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seisai_no_resonance:sce08_03_03_0
巫女の力を解除され、崩れ落ちた恵の身体を支える。
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最後の気力まで使い果たしたのか、彼女もまた意識を失っていた。
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「ごめん、恵」
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このまま連れて行くわけにはいかないので、
三輪さんの隣に恵の身体を横たえる。
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これで三輪さんと恵はしばらく動けない。
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でも――由布と遠山先輩達がどうなったか。
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「ナギっち、大丈夫かな……」
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「近くに力は感じない。遠いかも」
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「んー、とにかく言ってた神社に急ごう」
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「うん」
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どこかで戦闘が始まっているのかもしれないし、
もう終わっているのかもしれない。
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とにかく、今は奈岐を信じて神社へ向かうだけ。
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再び私達は森の中を駆け出す。
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ヤヤは奇襲を警戒してか、巫女服のまま、私を先導する。
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ただ……どこまで走っても、森は静かで戦闘の気配は無かった。
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夕刻――
私とヤヤの二人は神社の階段を駆け上る。
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ようやく見えた神社の鳥居に安堵し、奈岐の姿を探すが、
あの目立つ髪色はどこにも無かった。
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代わりに同じ髪色をした人間が両手を打ち鳴らしている。
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「やあ、久しぶり。無事に辿り着いてくれて何よりだよ」
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鳥居の下にいた理事長と秘書が私達を出迎えていた。
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「来てくれてありがとう――鼎、八弥子」
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そして、その後ろから末来さんが歩み出て、顔を見せてくれる。
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「末来さん、奈岐は……?」
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逸る気持ちを抑えながら、末来さんに訊ねるが、
ゆっくりと首を横へ振られてしまう。
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奈岐が来ていない……?
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「ヤヤ、奈岐を捜しに――」
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焦燥感から踵を返そうとした時、末来さんが私の腕を掴んでいた。
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「落ち着くんだ、鼎。今動けば、ここを知られてしまう」
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「でも、末来さん……」
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「奈岐なら平気。彼女のことは鼎も知ってるはずだよ」
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「…………」
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鬼子としての奈岐の知力――
それは信用に足るものだけど。
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私が思い悩んでいる間にも、ヤヤは星霊石に力を戻す。
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「カナ、今はナギっちを信じて待とう。
(BROKEN:8_20)
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ヤヤが視線を末来さんと理事長へ向ける。
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「僕が話すと、どうも胡散臭くなるらしくてね。
(BROKEN:8_20)
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戯けたように肩をすくめた理事長が末来さんを見た。
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「普段の行いのせいだよ。鼎、八弥子、ボクから話そう」
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場所を移そうとばかりに末来さんが歩き出し、
社の中へ入っていく。
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外観からして、かなり年代ものの社を見上げて息を漏らす。
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こんなところに身を潜めていたんだ……。
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でも、神社だし……社の中に入ってもいいんだろうか?
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そんなことを思いながらも、末来さんを待たせるわけにもいかないので、私とヤヤは古びた社に足を踏み入れる。
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seisai_no_resonance/sce08_03_03_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)