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tenshi_no_akogare:s011
;//S011 不器用な言葉
#savetitle 不器用な言葉


;**学校教室・昼
#bg bg07a
#wipe fade



;♂MP18
#bgm 0 bgm18


#cg 1 tyu08s 400 0
#wipe fade



#mes on
#system on


#voice yuuno_0070
【Yuuno】「成美さん! りんごちゃんが戻ってきましたわ!」


#cg 1 tyu08s 200 0
#cg 2 tna08s 600 0
#wipe fade



#voice narumi0096
【Narumi】「ちょっと、りんご! 購買に行ったのに、いないってどういうことよ!」
教室に入ってすぐ、すごい剣幕の成美ちゃんに腕を掴まれた。


#cg 1 tyu03s 200 0
#wipe fade



#voice yuuno_0071
【Yuuno】「今朝から元気がなかったから心配になって、わたしたち、購買まで行きましたのよ?」


#cg 1 tyu03s 150 0
#cg 2 tri03s 400 0
#cg 3 tna08s 650 0
#wipe fade



#voice ringo_0334
【Ringo】「あ……ごめん」
ふたりとも……あたしを探してくれたんだ……。
胸の奥が、ほわんと温かくなる。
煩わしいとか思っちゃって、悪いことしちゃったな。


#cg 2 tri01s 400 0
#wipe fade



#voice ringo_0335
【Ringo】「あのね、ちょっと気分を晴らしたくて、屋上に行ってたの」
#voice narumi0097
【Narumi】「だったら最初から屋上に行くって言ってよ!」


#cg 1 tyu01s 150 0
#wipe fade



#voice yuuno_0072
【Yuuno】「まぁまぁ、成美さん。そんな頭ごなしな言い方ですと、りんごちゃんだって何も言えなくなってしまいますわ」
#voice yuuno_0073
【Yuuno】「本当は購買でパンを買うつもりが、気が変わって、屋上に向かってしまったのかもしれませんし」


#cg 3 tna03s 650 0
#wipe fade



#voice narumi0098
【Narumi】「それは……そうかもしれないんだけどさ、行き先さえちゃんと教えてくれないなんて……さみしい」
#voice yuuno_0074
【Yuuno】「考えすぎですわ、成美さん」
#voice narumi0099
【Narumi】「そうかなぁ?」
#voice yuuno_0075
【Yuuno】「人生万事塞翁が馬、ですわ」
#voice yuuno_0076
【Yuuno】「りんごちゃんが購買に行かなかったせいで、わたしたちとは合流できなくても、教室で合流した時には、いつものりんごちゃんに戻っていた……」


#cg 1 tyu02s 150 0
#wipe fade



#voice yuuno_0077
【Yuuno】「それで良いじゃありませんか。ね?」
優乃さんがフフッと微笑みかけてくれる。
深くまで訊いてこない。
それはつまり、あたしに興味がないんじゃなくて、いつかあたしが話すのを待ってくれてるっていう感じ?


;**回想
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#bg white
#cg all clear
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;**学校屋上・昼
#bg bg12a
#cg 1 tsa02s 200 0
#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#mes on
#system on


#voice satuki0045
【Satsuki】『じゃあ、可愛いりんごちゃんにひとつだけ、アドバイス』


#cg 1 tsa01s 200 0
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#voice satuki0046
【Satsuki】『ボクの意見はともかく、今のキミに本当に役立つアドバイスをくれる人は、ボクなんかじゃないと思うんだ』
#voice satuki0047
【Satsuki】『少なくとも、その適任者は、ボクじゃない』
#voice ringo_0336
【Ringo】『適任者……?』
#voice satuki0048
【Satsuki】『キミに元気がないのを心配している人たちは、元気のないキミを見つめながら、どう思っているだろうね?』


;**回想ここまで
#mes off
#mes clear
#system off
#bg white
#cg all clear
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;**学校教室・昼
#bg bg07a
#wipe fade



#mes on
#system on


さっき、石神さんが言ってたのは、このことだったのかと思い至った。
石神さんの言う『適任者』っていうのは、やっぱり優乃ちゃんと成美ちゃんなんだ……。
まだ同じクラスになって数日しか経ってないのに、ふたりのことをここまでわかっちゃうなんて、石神さん、すごいなぁ。
ううん、それよりも……。


#cg 1 tri01s 400 0
#wipe fade



#voice ringo_0337
【Ringo】「……ふたりとも、ありがとう……」
ふたりが本当にあたしのことを考えてくれてたって事実に、ちょっと目が潤んじゃうよ。


#cg 1 tyu01s 150 0
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#cg 3 tna03s 650 0
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#voice narumi0100
【Narumi】「え? 何言ってんのよ、りんご?」


#cg 2 tri02s 400 0
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#voice ringo_0338
【Ringo】「……うん、友情が嬉しいなぁって思ったから……」


#cg 2 tri05s 400 0
#wipe fade



#voice ringo_0339
【Ringo】「あたしの素直な気持ちっ!!」
#voice yuuno_0078
【Yuuno】「……りんごちゃん……」
そっと、優乃ちゃんが手を握ってくれた。
#voice narumi0101
【Narumi】「……バカね、りんごは」
成美ちゃんは、あたしの肩を抱いてくれた。
……あたしは、良い友達に恵まれて、ラッキーだと思う。


;**暗転
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#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;**学校教室・昼
#bg bg07a
#wipe fade



#mes on
#system on


放課後になった。
心配してくれてた優乃ちゃんや成美ちゃんには何も話せないまま。
きっと何があったのか知りたいだろうに、ふたりは何も言ってこない。
あたしも、今はまだ冷静に話せそうもないので、その優しさに甘えることにした。
……とはいえ、何となく解決したっぽい雰囲気にはなったものの、実際は何一つ、解決してないわけで。


#cg 1 tyu01s 400 0
#wipe fade



#voice yuuno_0079
【Yuuno】「ごきげんよう、みなさま」


#cg 1 tsa01s 200 0
#cg 2 tyu01s 600 0
#wipe fade



#voice satuki0049
【Satsuki】「じゃあね、りんごちゃん。頑張ってね!」


#cg 2 tyu03s 600 0
#wipe fade



#voice yuuno_0080
【Yuuno】「あら、皐さま? りんごちゃんを下の名前でお呼びになるなんて、……実はお知り合いでしたの?」
#voice satuki0050
【Satsuki】「実はそうなんだ。あ、でも、お尻とお尻はくっつけてないけどね」


#cg 2 tyu02s 600 0
#wipe fade



#voice yuuno_0081
【Yuuno】「うふふ、『お尻合い』と『お知り合い』とをかけてらっしゃるのね」
#voice yuuno_0082
【Yuuno】「皐さまのウィットに富んだジョークにはいつも感服させられますわ~\001」
……ウィットに富んだジョーク……?


#cg all clear
#cg 1 tna01s 400 0
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#voice narumi0102
【Narumi】「あーあ、もう、見ちゃいられないから、わたしも帰るね!」


#cg all clear
#wipe fade


優乃ちゃんと石神さんに引き続いて、成美ちゃんまで帰ってしまった。
教室には何人か残ってはいるけれど……まだ帰りたくないなぁ。
千秋ちゃんに顔を合わせ辛いし。
どうしよう……。


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;**学校食堂・昼
#bg bg10a
#wipe fade



#mes on
#system on


何となくやってきたのは食堂。
特に何か目的があったわけじゃない。
ちょっとお腹が減ったから、何となく来てみただけ。

;//SE:ドン
;♀SE041
#se 0 SE041


;//シェイク
#shake screen 1 1 50
#wait 100
#shake all stop


注意力散漫になってたからか、誰かとぶつかってしまった。


#cg 1 tri03s 400 0
#wipe fade



#voice ringo_0340
【Ringo】「あ、ごめんなさい」


#cg 1 tak01s 200 0
#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice akira0025
【???】「あら……?」
#voice ringo_0341
【Ringo】「あ……」
ゲッとかギョッとか、咄嗟に変な声を上げずにいられた、あたし、グッジョブ!
#voice akira0026
【Akira】「……えっと……」
稲取さんはあたしを見て、ちょっと考えるような仕草をした。
#voice akira0027
【Akira】「たしかお名前は……相原りんごさん、だったかしら」
それから、きょろきょろと周囲を見回している。
#voice akira0028
【Akira】「今はあの騒がしいお取り巻きとご一緒ではないのね」
#voice ringo_0342
【Ringo】「う、うん……みんな帰ったから……」
こんな風に声をかけられるとは思っていなくて、びくびくする。
稲取さんと成美ちゃんとの会話を見てたから、どうしても警戒してしまうわけで……。
#voice ringo_0343
【Ringo】「今は独りになりたくて……」
#voice akira0029
【Akira】「あー、わかるわ、そういう時ってあるわよね」
ホッ、わかってもらえた。
#voice akira0030
【Akira】「それにしても……」
稲取さんがじろじろと、こちらを見てる。
居心地の悪い視線に、モゾモゾした。
#voice akira0031
【Akira】「へぇ……、元気になったのね」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0344
【Ringo】「え?」
#voice akira0032
【Akira】「だって、一日中、くらーい顔してたじゃない」
#voice akira0033
【Akira】「何の悩みもなさそうなあなたでも、一人前に悩むこともあるんだって思うと意外だったわ」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0345
【Ringo】「……う……っ」
ひくっと頬が引きつる。
相変わらず、胸にグサッとくるお言葉ですこと……。
#voice akira0034
【Akira】「相原さんって、おバカさん三人組でつるんでて、いつも笑っているイメージがあるものね」
#voice akira0035
【Akira】「悩みなんてない、お幸せな生活をしてるんだろうって、あたし、勝手に思ってたわ」
#voice ringo_0346
【Ringo】「あ、うん……」
……おバカさん三人組……。
……悩みのない、お幸せな生活……。
いろいろとグサグサと胸に突き刺さること言う人だなぁ。
チラッと稲取さんを見る。
いつもと同じ、平気な顔をしてるんだよね。
……うーん、もしかして、悪気なく言ってるのかな?
悪気があったら、もっとイジワルな顔になるよね。
#voice akira0036
【Akira】「あなたは群れるのが特別に好き、っていうわけじゃないのね、良かったわ」
#voice akira0037
【Akira】「いくら女の子っていっても、あんな風に群れてる子たちを見るとイライラするのよ」
#voice ringo_0347
【Ringo】「………………」
あー、それじゃあ、あたしたちが三人で行動してるのを見て、イライラしてたってこと?
それは悪いことしちゃったなぁとは思うものの……。
#voice akira0038
【Akira】「ま、どんな悩みであれ、悩みがあることは良いことよ」
#voice akira0039
【Akira】「人間らしさの証明でもあるもの。良かったわね、悩めて」
#voice ringo_0348
【Ringo】「う………………っ」
あたし、やっぱりこの人、苦手かも!
千秋ちゃんのことで、すごくすごく悩んでるのに、『良かったわね』だなんて……!
#voice ringo_0349
【Ringo】「………………」
おずおずと距離を取ろうとした矢先、稲取さんが大声を上げた。


#cg 1 tak08s 200 0
#wipe fade



#voice akira0040
【Akira】「そんなことより!」
思わずビクッとする。
#voice akira0041
【Akira】「悩むのはいいことだけど、授業中に大きな溜め息をつくのはいただけないわ」
#voice ringo_0350
【Ringo】「はい、すみません!」
#voice akira0042
【Akira】「謝れなんて言ってない」
冷たい目で、じっと見つめられた。
うっ、これが蛇に睨まれた蛙状態、ってやつ?
#voice akira0043
【Akira】「何があったかは、いちいち訊かないわ。わたしとあなたは、それほど仲良しじゃないし」
#voice akira0044
【Akira】「でもね、言いたいことはちゃんと言葉に出して言わないと、何も伝わらない。何故だかわかる?」
質問されて、激しく戸惑った。
でも、何か答えないといけないんだろうなぁ。
#voice ringo_0351
【Ringo】「わ、わかりません……」
#voice akira0045
【Akira】「何のために人間に言葉ってモノがあると思ってるの?」
稲取さんが見下したような視線で私を見下ろしている。
#voice ringo_0352
【Ringo】「あ、あの……」
つまり、気持ちというものは、言葉にしないと伝わらない、って言いたいのかな。
おそるおそる稲取さんを見る。
あれ……稲取さん、笑ってる……?


#cg 1 tak02s 200 0
#wipe fade



#voice akira0046
【Akira】「フン……ウダウダ悩むより、当たって砕けちゃった方が楽よ」
へ……?
#voice ringo_0353
【Ringo】「く、砕けちゃう……んだ……」
自分が砕けちゃうところを想像して、きっと間抜けな顔をしちゃったのかもしれない。
そんなあたしを見て、稲取さんが、呆れた顔をした。


#cg 1 tak08s 200 0
#wipe fade



#voice akira0047
【Akira】「ものの喩えよ、あなた、バカじゃないの?」

;//SE:グサッ
;♀SE042
#se 0 SE042


#voice ringo_0354
【Ringo】「はうっ!!」
バカって……バカって言われた……。
#voice ringo_0355
【Ringo】「ご、ごめんなさい」
一応、謝っておこう。


#cg 1 tak03s 200 0
#wipe fade



#voice akira0048
【Akira】「……え、今、どうして謝ったのよ?」
#voice ringo_0356
【Ringo】「え……?」


#cg 1 tak08s 200 0
#wipe fade



#voice akira0049
【Akira】「あたし、『取り敢えず謝って、この場を取り繕っちゃえ』的な考え、大嫌い」

;//SE:グサッ
;♀SE042
#se 0 SE042


#voice ringo_0357
【Ringo】「はうっ!」
再度、グサッときた!
さっき、稲取さん、気持ちは言葉にしないと伝わらないって言ったけど、もうお腹いっぱいだよ。
言葉にするのも程々にして欲しい……。


#cg 1 tak03s 200 0
#wipe fade



#voice akira0050
【Akira】「……わっかりやすい子」
#voice ringo_0358
【Ringo】「は?」


#cg 1 tak01s 200 0
#wipe fade



#voice akira0051
【Akira】「ま、相原さんみたいに能天気で何も考えてない子の本当の言葉なら、きっとちゃんと伝わると思う」
#voice ringo_0359
【Ringo】「………………」
脳天気……。
#voice akira0052
【Akira】「あたしみたいに余計なことまで言い過ぎたり、言葉のチョイスを失敗しない限り、大丈夫じゃないかしら」
#voice ringo_0360
【Ringo】「えっと……大丈夫って、何が……?」


#cg 1 tak08s 200 0
#wipe fade



稲取さんはムッとしたようだ。
ごめんなさい、理解力が足りなくて。
何だかイロイロな点で申し訳なくなってくる。
#voice akira0053
【Akira】「あたしの言葉が信じられないっての?」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0361
【Ringo】「そそそ、そうじゃなくて!」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0362
【Ringo】「どうしてあたしの悩みがわかったのかなぁって」
稲取さんは、フンと鼻で笑った。
#voice akira0054
【Akira】「フン、どうせ誰かと仲違いしたんだなってことくらい、見てたらわかるわ」
#voice ringo_0363
【Ringo】「どうして?」
#voice akira0055
【Akira】「あなたほどわかりやすい子はいないから」
#voice ringo_0364
【Ringo】「う……っ」
#voice akira0056
【Akira】「下手の考え……って諺どおり、玉砕覚悟でぶつかってけば?」


#cg 1 tak01s 200 0
#wipe fade



#voice akira0057
【Akira】「あなたなら、即玉砕ってことにはならなさそうだし」
#voice ringo_0365
【Ringo】「………………」
あれ?
稲取さん、もしかしなくても、励ましてくれてる?
言葉のチョイス、ものすごく下手だけど……。
#voice akira0058
【Akira】「時間が経てば経つほど、関係の修復は難しくなるから、誰とケンカしたのかは知らないけど、早い内に仲直りしなさいね」


#cg 1 tak02s 200 0
#wipe fade



#voice akira0059
【Akira】「人付き合いが苦手なあたしが言うのも何だけど、ね……くすっ」
くすっと稲取さんが笑った。
……一応、自覚はあるんだ。


#cg 1 tak01s 200 0
#wipe fade



#voice akira0060
【Akira】「ゴメンナサイすることくらい、幼稚園児でもできることよ」
あ、あははは。
悪気はない、んだよね。
そう思いたい……。


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0366
【Ringo】「うん、そうだね、ゴメンナサイって言って許してもらうことにするね」


#cg 1 tak02s 200 0
#wipe fade



#voice akira0061
【Akira】「愚直なほどに素直なことは良いことだわ」
うんうん、と稲取さんが会心の笑顔で頷いてる。
#voice ringo_0367
【Ringo】「………………」
『愚直』。
さすがに、このシチュエーションで、この言葉のチョイスはないと思うんだけど……。
でも。
『気持ちは言葉にしないと伝わらない。』
不器用な言葉ごと、稲取さんの気持ち――優しさが伝わってきて、ちょっと嬉しくなった。


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



;♂MS
#bgm 0 stop 1000


;//END
#next2 S012
tenshi_no_akogare/s011.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)