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tenshitachi_no_harukoi:s016
;//S016
#savetitle 「恋というものは」


;**優乃の部屋・夜
#bg bg03c
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;♂MP16
#bgm 0 bgm16


#mes on
#system on


#cg 1 tyu01f 400 0
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#voice YUUNO_0349
【Yuuno】「……ふぅ」
届いた、母からの手紙を、そっとしまい込む。
母は意外と筆まめな人だったらしい。
『新生活はどうですか』から始まり、『しっかり勉強して、立派な看護師さんになってくださいね』で終わっていた。


#cg 1 tyu03f 400 0
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そして、わたしは自己嫌悪。
だって、最近は『看護師になる』という目的を忘れていることが多いのだから……。


#cg 1 tsa01f 200 0
#cg 2 tyu03f 600 0
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#voice SATUKI0290
【Satsuki】「お母さん、何だって?」
ドキッとしたのを何とか隠して、皐さまに微笑みかける。


#cg 2 tyu02f 600 0
#wipe fade



#voice YUUNO_0350
【Yuuno】「わたしはぼんやりしているから、しっかり勉強しなさいって書かれました」
#voice SATUKI0291
【Satsuki】「ぼんやりしているキミも可愛いけれど、たしかに、勉強のことを考えると、あんまりぼんやりしていられないよね」


#cg 2 tyu01f 600 0
#wipe fade



#voice YUUNO_0351
【Yuuno】「そうですわね……」
実際、今だって、こうして皐さまと同じ部屋にいることで、頭がいっぱいで、勉強どころじゃなくなっている。
母からの手紙すら、なかなか頭に入ってこなくて、何度読み直したのやら……。
こんなに皐さまのことが気になって仕方がなくなってしまうなんて。
……もしかして……。
#voice SATUKI0292
【Satsuki】「ん? ボクの顔をじっと見て、どうかした?」
#voice YUUNO_0352
【Yuuno】(この気持ちって……)
そうなのかもしれないと仮定してしまうと、今までのことが全部、そうだと思えてくる。
あの入寮の日、迷い子になった学院の庭で、桜の上から声をかけられたときから、わたしは……。


#cg 2 tyu06f 600 0
#wipe fade



#voice YUUNO_0353
【Yuuno】「………………っ」
ポロッと涙が出た。
#voice SATUKI0293
【Satsuki】「優乃? どうして泣くんだい?」
伸ばされた腕に、素直に甘える。
手紙が、ひらりと落ちた。


;※EV07
#cg all clear
#bg EV07
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#voice YUUNO_0354
【Yuuno】「わたし……皐さまのことが……好きなんです……」
迷惑かもしれない。
ううん、きっと迷惑に思われてしまうだろう。
でも……。
#voice YUUNO_0355
【Yuuno】「ごめんなさい……。でも、黙っておくことなんて、できなくて……」
#voice YUUNO_0356
【Yuuno】「わたしなんかに好きだって言われても、皐さまも困ってしまいますわよね」
グスッと鼻をすする。
皐さまは、ちょっと困ったような微笑みを浮かべた。
#voice SATUKI0294
【Satsuki】「ありがとう。キミの好意はとても嬉しいよ。だから、ボクはキミの思いは否定しないよ」
#voice YUUNO_0357
【Yuuno】「………………」


;※EV07P1
#bg EV07P1
#wipe fade



#voice SATUKI0295
【Satsuki】「でもね、ボクはね、こう思うんだ。恋愛なんて感情は、所詮はただの気の迷い……思い込みだよ」
#voice YUUNO_0358
【Yuuno】「さ……つき、さま……」
#voice SATUKI0296
【Satsuki】「キミはそんな気の迷いで、将来を棒に振るつもりかい?」
#voice SATUKI0297
【Satsuki】「ボクたちは学生で、学生の本分は勉強だ」
#voice SATUKI0298
【Satsuki】「キミの気持ちは嬉しいし、告白を受け入れるのはやぶさかではないよ」
#voice YUUNO_0359
【Yuuno】「で、では……」
浮き足だったわたしに、皐さまはさみしそうに微笑んで、首を振った。
#voice SATUKI0299
【Satsuki】「いけないね、キミの気の迷いを受け入れてしまうのは、キミのためにならない」
#voice YUUNO_0360
【Yuuno】「わたしのためにならないって……?」
#voice SATUKI0300
【Satsuki】「キミの成績が右肩下がりになる様子を黙って見ているわけにはいかないよ」
#voice YUUNO_0361
【Yuuno】「そう……ですわね……」
#voice SATUKI0301
【Satsuki】「でも、キミのことは友人としてリスペクトしているよ」
#voice SATUKI0302
【Satsuki】「今まで、こんなボクに親しく付き合ってくれる人はいなかったからね」
#voice SATUKI0303
【Satsuki】「女同士の友情ってこういうものなのか、今、ボクは青春のまっただ中にいる気分だよ」
#voice YUUNO_0362
【Yuuno】「………………」
皐さまは気づいていない。
どれだけご自分が残酷なことをおっしゃっているのか。
それでも、と、思う。
わたしの気持ちが、わたしの存在ごと拒否されたわけではないのだから、まだ救いがあるではないかと。
#voice SATUKI0304
【Satsuki】「キミさえ良ければ、親しい友人になってくれないか?」
今までとは違う涙が出そうになった。
心が、痛い。
けれど、頑張って嬉しそうな笑顔を浮かべてみせる。


;※EV07P2
#bg EV07P2
#wipe fade



#voice YUUNO_0363
【Yuuno】「ええ、わたしで良ければ……」
#voice SATUKI0305
【Satsuki】「ああ。ボクたちは、いい友達になれそうだね」
#voice YUUNO_0364
【Yuuno】「ええ……」


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



;**夜空
#bg bg17c
#wipe fade



#mes on
#system on


顔で笑って、心で泣いて。
皐さまをがっかりさせてはいけない。
せっかく『良い友達になれそうだ』と言ってくれているというのに。
#voice YUUNO_0365
【Yuuno】(お母様……、昔、お母様が言っていた通り、恋というものは楽しいだけじゃないものなんですね……)
皐さまの腕の中、口に出さずに、記憶の母に語りかける。
念入りなお化粧を施された母の顔には、いつも悲しげな微笑みが浮かんでいた――。


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;♂MS
#bgm 0 stop 1000


;//END
#next2 S017
tenshitachi_no_harukoi/s016.txt · Last modified: 2013/09/27 12:27 by axypb