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seisai_no_resonance:sce07_03_06_0
時間は流れて夕刻――
一日の授業を終えた時刻になる。
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結局、奈岐や末来さんから連絡は無かったので、
済し崩し的にではあるが、授業を最後まで受けてしまった。
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悪いことじゃないんだけどね……。
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ただ巫女候補が集められているクラスだけあって、
出席者の少ない状況はやけに静かで物足りないものがあった。
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由布に恵、それから三輪さん……中村さんは病(BROKEN:8_20)
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みんな、朝の授業からいなかった。
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おそらく松籟会に呼び出されているのだろう。
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「ちゃんと最後まで残ってくれましたね、高遠さん」
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鞄に教科書を詰めていると、葉子先生が歩み寄ってくる。
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既にクラスメイトは教室を出ており、先生と二人きりだ。
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内密に話をしやすい状況に少し感謝しつつ、
葉子先生と向かい合う。
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「話って……何でしょうか?」
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「今日は巫女候補のみんなが欠席していましたね。
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「そうですね……」
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「先生はそれが寂しいです。だから、高遠さん達がやろうとして
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「みんなが島のことで悩まずに、ちゃんと授業に出てくれて、
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「――大丈夫ですよ。ヤヤもいるし、末来さんも、奈岐もいます。
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最後のところはよく分からないので苦笑しておく。
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すると、葉子先生がクスッと微笑んでくれた。
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「ふふっ、そうですね~。
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「昔……ですか?」
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「これは秘密なんですけど、先生が巫女候補だった頃、
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「えっ……」
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思わず固まってしまう。
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お母さんと葉子先生が?
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それって、つまり――。
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「高遠さん、今、先生がいくつか考えようとしましたね?」
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「し、してないですっ……!」
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僅かに声が怖かった気がする。
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「ふふっ、あの時も儀式のことでみんなが大慌てでした」
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「何かあったんですか……?(BROKEN:8_20)
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「高遠さんのお母さんはですね、全部一人で解決するって
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「…………」
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その様子が頭に浮かぶから何も言えない。
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「松籟会の人達は……あの時も島で絶対だったので、
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「でも、あの人は今の高遠さんみたいに、大丈夫って言って
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「お母さん、自信家ですから、そういうの得意なんですよ」
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「ふふっ、そうみたいですね」
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葉子先生が窓の外を見つめ、憂いをおびた息を漏らす。
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「でも、儀式は失敗どころか……全部壊しちゃってから、
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「……あはは」
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お母さんが松籟会の言うこと聞くはずないしね……。
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それでも壊して帰ってくるのはどうかと思うけど。
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「それで、あの人が先生にだけ教えてくれたことがあります」
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「先生にだけ……ですか?」
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「巫女をこれ以上生み出したらいけない。もし巫女の歴史を続ける
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「…………」
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「先生はその後すぐに本家に戻されたので、高遠さんのお母さんと
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巫女をこれ以上生み出したらいけない。
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だから、お母さんは儀式を潰そうとした?
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あの場所……あの祠に何があるの?
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「高遠さんのお母さんより強い巫女を育てるのは難しい話です。
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「でも、少しでも目標に近づけようとして……
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「ふふっ、その御陰で怖がられちゃってますけどね」
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「あはは……みたい、ですね」
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どうやら、ちゃんと自覚はあったらしい。
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「高遠さん、先生はここから応援することしか出来ません。
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「色んな意味で♪」
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「は、はい……?」
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葉子先生に返事をしようとした時、
そんなことを言われて疑問符がついてしまう。
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「ふふっ、ヤヤちゃんとの距離、見ていたら分かりますよ~?」
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「うっ……す、鋭い、ですね……」
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そんなことを言われながら詰め寄られると、
じりじりと後ずさりしてしまう。
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気付くと背中が壁にぴったり。
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「それで――ヤヤちゃんにはもう手を出したんですか?」
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耳元でそんなことを言われて背筋が震えてしまう。
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従姉妹のお姉さん相手に、しかも担任の先生相手に、
ここでイエスと言えるだろうか?
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それは難しい、とても難しい。
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「え、えーっと……秘密……って無理ですか?」
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「ふふっ、無理です♪」
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「うぅ……」
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逃げだそうにも既に退路は塞がれている。
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この状況……どうしたら。
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「そうそう~、先生はですね、昔、高遠さんのお母さんのことが
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「イイコト……デスカ?」
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それはもう嫌な予感しかしない。
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何で退路を廊下側に選ばなかったんだろうか、と後悔する。
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「ヤヤちゃんとの今後のために♪」
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そして、先生の指先が私の太ももに触れた瞬間――
それはもう色んな覚悟を済ませておいた。
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seisai_no_resonance/sce07_03_06_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)