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seisai_no_resonance:sce08_04_09_2
祠に近づくにつれ、穢れの気配がさらに強まる。
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だけど、松籟会の人達の姿はどこにもない。
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私達のことも、穢れのことも、巫女候補に任せて
避難しているのだろうか?
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ただ、それでは陣頭指揮に当たる人間がいない。
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「鼎、止まれ!」
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我に返り、足を止める。
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次の瞬間、銃声が響き、地面に光の弾丸が撃ち込まれていた。
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「由布……!」
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銃口を私に向けたまま、由布が木の陰から姿を見せる。
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「嘘だと思いたかったけど、本当のことみたいね」
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「あんた……儀式を妨害するなんて、何を考えているの?」
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銃を構えたまま、由布が冷静に問いかけてきた。
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「――大方、そちらの鬼にたぶらかされたか、
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由布の隣に三輪さんが細剣を片手に歩み出してくる。
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「ただ事実として、こうして儀式の妨害に向かっているのは
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由布と三輪さん、二人を相手にするのは厳しい状況だ。
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それに――。
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「動かないでっ」
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勾玉を手にかけようとすると、銃弾が私の真横をかすめていった。
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力を使う前に、遠距離武器と対峙するとこうなるのは当然……。
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「あんたも、向山先輩も投降して。これ以上は取り返しがつかない
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嘘ではなく、友達としての言葉――警告なのだろう。
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気持ちは嬉しいけれど、こちらにも立ち止まれない事情がある。
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「……由布、三輪さん、話を聞いて」
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状況的に不利な以上、ある程度の事実を話すしか方(BROKEN:8_20)
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由布と三輪さんの立ち位置が危なくならない程度に、
今、遠山先輩達がどんな状態にあるかを伝えれば……。
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「フッ、話があるのは私の方だ」
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「えっ?」
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大人しくしていたと思った奈岐が歩み出していく。
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「向山先輩も動かないでっ」
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「風間、射角が四センチも横にずれている。当てる気が無くては、
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また奈岐の悪癖が始まった……。
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思わず頭を抱えたくなるけど、こうなった以上は、
ある程度見守ったほうが良さそう。
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「生身の人間に発砲すれば、どうなるかを想像したな。
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「その口径なら、私の頭が吹き飛ぶ。スイカ割りのようにな」
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奈岐が自分の頭を指さした後、大げさに手を広げて見せた。
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「…………」
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「想像したな。八十点だ。風間、脅すなら、撃つ覚悟で脅せ。
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「それにお前は私達を無力化することだけを考えている。
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奈岐に考えを覗かれ、由布の顔が僅かに歪んだ。
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「フッ……そして、お前達、遠山を思って行動しているようだが、
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「神住先輩を……?(BROKEN:8_20)
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由布も三輪さんも遠山先輩を慕っているし、
儀式の無事を祈っているはずだろう。
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だからこそ、奈岐の一言は二人の足をすくう決定的な言葉になる。
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「興味があるようだな。ならば、教えてやろう。
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「なっ……!?」
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「何故、私達が神住先輩をっ!」
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由布と三輪さんの意識が奈岐へ集中した。
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この瞬間を待っていたわけじゃないけど……
奈岐の考えだと、ここで私が動かないと始まらない。
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「――ッ!!」
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素早く勾玉を手に取り、勢いよく炎を舞い上げる。
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「しまっ……!」
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「覚悟の無い奴が道を阻むな!(BROKEN:8_20)
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「分かってる!(BROKEN:8_20)
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釘を刺してから、奈岐の正面に滑り込み、剣を構えた。
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「このっ……!(BROKEN:8_20)
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「くっ、分かった!」
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二対一の戦いになる――
でも、ここで負けるわけにはいかない!
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seisai_no_resonance/sce08_04_09_2.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)