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seisai_no_resonance:sce06_06_01_1
中村さんの剣が末来さんの操る武器に弾かれる。
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強気に攻め込んできたはずの中村さんだったが、
いつもと何か様子が違った。
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「何だ……この力……殺気を感じない……!」
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そう、末来さんの力には殺気を感じない。
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攻撃するという意思が全く見えないから、
対応することも出来ないんだ。
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無闇に打ち込んでしまえば、絡め取られるだけ。
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だからといって、動かずにいたら――。
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「また剣がっ!?」
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末来さんの操る剣が鞭状にしなり、
中村さんの大剣に絡みついていく。
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「もう離さない」
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「くっ……ならば、こちらから!」
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中村さんが大剣を手放し、両手で炎を構成していく。
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しかし、その炎に目掛けて、既に展開されていた
末来さんの浮遊武器から光が放たれる。
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「また気配が無いだと……!?」
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「真琴、これ以上は無意味だ」
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中村さんの炎が消し飛ばされ、無手になったところ、
元の形状に戻った末来さんの剣が突き付けられる。
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「…………」
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「真実を確かめるんだ、キミの目で――。
(BROKEN:8_20)
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「それに――叔母さんが望むことは、
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負けを認めたのか、それとも末来さんの言葉に思うところがあったのか、中村さんは星霊石に自身の力を戻していった。
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そんな彼女を見た末来さんも元の姿へ戻っていく。
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「……もし、あなたが嘘を言っていた場合は」
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「ボクを好きにしても構わない」
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「充分です、退かせていただきます」
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最後に末来さんを睨み付けると、中村さんが踵を返し、歩き去る。
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その姿を私はただ唖然と見送ることしか出来なかった。
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「あの……末来さん、中村さんにいったい何を……?」
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「事実。悲しい事実だよ」
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「…………?」
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星霊石をしまうと、末来さんが私に近づく。
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そして、今度はそっと私の頭を抱き寄せた。
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「怖かった?(BROKEN:8_20)
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「えっと……末来さん?」
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何か、肝心なことを……はぐらかされた気がする。
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そんな私の気持ちを知ってか知らずか、
末来さんは私の髪を撫でていた。
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「……事態がこうして動いた以上、
(BROKEN:8_20)
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「ボクと鼎のお母さんのこと、ちゃんと伝えておこう。
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そう言った末来さんがクスッと少しだけ微笑む。
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そして、私から離れると、いつもの表情に戻る。
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「今日の夜八時に寮のロビーで。待っているよ」
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「末来さん?(BROKEN:8_20)
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「うん、力を使ったことで少し野暮用が出来たから。
(BROKEN:8_20)
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そ、そういえば……そんなものもあった。
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私が頭を抱えていると、末来さんが再び微笑みを浮かべる。
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「それじゃあ、約束の時間に」
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「あ、はい、ありがとうございましたっ」
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末来さんが来た道を少し早足で引き返していく。
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ううん……結局、中村さんのことを聞きそびれてしまった。
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中村さん、お母さんのこと……何かあるのかな?
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疑問が浮かぶものの、今の私に知る術も無く、
寮へ引き返すことぐらいしか出来なかった。
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seisai_no_resonance/sce06_06_01_1.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)