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tenshi_no_akogare:s010
;//S010 笑っていた方がいいよ
#savetitle 笑っていた方がいいよ


;**白背景
#bg white
#wipe fade



;♂MP12
#bgm 0 bgm12


#mes on
#system on


#voice chiaki0211
【???】「……ちゃん、りんごちゃん」
優しく肩を揺らされて、ゆっくりと目を開けた。


;**千秋の部屋・朝
#bg bg01a1
#wipe fade



#voice ringo_0300
【Ringo】「……あ……」
見上げると、見慣れた優しい微笑みがある。


#cg 1 tch01f 400 0
#wipe fade



#voice chiaki0212
【Chiaki】「やぁね、ベッドにいらっしゃいって言ったのに、こんなところで眠っちゃったのね。身体、痛くない?」


#cg 1 tch01f 200 0
#cg 2 tri03f 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0301
【Ringo】「あ……うん」

;//SE:ゴトッ(ワインの瓶が落ちる)
;♀SE040
#se 0 SE040


あたし……あのまま、ソファで寝ちゃったんだ……。
床に転がった、ワインの瓶をぼんやりと見つめる。
……また涙が出てきそうになった。
#voice chiaki0213
【Chiaki】「ワインを抱き締めて眠るなんて……そんなに飲みたかったの?」


#cg 1 tch08f 200 0
#wipe fade



#voice chiaki0214
【Chiaki】「でも、ダメよ、お酒は二十歳になってから」
いつもと変わらない態度が、逆に胸に痛い。
あたしのことを傷つけまいと気を遣ってくれてる……。
#voice ringo_0302
【Ringo】「………………」
溜め息が漏れた。
ゆっくり起きあがると、肩から毛布がずり落ちる。
……千秋ちゃんがかけてくれたのかな。
ということは、あたしがここで寝ちゃってから、一度は様子を見に来てくれたってことだよね。
それなのに、起こしてくれなかったなんて……。
やっぱり、あたしみたいな子供のお守りをするのは嫌になっちゃったのかな。
だからもう同じベッドで寝てくれないかもしれない。
もうこれからはソファを使えってことなのかな。
そうかもしれないよね、あんなことしておきながら、……キスのひとつも、くれなかったし……。


#cg 2 tri06f 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0303
【Ringo】「う……グズッ」


#cg 1 tch03f 200 0
#wipe fade



#voice chiaki0215
【Chiaki】「り、りんごちゃん? どうしたの?」
千秋ちゃんがびっくりして、オロオロしてる。
そうだよね、もう大人だって思ったから同居してくれる気になったってのに、まさか子守をさせられるとは思ってなかったはずだよね。
あたし……もっと大人にならないと……!
千秋ちゃんを安心させるような、大人の振る舞いを身につけないと!


#cg 2 tri01f 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0304
【Ringo】「な、何でもないよ」
涙を拭いて、千秋ちゃんを見た。


#cg 2 tri02f 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0305
【Ringo】「ちょっと嫌な夢を見ちゃっただけ。心配かけてゴメンね」
心配そうな顔に、にっこりと微笑みかける。


#cg 2 tri01f 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0306
【Ringo】「それより、千秋ちゃん、今日は仕事は?」


#cg 1 tch01f 200 0
#wipe fade



#voice chiaki0216
【Chiaki】「え……、うん、今日は公休日になったのよ」


#cg 1 tch02f 200 0
#wipe fade



#voice chiaki0217
【Chiaki】「ほら、りんごちゃんの入学式の日、出勤になっちゃったでしょう? その代休よ」
#voice ringo_0307
【Ringo】「そう……」
千秋ちゃんは優しく微笑んで、そっとあたしの髪を撫でてくれた。
#voice chiaki0218
【Chiaki】「りんごちゃんの入学式……本当に見たかったわ……」


#cg 1 tch01f 200 0
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#voice chiaki0219
【Chiaki】「でも、お子さんが入院したスタッフがいて、どうしても出勤しなくちゃいけなくなったの」
#voice ringo_0308
【Ringo】「うん……わかってる。お仕事優先だもん、あたしのことは気にしないで」
#voice chiaki0220
【Chiaki】「り、りんごちゃん……」
#voice ringo_0309
【Ringo】「あたし、学校に行くね。千秋ちゃんはのんびりしてて……」


#cg 1 tch03f 200 0
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#voice chiaki0221
【Chiaki】「え、りんごちゃん、朝食は……?」
#voice ringo_0310
【Ringo】「いらない」


#cg all clear
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ワガママなんか言わないよ。
あたし、いい子にする。
だから、お願い、千秋ちゃん、あたしを嫌いにならないで……!!


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;**学校教室・昼
#bg bg07a
#wipe fade



#cg 1 tri03s 400 0
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#mes on
#system on


#voice ringo_0311
【Ringo】「ふぅ……」


#cg 1 tyu03s 150 0
#cg 2 tri03s 400 0
#cg 3 tna03s 650 0
#wipe fade



#voice yuuno_0065
【Yuuno】「………………」
#voice narumi0092
【Narumi】「………………」
どうしたら千秋ちゃんに嫌われずにすむのかなぁ……。
#voice yuuno_0066
【Yuuno】「あ、あの、りんごちゃん……?」
#voice ringo_0312
【Ringo】「……はぁ……」
#voice narumi0093
【Narumi】「どうする? りんご、すごく落ち込んでるよ」
#voice yuuno_0067
【Yuuno】「どうすると言われましても……朝からずっとこの調子ですし……」
#voice narumi0094
【Narumi】「原因がわかんないと、どう動けばいいのかわかんないしねぇ」
#voice yuuno_0068
【Yuuno】「迂闊に手を出して、藪蛇になってしまう愚は避けたいですわ……」
#voice ringo_0313
【Ringo】「………………」
優乃ちゃんと成美ちゃんが、あたしを見て、何かヒソヒソやってる。
心配されてるのはわかるけど……今は放っておいてほしい。
気遣わしげな視線が煩わしい、とか思っちゃうなんて、あたし、心狭いよね。
もっと大人にならないと……!
#voice ringo_0314
【Ringo】「……あたし、ちょっと購買行ってくる。お昼はふたりで食べててね」
#voice narumi0095
【Narumi】「あ、うん……わかった」
#voice yuuno_0069
【Yuuno】「えっと……お気をつけて」


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;**学校屋上・昼
#bg bg12a
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#mes on
#system on


やってきたのは屋上。
購買へは行ってない。
お昼ご飯なんて食べる気分じゃないよ。


#cg 1 tri03s 400 0
#wipe fade



#voice ringo_0315
【Ringo】「……はぁぁぁ……」
優乃ちゃんや成美ちゃんがいないことを幸いに、教室ではつけないような盛大な溜め息をついた。


#cg 1 tsa01s 200 0
#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice satuki0018
【???】「溜め息をつくと、幸せが逃げていく」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0316
【Ringo】「!!」
#voice satuki0019
【Satsuki】「……っていう言葉を聞いたことがあるよ」
気がつくと、すぐ傍に石神さんが立っていた。
い、いつの間に……!?
石神さんは手にしてた菓子パンにかじり付きながら、意味深な目でこちらを見た。
#voice satuki0020
【Satsuki】「そうやって悩んでいる顔は意外と大人っぽいんだね」


#cg 1 tsa02s 200 0
#wipe fade



#voice satuki0021
【Satsuki】「でも、キミは笑っていた方がいいよ」


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice ringo_0317
【Ringo】「………………」
それって、あたしは脳天気に笑っていればいいって言いたいの?
何も知らないくせに。


#cg 1 tsa03s 200 0
#wipe fade



#voice satuki0022
【Satsuki】「おや? 何か気に障るようなことを言ってしまったようだね、ボクは」
#voice ringo_0318
【Ringo】「………………」
ムッとしたことは事実なので、黙ってそっぽを向く。


#cg 1 tsa01s 200 0
#wipe fade



#voice satuki0023
【Satsuki】「気を悪くしたのなら謝るよ」
#voice satuki0024
【Satsuki】「あ、お詫びにパンでも一緒にどう?」
#voice ringo_0319
【Ringo】「いらない」
#voice satuki0025
【Satsuki】「そう? 焼きそばパン、美味しいよ?」
#voice ringo_0320
【Ringo】「いらない」
#voice satuki0026
【Satsuki】「コロッケパンもあるよ?」
#voice ringo_0321
【Ringo】「食欲、ない」
#voice satuki0027
【Satsuki】「おやおや、頑張り屋の姫君は食欲不振らしい。メンタル的なものなのかな」
ああ、もうっ!
何か言ってやろうと思って石神さんを見ると、石神さんは呑気な顔して、パンにかぶりついてる。


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



毒気を抜かれて、怒りも吹き飛んでしまった。
そこで、ふと思いつく。
近すぎて優乃ちゃんや成美ちゃんには相談できないことでも、石神さんなら相談できるんじゃないかな……!


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice ringo_0322
【Ringo】「……あのね」
#voice satuki0028
【Satsuki】「ん? 何かな?」
うっ……。
口を動かしながら話すなんて、行儀悪いっ!
……あ、でも、あたしが相談を持ちかけてるんだから、気にするのはダメだよね。
#voice ringo_0323
【Ringo】「……大好きな人に嫌いだと誤解させちゃったかもしれない時、石神さんならどうする?」
#voice satuki0029
【Satsuki】「ごくん……おや、謎かけかい?」
#voice ringo_0324
【Ringo】「石神さんならどうするって訊いてるんだけど」
#voice satuki0030
【Satsuki】「それにしては、判断材料が少なすぎるような気がするけど?」
#voice ringo_0325
【Ringo】「………………」
石神さん、理屈っぽい。


#cg 1 tsa03s 200 0
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#voice satuki0031
【Satsuki】「ふぅ……やれやれ、困ったね」


#cg 1 tsa01s 200 0
#wipe fade



#voice satuki0032
【Satsuki】「キミはボクをそんなに信用してはくれていないらしい」
ギクリとした。
石神さんにはあたしの思惑がお見通しのような気がして。
#voice ringo_0326
【Ringo】「……ごめんなさい。でも……詳しくは言いたくないの」
#voice satuki0033
【Satsuki】「そう。言いたくないなら、しょうがないね」
#voice satuki0034
【Satsuki】「あ、そうそう、質問の答えだけど、ボクなら『どうもしない』って言うかな」
#voice ringo_0327
【Ringo】「どうして? 誤解されちゃったら、そのまま嫌われちゃうかもしれないんだよ?」
石神さんはフッと笑った。


#cg 1 tsa02s 200 0
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#voice satuki0035
【Satsuki】「嫌われてしまったのなら、改めて、好きになってもらえばいいじゃないか」


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice ringo_0328
【Ringo】「………………」
石神さんの論理に、唖然としてしまった。


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



一理……あるかも?
いやいやいや、そんなこと……。
一度、嫌いになった子のこと、もう一度、好きになるなんてこと、あるのかな。
……千秋ちゃんだったら、どうなんだろう?
#voice satuki0036
【Satsuki】「キミは可愛いね。他の子たちのようにりんごちゃん、って呼んでも?」


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice ringo_0329
【Ringo】「……うん、いいよ」
ふふっと石神さんが楽しそうに笑う。
#voice satuki0037
【Satsuki】「じゃあ、可愛い、りんごちゃんにひとつだけ、アドバイス」


#cg 1 tsa01s 200 0
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#voice satuki0038
【Satsuki】「ボクの意見はともかく、今のキミに本当に役立つアドバイスをくれる人は、ボクなんかじゃないと思うんだ」
#voice satuki0039
【Satsuki】「少なくとも、その適任者は、ボクじゃない」
#voice ringo_0330
【Ringo】「適任者……?」
石神さんが、こくりと頷く。
#voice satuki0040
【Satsuki】「キミに元気がないのを心配している人たちは、元気のないキミを見つめながら、どう思っているだろうね?」
包み込んでくれるような穏やかな微笑み。
心の中が少しだけ軽くなった。
同時に、試すようなことをして、申し訳ない気分が湧き上がってくる。
でも、ここは『ごめんなさい』よりも……。
#voice ringo_0331
【Ringo】「うん……ありがとう」
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【Satsuki】「いえいえ、どういたしまして」


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#voice satuki0042
【Satsuki】「キミは元気な顔で笑っている方がいいよ」
バチッとウィンクひとつ、投げられた。


#cg 2 tri02s 600 0
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#voice ringo_0332
【Ringo】「……気障だぁ」
#voice satuki0043
【Satsuki】「キミが笑ってくれるなら、いくらでも道化てあげるよ」
#voice satuki0044
【Satsuki】「何なら、投げキッスでもしてあげようか?」
#voice ringo_0333
【Ringo】「遠慮しとくー」
石神さんのおかげで、随分と気分が楽になった。
優乃ちゃんは、だから石神さんのことが好きなのかなぁ。
あたしも、たとえ嫌われたとしても、千秋ちゃんのことが好きな気持ちは止められそうにないしね。


;**暗転
#mes off
#mes clear
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#bg black
#cg all clear
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;♂MS
#bgm 0 stop 1000


;//END
#next2 S011
tenshi_no_akogare/s010.txt · Last modified: 2013/06/05 17:01 by axypb