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seisai_no_resonance:sce07_03_05_1
ひとまず……ここで突っ立っているのも問題だろう。
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同じことをヤヤも思ったのか、廊下に踏み出す時は一緒だった。
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「あ、授業……」
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「それどころじゃないって感じだけどねー」
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ふと思い出した事項をあっさりと一蹴してくれる。
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ヤヤの言うことは間違っていないと思うけれど……。
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「ナギっち達と早く連絡を取った方がいいみたいだし」
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迷った私の背中を押すように、ヤヤが言葉を続ける。
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確かに……奈岐や理事長達と合流出来れば、
末来さんの言葉の意味も分かるだろう。
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もやもやとした気分でいるのは嫌だし、ヤヤの言う通り、
今は動くべきだという考えに至った時――。
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「ヤヤちゃん、聞きましたよー?」
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「うわわわっ!?」
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「よ、ヨーコ先生っ!?」
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「はーい、おはようございまーす」
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いつの間にか葉子先生がヤヤの後ろに現れていた。
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ちなみに気配一つ感じなかったのは、私もヤヤも同じ……。
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「ヤヤちゃん達が中村さんに怪我をさせたって
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びくっとヤヤが肩を震わせ、その顔色が途端に悪くなる。
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その光景は、しかられている子供というより、
弱味でも握られているかのように思えてしまう。
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「つまり……ヤヤちゃん、本気でやっちゃったわけですね?」
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笑顔のまま、葉子先生が尋ねるけれど……
その言葉一つにヤヤが再び震え上がる。
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「うっ……い、色々事情があって……」
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しかし……ヤヤはどうしてここまで葉子先生に怯えるのだろう?
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怖い物知らずのイメージが強いせいか、より不思議に思える。
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「先生、喧嘩は良くないことだと思いまーす」
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「……む、昔は散々やってた癖に……」
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「ヤヤちゃん、何か言いましたかー?」
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「な、何も言ってないよっ!」
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声を震わせたヤヤが頭を振ろうとするが、
先生の顎がまだ乗ったままだった。
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あと何か……不穏な言葉を聞いた気がする。
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「ヤヤちゃんも思うところがあったのかもしれませんけど、
(BROKEN:8_20)
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「……ご、ごめんなさい……」
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す、素直だ……。
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間髪入れず、ヤヤが非を認めて謝っていた。
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「力の使いどころを間違えると大変なことになりますからね」
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「…………」
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「返事はどうしましたか?(BROKEN:8_20)
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「う、うん、わ、分かってるっ……」
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震えるヤヤから葉子先生の視線が私へ向かう。
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ちなみにヤヤの頭に顎を乗せたまま。
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「それで、高遠さんにも後でお話があります」
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「えっ、えっと、わ、私……ですか?」
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「学園長から頼まれたことが一つと、
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「巫女のことで先生も動かないといけないようなので、
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「ひ、秘密……ですか」
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「ふふっ。放課後、教室に残っていて下さいねー」
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そう告げた後、葉子先生はヤヤをようやく解放した。
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「あと二人とも、授業にはちゃんと出ましょうね」
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「うっ……」
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「……出る、つもり……だよ?」
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「は~い。それでは、また放課後に♪」
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私達の反応に満足したのか、葉子先生はゆったりとした動作で
踵を返して歩いて行く。
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それを見てから、私はヤヤに小声で訊ねる。
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「ねえ……ヤヤ?(BROKEN:8_20)
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「はぁ……天敵だよ。色んなトラウマがあってね……」
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「トラウマ……」
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「本家だと、ヤヤの訓練はヨーコ先生が担当してたから……
(BROKEN:8_20)
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以前、ヤヤが先生は力に溺れるタイプと言っていた。
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昨晩に見たヤヤと同じく、あの禍々しい力を使いこなし、
溺れるということは……。
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「…………」
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想像するだけで、ぶるっと背筋が震えてしまう。
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今のヤヤの様子を見る限り、
昔に相当なことがあったのかもしれない……。
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「ええと……この話題、止めたほうがいいよね」
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「うぅ……古傷が疼きそう」
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まだ若干顔色の悪いヤヤが俯く。
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それから……葉子先生に言った手前、授業をサボれるわけもなく、
私とヤヤはそれぞれの教室へ向かうこととなった。
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seisai_no_resonance/sce07_03_05_1.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)