ先輩の分しか

[079] 買ってませんよ?」

[080]【かおり】

[081]「詰所の皆さんにはお菓子買ってきたんで、

[082] それで勘弁してもらわないと、

[083] 全員分なんて、さすがに破産しちゃいそうです」

[084]【なぎさ】

[085]「…………」

[086]一瞬、なぎさ先輩が無口になった。

[087]【かおり】

[088]「あ、あの……やっぱり

[089] 全員分、何か買った方が良かったですか……?」

[090]【なぎさ】

[091]「や、やーね、そうじゃないの!

[092] 沢井があたしだけにお土産を買ってきてくれたことに、

[093] ちょっと感動してただけよ、やーねぇ、もー!」

[094]【かおり】

[095]「そう……なんですか?」

[096]【なぎさ】

[097]「そーよぉ! あの小さかったかおりが、

[098] 先輩に気を遣えるまでに成長したなんて、

[099] お姉さん、嬉しいっ!!」

[100]【かおり】

[101]「……なぎさ先輩、

[102] もう酔っ払ってるんですか?」

[103]【なぎさ】

[104]「んまっ! 何て冷たい言い方なの!!

[105] お姉さん、あなたをそんな子に育てた覚えは

[106] ありません!!」

[107]【かおり】

[108]「……わたしも、なぎさ先輩なんかに

[109] 育てられた覚えはありませんー!」

[110]わざと生意気な感じで言ってみた。

[111]【なぎさ】

[112]「あーっ!

[113] 今、なぎさ先輩『なんか』って言ったなー!!」

[114]むぎゅーっと、なぎさ先輩が抱きついてきた。

[115]【なぎさ】

[116]「んふふー、

[117] でも、今日は気分がいいから、許してやろう。

[118] 嬉しいでしょ、かおりたーん?」

[119]【かおり】

[120]「ひょわぁっ!?」

[121]すりすりと

[122]猫のように肩口に頬を押し付けられる。

[123]【なぎさ】

[124]「かおりたんはあたしだけのものよねー」

[125]【かおり】

[126]「もう、何、言ってるんですか?」

[127]【なぎさ】

[128]「あたしだけのものって言えー!!」

[129]【かおり】

[130]「あー、もう、はいはい、

[131] なぎさ先輩だけのものですー」

[132]【なぎさ】

[133]「んふふ、嬉しーい!

[134] お礼にチューしてあげるー」

[135]【かおり】

[136]「きゃーっ!?

[137] なぎさ先輩、顔が近いですー!!」

[138]思わず、ぎゅーっと手を伸ばして、

[139]なぎさ先輩の暴挙からガードした。

[140]【なぎさ】

[141]「ちっ、

[142] 今日は取り敢えずほっぺとほっぺを

[143] くっつけるだけにしといてやるわ」

[144]【かおり】

[145]「……もう、

[146] なぎさ先輩が何を言っているのか、

[147] さっぱりわかんないですよぅ……」

[148]とはいえ、

[149]鏡のプレゼントは喜んでくれたようで、

[150]良かった良かった!

[151]……んだよね。

white_robe_love_syndrome/scr00228.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)