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seisai_no_resonance:sce07_04_11_0
翌朝、学園と松籟会から緊急の知らせが届けられる。
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それは、明後日に行う予定だった試合を早め、
本日の午後に行うというものだった。
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考えなくても分かる。
明らかに不自然な動きだ。
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「巫女の決定を急いでいるな……どういうつもりだ?」
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「地震と穢れのこと、無関係じゃなさそうだね」
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それに末来さんはまだ戻っていない。
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出現した穢れを祓うために出て行ったのだとしたら、
修験者の人達がほとんど祓ってくれたはずなのに。
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「巫女の決定を急ぐ理由、末来がまだ戻らない理由……」
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奈岐が腕を組んだまま呟き、思考を展開させていく。
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「巫女は贄となり、穢れとなる。厄災を引き起こさぬための贄だ。
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「もし……あの地震が厄災の予兆だとすれば、松籟会が贄を急ぐ
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「待って、奈岐、ちょっとストップ」
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頭をフル回転させているところ、声をかけるのは躊躇われたけど、どうしても気になってしまう。
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「末来さんが消えた理由って……何?」
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「考えられるのは贄の代用だ。正式な巫女が選ばれるまでの間、
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「贄って……そんな……」
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「末来をわざと一対から外し、待(BROKEN:8_20)
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じゃあ、末来さんは……今頃……。
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「いや、地震直後の末来の行動を推測する限り、
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「末来さんが望んで……?」
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「地震直後、あれだけ早く寮を抜け出すことが出来たのは、
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「末来も、この可能性があることを最初から知っていた」
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「…………」
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贄のこと、穢れのこと――末来さんが巫女候補だとしても、
色んなことを知りすぎている。
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それに――。
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	「彼女は稀代の巫女だった。全ての穢れを祓い、この島を呪縛から
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	「ボクを……助けてしまったせいで、失敗したんだ」
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	「末来さんを……?」
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	「あの場所には……穢れを生み出す危険なものがある。
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	「だから失敗した。それが一度目……そして、二度目。
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末来さんはお母さんが巫女の時に助けられたと言っていた。
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それは七年よりも、もっと昔の話だ。
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末来さんを助けるために、お母さんは封印を解いた。
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そして、七年前、末来さんの代わりにお母さんが
封印を施しに行った。
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「…………」
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逆から考えてみよう――末来さんは、穢れを生み出す危険なものを封印していたんじゃないだろうか?
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でも、お母さんが末来さんを助けるため、封印を解いてしまう。
だから、島の呪縛を断ち切ることに失敗した。
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島にとって、その封印は欠かせないもの――
七年前、お母さんは私に望みを託し、末来さんの代わりとなる。
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末来さんが何者かは分からないけれど、早急に贄が必要になった
今の状態をかえりみると……考えられる状況は一つしかない。
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「末来さんは封印に向かったんだ。それはきっと封印の力が
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腕を組んだまま、私の考えを覗いていた奈岐がふむと唸った。
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「何を封印しているのか、そして封印が弱まった理由。
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「鼎の話だと、末来は封印を施していたところを救われている。
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「そのためには……巫女になって、贄が捧げられる場所に行くこと
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巫女になって真実を見極めるんだ――私がこの島に着いた翌日、
末来さんから言われた言葉が頭を過ぎる。
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巫女になれば何か分かるのだろうか、という疑問が消えていく。
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やっぱり全ての鍵は――巫女にあるんだ。
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「試合が今日ならば、覚悟する必要がある」
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「相手は中村さんと八弥子さんだね……」
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「ああ、切り札を使うべき相手だ」
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奈岐は星霊石を取り出し、私に一度頷いた。
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絶対に勝たないといけない一戦になる。
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真実へ向かう私達の足先はきっと正しい。
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でも、私達はそのことだけに囚われすぎていた。
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seisai_no_resonance/sce07_04_11_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)