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seisai_no_resonance:sce08_04_16_2
風の勢いを受け、炎が穢れ達を焼き払っていく。
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一対としての力は目に見えて違う。
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星霊石は一対として(BROKEN:8_20)
当然といえば当然かもしれない。
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「このまま遠山先輩達と合流するっ!(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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舞台へ続く道が出来ると、私は剣を振るいながら、
石畳を蹴って駆け出す。
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穢れの包囲が解かれたことに気付いたのか、
舞台の二人が驚きを顕わにする。
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「高遠……鼎……?」
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「高遠さん、どうしてここに……!」
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既に憔悴しきった様子ながらも、
二人はまだ穢れの攻撃をしのいでいた。
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少しでも到着が遅かったら、間に合っていなかったかもしれない。そう思えば、嫌な汗が額に滲む。
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「理由はすぐ説明します!(BROKEN:8_20)
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二人の前に滑り込むと、私は剣を舞台の上に突き立てる。
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「八弥子さんっ!」
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「りょーかいっ!(BROKEN:8_20)
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風の力が剣に宿っていくのを感じ、全ての炎を注ぎ込む。
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「燃えろッ!!」
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突き立てた剣を中心に炎の輪が駆け抜けて、
一呼吸置いた後、円形に火柱が立ち上る。
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私達を取り囲もうとしていた穢れ達は炎に焼かれ、
怯み、後退を余儀なくされていく。
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これで少し時間は稼げたはず。
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「高遠さん……それに禰津さんも向山先輩も……」
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「…………」
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私は剣を引き抜くと、すぐに二人へ向かう。
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「先に言います。助けに来たのとは少し違います。
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「高遠さん……あなたは全部知っていたのですね」
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「はい。だから、呪いだと言いました。事実を知った巫女を
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「……私がこうなったのも盲目的に御花会の伝統を、
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そして、どこか自嘲めいた笑みを遠山先輩が浮かべた。
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「でも、先輩なら、その伝統を変えることが出来ます」
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「高遠さん……?」
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「御花会の意味は変わると思います。二度とこんなことを
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「それだけの発言力があるのは、遠山先輩だけです」
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「まさか、そこまで考えて……私をこの場所へ?」
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「あはは……私、そんなに賢くないですよ。偶然です」
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私の答えを聞いた遠山先輩がクスッと微笑んだ。
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「遠山先輩、生き残って下さいね。もし先輩に何かあれば、
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「ふふっ、そうですわね――。
(BROKEN:8_20)
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遠山先輩の手に力が籠もり、再び大鎌を構え直した。
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その姿を見てから、私は中村さんへ視線を向ける。
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「中村さん、本当は気付いているんだよね?」
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「何のことだ?」
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こんな時でも中村さんから殺気が私へ向かってきた。
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「あなたのお母さんは巫女だった――本当に会えると思う?
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「叔母が……そう約束してくれた」
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「その目で見たものと、事実を隠してきた人の言葉、
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「お前が言いたいことは分かる。だが、その言葉だけが
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そう言い切った中村さんが大剣を片手に構える。
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しかし、その切っ先は私ではなく穢れへと向かう。
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「その望みを果たすためには、生き残らなければならない」
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「ただ……高遠鼎、一つだけ言わせてくれ」
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「……すまなかった。詫びて済むようなことではない。
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そう言ってくれた中村さんに対して、自然と微笑みが零れる。
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「その言葉だけで充分だよ。あなたは私とよく似ているから。
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「何を言っている……?(BROKEN:8_20)
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中村さんの驚きに満ちた双眸が私を捉える。
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「お母さんに会いたいって気持ち、私にはよく分かるから。
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「でも、許すよ。全部許す。
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「…………」
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僅かに震えた息が漏れた後、中村さんの大剣に炎が宿った。
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「それが贖罪に繋がるのであれば――生き延びてみせよう」
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中村さんは……私より真っ直ぐで、もっと真面目な人だ。
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だからこそ、真実をその目で確かめて欲しい。
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そんな彼女の姿から、私達が向かうべき場所へ視線を向ける。
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「穢れの気配が一番強い場所、この奥に封印がある」
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「全部終わらせるために突破しよう」
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遠山先輩と中村さんが頷き、目標へ足先を揃える。
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「カナカナ、ヤヤはまだまだ平気だから、飛ばしていって!」
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出血で赤く染まった腹部を押さえながらも、
八弥子さんが声をあげてくれた。
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「鼎、あの男達がここへ合流せず、封印の場所へ向かった。
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最後の道を切り開けば、そこで待っているのは、きっと――。
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剣を持つ手が微かに震える。
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すると、その震えを抑えてくれるかのように手が重なった。
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「行け、鼎――行って、真実を見極めろ」
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「……うん」
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一度、長く息を吐き出して、剣の切っ先を目標へ向ける。
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「突破するよっ!!」
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そして、私は先陣を切って駆け出す。
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全てが始まり、全てが繋がり、全てが終わる場所へ。
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自分達の力で道を切り開き、突き進んでいく。
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「お母さん、末来さん……!」
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そこにいるはずの<RB='・・'>両親<RB>の名前を呼びながら、
私は剣を振るい続けた。
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seisai_no_resonance/sce08_04_16_2.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)