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seisai_no_resonance:sce06_06_00_2
「そこまで」
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一筋の光が過ぎったかと思えば、
中村さんの刀が二つに両断されていた。
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今の……巫女の力?
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「バカな……どうして、あなたがここに……!?」
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中村さんが半分に切れた刀を捨て、視線を私から――。
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「末来さん……?」
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「どうしてボクがここに?(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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片手に星霊石を持ったまま、末来さんが私に歩み寄る。
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「真琴が危ないことをしようとしているって知らせを受けたんだ」
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「連絡船の時と同じ……理事長の差し金か」
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島に来る時……連絡船……。
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あの時、私は末来さんの姿を船の上で見ている。
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でも……理事長の差し金っていったい?
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「前回のように星霊石を無駄にする必要はないけど」
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「……何故、私の邪魔を」
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中村さんが草むらに捨てあった自分の星霊石を拾い上げる。
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「もし真琴が鼎を手にかけてしまえば、
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「事情を知った上でのお説教ですか」
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「違うよ、事実だ。そして、真琴はその事実を知らされていない」
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中村さんが僅かに眉を跳ね上げた。
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だけど、それも一瞬だけのことで、
すぐに末来さんへ険しい視線を向ける。
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「戯れ言を……私を惑わすつもりですか」
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「キミの叔母さんが本当のことを言っていると思う?」
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「っ……当然です。叔母は私にとって母のような人です」
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「でも、実の母親ではない」
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末来さんの指摘に中村さんが顔を顰めた。
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対して、末来さんはいつものように淡々として……冷静だった。
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「それがどうしたというのです?」
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「惑わされているのはキミだ、真琴」
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「……ボクはこの目で島の歴史を見てきた。
(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「母さんのことを……?」
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今度は隠すことなく、中村さんが疑問の表情を浮かべる。
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そんな彼女に末来さんがゆっくりと歩み寄っていく。
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「真実を教えよう。ただし、受け入れられるかはキミ次第だ」
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「…………」
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そしてその距離が僅かになった時、
末来さんが中村さんの耳元で何かを囁いた。
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末来さんの言葉に……中村さんが驚き、目を見張る。
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だけど、その驚きの後、彼女の瞳に怒りの火が灯り、
星霊石から蒼い炎を舞い上げた。
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「嘘だっ!(BROKEN:8_20)
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激昂する中村さんと冷静な末来さん。
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取り残されたままの私には何が起きているのか分からない。
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ただ、末来さんはこうなることが分かっていたかのように、
自分の星霊石から光を解き放ち始めた。
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「私を惑わそうとしているのはあなたの方だっ!」
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「真琴、キミには力がある。その力で真実を見極めるんだ」
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「それ以上、喋るなっ!(BROKEN:8_20)
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蒼い炎が輪となって駆け抜け、巫女装束姿へ変わった中村さんが、大剣を取り出す。
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「末来さんっ!」
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中村さんは本気だろう。
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末来さんにどんな考えがあるか分からないけれど、
声を上げずにはいられなかった。
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だけど、末来さんは私に優しく微笑みかける。
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「大丈夫、鼎は何も心配しなくていい」
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「末来さん……?」
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「今は真琴を無力化する――
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そう言った末来さんが星霊石の光をさらに強めていく。
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その光が末来さんの身体を包みこんでいき、
巫女という力を宿していく。
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その姿は他の誰よりも抽象的で、ただ光だけが溢れていた。
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「これが末来さんの……」
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星霊石は人の性質を現すと八弥子さんから聞いたことを思い出す。
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じゃあ、この光が末来さんの……?
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温もりと同時にどこか懐かしさ――お母さんの影を感じる。
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眩い光が弾けると、末来さんが巫女装束を纏った姿に変化した。
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光を纏った末来さんの姿は神々しさすら感じる。
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そして、周囲にはまるで意志を持っているかのように、
不思議な金属体が飛び交っていた。
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これが末来さんの武器……?
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「真琴、キミが怒っているのは……
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末来さんが片手を広げると、
その手に光が集束し、一振りの剣が宿った。
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「……それ以上、喋るなと言ったはずだっ」
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相手が誰であろうと臆することなく、中村さんが大剣を構える。
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「真実を受け入れるのはつらいこと。
(BROKEN:8_20)
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「黙れっ!(BROKEN:8_20)
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怒声を発し、中村さんが炎を放ちながら末来さんへ駆け込む。
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こうなると、もう戦いは避けられない。
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「…………」
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どこか悲しげに目を伏せた末来さんが、
剣の切っ先を中村さんへ向ける。
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そして、その光の力を再び解き放った。
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seisai_no_resonance/sce06_06_00_2.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)