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seisai_no_resonance:sce07_03_04_0
翌朝一番――。
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私とヤヤの二人は揃って学園長室に呼び出されていた。
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「はぁ……報告を聞いた時、腰が抜けそうになりました」
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「巫女に内定していた中村さんが負傷し、急ぎ代わりの巫女を
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学園長はこめかみを押さえ、二度目になるため息をつく。
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「あはは……」
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思わず苦笑してしまうと、学園長から鋭い眼光を浴びせられる。
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「高遠さん、まだ笑っていられる余裕があるようですね?」
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「うっ……い、いえ、まったくないですっ」
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学園長としては、厳しく絞り上げたいところだろうけれど、
懸案事項が差し迫っているので、そうはいかないらしい。
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「……松籟会は今日中にも代わりの巫女を要求してきています。
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「で、ヤヤは家の事情で巫女には選べない」
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今度はヤヤが学園長にギロリと睨まれて、すくみあがった。
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「このような時に限って、片倉さんとも連絡は付かず……
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学園長が再びため息と同時に頭を抱えている。
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なので、ここは一つ提案として、手を挙げてみた。
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「えっと、学園長?(BROKEN:8_20)
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「高遠さん、何でしょうか?」
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「私が巫女を務めるというのは……いかがでしょう?」
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「…………」
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もの凄い形相で睨まれてしまう。
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「その勾玉が封印に影響を及ぼすと知りながら、
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「む、無理ですよね……」
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「それに……聞くところによると、中村さんの負傷は
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当然のように……そこまで知れ渡っていた。
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学園長には頭痛の種がありすぎて困るぐらいだろう。
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「しかも、理事長の行方も分からないままとは、
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再び学園長の眼光が私達に向かおうとした時、
部屋にノックの音が響いた。
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そして、学園長が許可の声を出す前に扉が開かれる。
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「片倉さん?(BROKEN:8_20)
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「行方不明の理事長と内密に話があってね。
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「片倉さん、今、理事長はどこにいるのです?」
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「学園長、ここは誰に聞かれているか分からない場所だよ。
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そう言った末来さんが学園長に二つ折りの紙を差し出す。
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学園長はそれを受け取ると、すぐに開いてみせた。
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そして、学園長の片眉が驚きを示すように跳ねる。
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「……私にコレを認めろと?」
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「見て見ぬ振りをするだけでいい」
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「…………」
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黙り込んだ学園長が静かに息を吐いた。
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「片倉さん……もう他に方(BROKEN:8_20)
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「学園長の手腕に期待している」
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「……分かりました。
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「ありがとう、感謝するよ」
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「鼎、八弥子、外で話がある」
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「んー?(BROKEN:8_20)
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視線でこっちだよと告げながら、
末来さんがすたすたと部屋の外へ歩いて行く。
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振り返ると、学園長は考え込むようにして目を伏せていた。
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私達を呼び止めるつもりは無いのだろう。
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「失礼しますっ」
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それでも一応は頭を下げると、
私は早足で末来さんを追いかけた。
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まだ登校の時間ではないため、廊下は静寂に包まれている。
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そんな中、末来さんも学園長と同じように、目を閉じて、
何かを考えている様子だった。
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「あの、末来さん?(BROKEN:8_20)
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「ボク達が封印に向かうことを伝えた。
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「……えっ?」
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ボク達が封印に……?
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「今、残されている方(BROKEN:8_20)
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「それは……もちろん、ですけど。
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「封印自体はボク一人で行う。それまでの道を理事長達と一緒に
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「それから最後に鼎の勾玉を使わせて欲しい。
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そこまで言った末来さんの視線が、
何かを気にするように横へ動いた。
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「もう行かないといけない。またすぐに連絡を取るよ」
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「え、えっと、末来さん?」
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呼び止める間も無く、末来さんが早足で廊下を歩き、
奥の角を曲がっていってしまう。
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その背中を見送った後、私は<RB='くだん'>件<RB>の勾玉に触れる。
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「勾玉が鍵になるって……」
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「んー、封印って一対で行うものじゃなかったっけ?(BROKEN:8_20)
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「うーん……?」
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でも、確かに末来さんは封印を一人で行うと言った。
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それにお母さんの勾玉が鍵になる……?
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頭の中に浮かび上がった疑問は増える一方で、
最もらしい答えを用意することは出来なかった。
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seisai_no_resonance/sce07_03_04_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)