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seisai_no_resonance:sce08_03_09_2
石造りの門を越えると、広い空間に辿り着く。
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そこには人の手で作られた大きな舞台が敷かれ、
周囲を星霊石と同じ気を感じる鉱石が取り巻いている。
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ここが一対の巫女が儀式を行う場所……。
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それを示すかのように、無数の穢れが舞台の上で蠢き始めていた。
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その穢れ達の奥に……何かまた門のようなものが見え、
禍々しいまでに、穢れと同じ気配を放っていた。
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もしかして、あれが末来さんの言っていた封印……?
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「頼継様!(BROKEN:8_20)
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「僕達は左翼の穢れから突き崩す。
(BROKEN:8_20)
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「ただ一つ、片倉末来、アレの前で会おう。
(BROKEN:8_20)
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「分かっている。もう過ちは繰り返さない」
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「上等だ。行くよ、昌次郎」
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理事長が指示を出し、すぐに左側から回り込み始める。
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その行動を見て、ヤヤと奈岐は右側から回り込んでいく。
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「末来さん……?」
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「――もうすぐ、もうすぐだからね、未来」
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目を閉じ、末来さんは祈るように呟いていた。
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戦闘を再開したヤヤと奈岐の二人だが、
先ほど以上の数に苦戦を強いられている。
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それにこの穢れ達……倒しても数が減っていない。
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「くそっ……やはりこの霊石では限界か」
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「ナギっち、数多すぎっ!」
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ヤヤが鉄球を振るい、道を開くと、奈岐がその隙に走り込む。
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だけど、減らない穢れ達がすぐに奈岐を取り囲もうとする。
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氷の短刀を次々と投げつけ、穢れを祓うが……切りがなかった。
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それどころか、あまりの数に奈岐が新しい短刀を作り出す暇さえ
与えてくれない。
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「奈岐っ!(BROKEN:8_20)
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「チッ……!」
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溢れる穢れが奈岐の隙を狙うかのように跳躍する。
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氷の短刀が形を成すまで、僅かな時間、一秒に満たない空白。
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間に合わない――そう思った時だった。
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銃声と共に、光の弾丸が穢れの頭を撃ち抜く。
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「なっ!?」
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振り返ると、ライフルを構えた由布が次弾を装填していた。
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「間に合ったっ……姉様、今です!」
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「そのまま由布は射撃で援護を――
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巫女姿の遠山先輩が鎌を振るい、私達を横切っていく。
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あまりのことに呆気に取られていると、
冷静な声が耳に飛び込んでくる。
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「……これは神住先輩の判断です。
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細剣を携えた三輪さんが私から視線を逸らすと、
遠山先輩の援護に回っていく。
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この状況を知って……駆けつけてくれた?
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昨日言ってた奈岐の説得って……まさか、これのこと?
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「カナちゃん、あたしにもやれることはあるから。
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「恵も……」
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恵が私の前に立つと、(BROKEN:8_20)
私達の守りを固めていく。
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その合間を縫うようにして、由布が射撃を続けながら、
私達の前へ進んでいく。
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そして、その隣には――。
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「中村さん……!?」
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「利き手が使えなくとも、一対として支援は出来る。
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その手に大剣は無くとも、由布に力を貸せば、巫女として戦える。
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由布の放つ弾丸が蒼い炎を舞い上げ、炸裂していく。
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「三輪さんじゃないけど、これは姉様と学園長の判断だから」
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「……みんな厳しいなぁ」
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由布が恵の召喚を銃座にすると、
中村さんの力を得た弾丸で、穢れを撃ち抜いていく。
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「そうそう、あんた達が起こした騒動の分だけ、
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「あはは……覚悟しておくよ」
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私の言葉にどこか満足げに笑みを浮かべた後、
由布は片目を閉じ、射撃に集中していく。
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そんな時、どこか驚いたように
一同を見ていた末来さんの声が聞こえた。
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「これだけの力が集中している今なら……
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「末来さん……?」
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「鼎、七年前の話を……いいや、もっと昔の話をしよう」
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「ボクの魂は封印の礎として、この場に囚われていた」
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「…………」
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「しかし、ボク一人では封印を保つことが不可能だった。
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「巫女の命と、その力を贄として――封印を保つ」
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みんなが開いてくれる道を末来さんが歩き出していく。
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「でも、そんな永遠にも似た時間に囚われたボクを……
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「お母さんが……末来さんを……」
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「そして、それは七年前の事件に繋がる――
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「その際、島に災いを呼び起こさないために
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「…………」
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「……未来の魂はここに囚われている。
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末来さんはお母さんがこの島にいると言った。
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嘘じゃない。お母さんはずっとこの島に囚われていた。
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でも……それじゃあ、末来さんがやろうとしていることって。
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「それ、末来さんが身代わりになったとしたら……
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「その為に鼎がいるんだよ」
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「私が……?」
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「未来とボクの望みはこの島に続く因習を終わらせること。
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「…………」
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お母さんの望み……この儀式を無くしてしまうこと。
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そして、それが末来さんの望みでもあり、
今、この瞬間まで二人して隠していたこと。
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こんな土壇場で言うなんて……。
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引き返せもしないような状況で言うなんて――まったく、もう。
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「末来さん、お母さんより空気読めないですよねっ……!
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「ふふっ、あはははっ……!」
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「それ、未来にもよく言われたよ」
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末来さんが自身の星霊石に手をかける。
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前方に大きな門がはっきりと見え始めた。
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「あれは……」
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「この島が封印し続けて来た門――
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門に反応しているかのように、勾玉が熱を放つ。
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「来るよ、鼎……八弥子と一対の力を使うんだ」
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「封印のため、未来の魂を解き放ってあげるんだ」
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「…………!」
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勾玉が一際強く熱を放った時、門から溢れ出す瘴気が
穢れの形を作り出していく。
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そこに現れたのは今までと異なる大きな穢れ――。
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白い彫像のような身体に、人の顔を……。
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お母さんと同じ顔をしていた。
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その穢れが形を成した時、勾玉が強く熱を放った。
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「そっか、勾玉の力に反応していたのは……」
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お母さんの魂があの門に囚われ、今は穢れとして現れている。
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だから、お母さんがくれた勾玉が反応してしまったんだ。
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自身の魂と呼応するようにして、封印を揺るがしてしまった。
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「お母さん……こんなとこにいたんだね」
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勾玉を手に取ると、その熱を今は解き放っていく。
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「娘をほったらかしで何してるんだか……」
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「色々言いたいことあるから――今、助けてあげる」
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そして、舞い上がる火の粉を集中させた。
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「ヤヤ、お願いっ!」
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「話聞こえてたっ……カナ、ホントにいいの!?」
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「いいも悪いも無いよ。この島を何とかしてって
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「やるしかない」
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充分な熱をはらんだ勾玉の力を解き放とうとした時――。
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ヤヤの手が勾玉に触れていた。
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「ヤヤ……?」
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今……触れられたら、私は戦えない。
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「ふふっ、お母さんを今から殴りつけるって顔してないぞ?」
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「…………」
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「祓うのはヤヤに任せて。カナはヤヤに力を」
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ポンッと私の頭を(BROKEN:8_20)
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ちゃんと、こういう時に先輩らしくして……。
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その笑顔に励まされ、目頭が熱くなってしまう。
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「……ヤヤはホントに頼りになるんだから」
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「お願い」
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「ふふっ、任せてよ!」
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得意げに笑ったヤヤが得物を手にして、白い穢れと向かい合う。
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他のみんなも状況を(BROKEN:8_20)
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「カナが教えてくれたヤヤ自身で――ありのままのヤヤで、
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石畳の上をヤヤが駆け抜け、お母さんの穢れへと挑む。
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そんなヤヤに全てを託すため、私は力を解き放つ。
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これが一対としての――最後の戦いにする!
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seisai_no_resonance/sce08_03_09_2.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)