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seisai_no_resonance:sce07_04_09_1
深夜――
寝入っていたはずなのに、ふと目が開く。
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「……?」
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言うなれば、嫌な予感がしたといったところ。
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寝ぼけ眼で部屋を見渡すと、
同じく身体を起こした奈岐が目に映る。
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「奈岐……?」
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向かいのベッドにいる彼女の名前を呼んだ直後だった。
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ゴゴッ――と地鳴りが聞こえ、身体が縦に揺れる。
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「わわっ!?」
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違っ、身体じゃなくてベッドが――地面が揺れていた。
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突き上げてくる大きな揺れが、机に積んである書籍をなぎ倒す。
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「じ、地震……!?」
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「何だ、この感覚は……」
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机の下に移動しないと、そう思った時――。
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「止んだ……?」
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何事も無かったかのように揺れが収まっていた。
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十秒に満たない時間だったと思うけど、
かなり大きな揺れにも感じる。
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「嫌な予感がする――少し出てくる」
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奈岐は着ぐるみっぽい寝巻きを脱ぎ捨て、制服に着替えていく。
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「待って、私も行く!」
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椅子に引っかけてあった私服を掴み、急いで着替える。
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部屋から飛び出すと、寮内に流れる放送に気付いた。
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「たった今、大きな地震がありました。皆さんは落ち着いて、
(BROKEN:8_20)
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放送で葉子先生が災害時の誘導を開始している。
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その御陰か慌てて飛び出す学生の姿は見当たらない。
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「飛ぶぞ」
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奈岐は手すりに飛び乗り、そのままロビーにまで落下する。
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すぐさま星霊石を輝かせ、冷気と共に着地していた。
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奈岐が当たり前のようにやってみせたけど……。
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ここから下りるの、私、初めて。
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「どうか着火しませんように」
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勾玉を握り締め、僅かに火の粉を舞い上げると、
私もロビーへ向かって飛び降りる。
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「わわっ……!」
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着地の寸前に大量の火の粉を吹き上げ、衝撃を抑え込む。
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「――――」
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奈岐が腕を振るい、すぐに冷気で火の粉を鎮めてくれる。
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「ごめん、ちょっとやりすぎたかも」
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「問題無い。それより――私達より先に外へ出た奴がいる」
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奈岐が入口のドアへ顔を向ける。
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半開きになった扉から、外の月明かりが漏れていた。
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「放送も流れてるし……パニックで飛び出したわけじゃなさそう」
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「私達と同じことを考えたか、それとも何かに気付いたか。
(BROKEN:8_20)
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私と奈岐は顔を見合わせ、その場から駆け出す。
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寮の外まで来ると、嫌な予感の正体がはっきりと分かる。
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この怖気立つような感覚は、島に来てから何度も味わっていた。
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ざらつくような、肌を突き刺すような冷たい空気――
それは誰にも声が届かない絶望の叫びだ。
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「近いな。だが、何だ……何かが違う」
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奈岐は警戒しつつ、星霊石を握ったまま、視線を左右させている。
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「取り囲まれてるような……数の違い?」
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周囲で気配が現れては消えるを繰り返してる。
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その御陰で身体から緊張感が抜けない。
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「こっちだ!」
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何かに反応したのか、奈岐がその場から走り出す
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「……あれは?」
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奈岐の駆け出す方向に、僅かな光が見えた。
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すぐにその光は消えてしまったけど……
どこか胸を締め付けられるような感覚だけ残る。
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「勾玉が……?」
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まるで呼応するかのように勾玉が熱を放っていた。
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いったい何が起きてるの……?
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まだ熱を感じる勾玉を握り締め、光の見えた方向へ駆け出す。
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一方その頃――。
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「――学園周りに出現した穢れは既に掃討を完了しました」
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「ご苦労様、昌次郎。それで被害は?」
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「数名を取られましたが、引き続き、祠まで掃討する任務に
(BROKEN:8_20)
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「――という状況さ、理解してもらえたかな?」
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「…………」
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「こうなることは分かっていた。でも早すぎる」
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「そうかい?(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「反応した……と言いたい?」
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「もしキミなら反応するだろう?(BROKEN:8_20)
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「…………」
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「さて、片倉末来――七年前の約束を果たしてもらおうかな」
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「それは分かってる。でも、もう一目だけでも、あの子に……」
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「そんな余裕は無いよ。今は血路を開いている状況だ。
(BROKEN:8_20)
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「…………」
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「……あの場所までは僕も行こう。
(BROKEN:8_20)
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「はっ、お任せ下さい」
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「さ、急ごう。朝が来るまで全てを終える必要がある」
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「……分かった」
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「…………」
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「…………鼎」
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私と奈岐は、寮から学園へ続く道を全力で駆けていく。
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人気の無い校舎を横切ったところで校門が見え始める。
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不思議な光が見えたのも、この方向に違いない。
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でも、人影どころか穢れの気配すら無かった。
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「何だ……穢れの気配が消えていく」
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「誰かが祓っている……でも、まだ何か感じる」
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突き刺してくるような悪寒は止まない。
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何かが起きている、起きようとしている?
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「鼎、周囲を調べよう」
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「うん、分かった」
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私と奈岐は力を使い、門を乗り越えると、学園の外へ向かった。
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それから、私達はいくつかの異変に気付くことになる。
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一つは穢れと誰かが交戦したような跡、
人の物と思しき血の痕もあった。
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そして、一時間ほどした後、嫌な気配が突(BROKEN:8_20)
静まったこと――。
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最後に、この日を境に――
末来さんの行方が分からなくなったこと。
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seisai_no_resonance/sce07_04_09_1.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)