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seisai_no_resonance:sce08_03_00_0
翌日も学園は静かだった。
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巫女候補達の姿は無く、その動向すら分からない。
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学園長の姿をわざわざ探すことは出来なかったけれど、
葉子先生はいつも通りに授業を行っていた。
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さも当然のように何も起こらず、時間だけが経過していく。
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昼休みのチャイムを聞いてから、
食堂へ向かおうと階段を下ろうとした時――。
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スカートの端を掴まれたかと思えば、
ヤヤと奈岐の二人が私を手招きしていた。
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「あまり良くない知らせだ」
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階段の隅に移動したところで、奈岐がそう切り出す。
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「良くない知らせ……?(BROKEN:8_20)
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「松籟会側が巫女候補を使って、私達を探し始めた。
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「ナギっち達……平気なの?(BROKEN:8_20)
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「見つかるのも時間の問題だろう。しかし案ずるべきは、
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「まさか、私達も……?」
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「理事長側についている私と接点が無いとは考えにくい。
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「もう学園も安全じゃないってことかー」
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「残念ながらな。とにかくここから離れて、末来達と合流する。
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その言葉には、ヤヤも私も同意だった。
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すぐに階段を下って、末来さん達と合流するため移動を開始する。
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一階に下り、廊下を急いでいると、二人の人影が道を阻んだ。
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通せんぼといった様子ではあるが、
何故か不穏な空気を感じることは無かった。
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小さく咳払いをした後、学園長が私達に口を開く。
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「……今し方、松籟会から連絡がありました。
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「引き渡されるのは困ります」
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「そうでしょうね。私も片倉さんを信じた以上、
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素直に答えてみせたところ、
学園長が僅かに微笑んでくれた気がした。
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「連絡を受けた私は、高遠さん達の教室と寮の部屋へ向かった。
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「――そう報告するしかないでしょうね」
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「学園長……」
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そう語った学園長から離れ、葉子先生がヤヤに歩み寄る。
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「ヤヤちゃん、私達の血筋は必ずと言っていいほど
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「でも、そんな時こそ大切な人の声を聞いて下さいね」
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「ヨーコ先生……」
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「きっとヤヤちゃんなら大丈夫です。血の力に頼り切らずとも
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「…………」
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急ぎなのにトラウマを刺激するのは止めてあげてください、
と言いたいところだったけど……黙っておこう。
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「と、とにかく、今は急がないといけないみたいだしっ!(BROKEN:8_20)
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私が言わずとも、ヤヤが逃げるように声をあげていた。
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「あはは……そういうことなので、
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「はい、授業は欠席扱いにしておきますね。
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どんな時でも葉子先生は、しっかり先生をしているらしい。
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「あはは……覚悟しておきます」
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「やれやれ、とにかく今は急ぐぞ」
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肩をすくめた後、奈岐が急かすようにして歩き出す。
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私とヤヤは遅れまいと慌てて後に続いていく。
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「さて……大変なのはこれからですよ、金澤先生?」
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「んー、松籟会の人達が来ちゃいそうです?」
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「私達があの子達とは無関係――
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「ふふっ、考えてないでしょうね」
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「一線を退いてしばらくになりますが、
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「現役時代のあなたを思い出すと、ここはやりすぎないように、
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「ふふっ、もう先生という立場ですし、学生達が引かない程度に
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「はぁ……ぜひ、そうなさって下さい」
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seisai_no_resonance/sce08_03_00_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)