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seisai_no_resonance:sce07_04_07_0
解き放った火球が大鎌に一閃されると、
火の粉と化して散っていく。
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力では押し込んでいる。
だけど、まだ先輩は負けを認めていない。
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互角以上の戦いが出来ても、技術では先輩が勝っている。
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この差をどう埋めれば――。
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「いや、今の鼎なら対応出来る」
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「奈岐?」
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「遠山が守りに入れば、必ず勝てる」
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奈岐は先輩が守りに入れば、と言っていた。
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だったら、そのチャンスは今しかない。
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「たあぁっ!!」
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炎で牽制しつつ、私は先輩に距離を詰める。
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「ッ――!」
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大鎌で炎から身を守り、私の剣を柄で受け止めた。
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甲高い金属音が鳴り響き、そのまま<RB='つば'>鍔<RB>迫り合いの状態に持ち込む。
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「本当に腕をあげましたね……」
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歯を食いしばりながら、先輩の鎌を押し込んでいく。
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「ですが、まだ……!」
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一際、強い力で剣が押し返される――距離を取られてしまう。
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そう思い、剣を握る両手に力を籠めた時だった。
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「えっ?」
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「なっ……!?」
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刀身が熱をはらみ、赤い輝きを放つ。
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そして、まるで焼き切るかのように大鎌の柄を切断していく。
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ガシャンッ――と大きな音を立てて、
真っ二つに切り裂かれた大鎌が地面に落ちた。
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「なんて力……」
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先輩が逃げ遅れていれば、
その身まで斬りつけていたかもしれない。
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「…………」
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まるで信じられないものでも見るかのように、
私は自分の剣へ視線をやる。
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先輩の鎌を切り裂いた……?(BROKEN:8_20)
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とにかく、考えるのは後。
今は勝利を決定的なものにしないと。
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私は剣を振るい、遠山先輩へ切っ先を向けた。
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これで終わり――その瞬間、刀身に衝撃が連続して走る。
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「なっ……由布!?」
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「姉様っ!(BROKEN:8_20)
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立て続けに銃声が響き、私は回避行動を余儀なくされる。
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幸魂からの援護はルールの範囲内――
それに由布の武器は遠距離武器だ。
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このままだと、仕切り直しに持ち込まれてしまう。
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「風間、邪魔をするなっ!!」
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奈岐の怒声とともに冷気が立ち上り、
氷の壁が作り出されていく。
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数秒も経たずに構築された高さ二メートル近い障壁が、
由布と遠山先輩を隔てる。
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「そんなっ……!」
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奈岐が作り出した分厚い壁は由布の射撃を阻み、跳ね返す。
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この瞬間を逃さず、私は遠山先輩との距離を詰める。
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「勝負ありましたね」
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そして、ようやく剣の尖端が遠山先輩を捉えた。
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「ここまで力をつけていたなんて……完敗ですわ」
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遠山先輩の力が星霊石へ戻り、勝負は決する。
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「そこまでっ!(BROKEN:8_20)
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学園長の声が響き、私も力を勾玉へ戻す。
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奈岐も力を鎮めたのか、氷の壁が崩れ、消えていく。
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「姉様、ご無事ですか!?」
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「由布、大丈夫よ。由布はよくやってくれましたわ」
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壁が無くなると、すぐに由布は先輩の元へ走っていた。
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迎えた遠山先輩は優しげな言葉とともに、
涙ぐむ由布の目尻を指で(BROKEN:8_20)
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その行為で、緊張から解き放たれたのか、
由布が遠山先輩に抱きついていく。
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「姉様……ごめんなさい、私の力が足りないばかりに……」
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「由布……いいのよ、あなたが悪いわけではないのですから」
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どこか由布をあやすようにして、遠山先輩が抱きしめ返す。
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すっかり二人だけの世界――そんな二人を守ることが出来るんだと思うと少し嬉しい気がした。
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その光景に微笑みながら、私は奈岐へ振り返る。
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「くっ……はぁっ、はぁっ……」
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「奈岐……?」
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星霊石を片手に握ったまま、奈岐は額に大量の汗を滲ませていた。
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「この程度の処理に、身体が……」
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がくんと崩れるようにして、奈岐がその場に片膝をつく。
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「奈岐っ!?」
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慌てて駆け寄ると、奈岐は私の手を握った。
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「平気だ、少し力を使いすぎた……」
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「力を使いすぎたって……やっぱり、その星霊石が……」
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「……私は平気だ。だが、周りはそう見えない可能性もある。
(BROKEN:8_20)
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心配もあるけど、奈岐の意図に気付き、私はそのまま手を引く。
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「まさか、(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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わざとらしく奈岐が周囲に言ってみせた。
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でも、間近で見れば、それは嘘だとすぐに分かる。
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握った手は震え、立っているのが精一杯――そんな様子だ。
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「お二人とも、そろそろ次の試合を始めますよ」
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「あ、はい……奈岐?」
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「平気だ」
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そう言いながらも、私の手を握る力が強まる。
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そんな奈岐の手を引きながら、巫女の列へ戻っていく。
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入れ替わりで、八弥子さんと中村さん、恵と三輪さんの二組が
学園長の前へ歩み出した。
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「――――」
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「……?」
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今、中村さんが私と奈岐を見ていたような……?
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首を傾げている間にも、次の試合が始まる。
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しばらくして落ち着いた奈岐は、試合ではなく、
今日も松籟会の人達を観(BROKEN:8_20)
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試合は八弥子さんと中村さんの圧勝に終わり、
その日の儀式は終わりを告げることとなる――。
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seisai_no_resonance/sce07_04_07_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)