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seisai_no_resonance:sce08_03_08_2
ヤヤの風が穢れの群れを薙ぎ払う。
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同時に前方から奈岐が私達を呼ぶ声が聞こえた。
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「今のうちに!」
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武器を引き戻したヤヤが駆け出し、末来さんと私はその後に続く。
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祠内は以前よりも冷たく、人を拒んでいるかのようだった。
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さっきの揺れの影響で落盤などは起きていないが、
代わりに嫌な気配が滲み出ていた。
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次から次へと穢れが溢れ出し、
前方で道を開いていた奈岐が舌打ちをする。
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「チッ、切りが無いっ!」
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「奥まであとどれぐらい!?」
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駆けつけたヤヤがすぐに奈岐の援護に回り、穢れへ鉄球を放つ。
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「石造りの門が見えたら終着点だ!(BROKEN:8_20)
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そんな中、末来さんは険しい表情を見せていた。
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「末来さん……?」
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「――――」
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何も言わずに、ただ奥を――奥にある何かを睨んでいる。
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ようやく奈岐が言っていた石造り門が見える。
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星霊石に似た気配を纏う不思議な岩の扉が開け放たれていた。
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これはいったい……
そんなことを考えていた時、背後から足音が聞こえる。
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思わず身構えるが、現れたのは理事長と秘書だった。
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その後ろには秘書と同じようにスーツを着込んだ男性達が続く。
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アレが理事長の部下達……?
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「やれやれ、なんとか合流出来たね――
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「……ボクにも全てが分かるわけじゃない。
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「褒められた気がしないよ。ま、いいさ」
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理事長が片手を挙げる。
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「昌次郎、部下の半分を援護に回すんだ。
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「はっ――お前達、散れ!(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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また七年前……?
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秘書の背後で控えていた黒服達が、私達の側を駆け抜けていく。
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その姿を見たヤヤの顔がどこか強張っている。
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「…………」
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まさかヤヤが狩ったのは……今の人達……?
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そう思っている間にも秘書の人がヤヤに近づく。
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「巫女よ、勘違いなさるな。この身と心は頼継様に捧げたもの、
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「……人って、そんなに柔軟に出来ているのかな?」
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「ならば、あの時の<RB='きじょ'>貴女<RB>には何が見えておりましたか?
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「そんな簡単に割り切れないよ」
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「フッ……ならば、貴女はそう生きれば良い。我らの同胞が
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「罪は背負うよ……それだけは覚えてて」
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「――安部一門が残党、安部昌次郎がその言葉、確と受け取った。
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「……うん」
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秘書が手袋を直し、正面に現れた穢れに向かっていく。
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「では――頼継様が為、今、再び道を開く!」
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目を伏せているヤヤに私は歩み寄った。
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「ヤヤ……」
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「大丈夫、言いたいことが言えてすっきりしただけ!」
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「カナカナ、ヤヤのカッコいいとこ、まだ見せてあげるからね!」
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いつものように元気よく言ったヤヤが武器を構え直す。
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穢れはまだ溢れてくる。
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理事長の秘書に続き、ヤヤと奈岐の二人もすぐに戦闘へ移る。
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ただ。
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ただ、そんな二人を見つめる理事長と末来さんの視線は冷静で。
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どこか背筋が寒くなるほど冷たくて、私はまばたきを繰り返す。
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そうしている間にも、次の戦闘が始まっていた。
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seisai_no_resonance/sce08_03_08_2.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)