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seisai_no_resonance:sce06_04_14_0
翌日の朝――
学園に来た私と奈岐は理事長室のドアをノックしていた。
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数えられる程度しか顔を合わせていない理事長。
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でも、奈岐と同じく不思議な容姿をしていたことだけは、
はっきりと頭に残っている。
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「……留守かな?」
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しばらく待っても、ドアの向こうから物音一つ聞こえてこない。
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「どうだか」
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何を思ったのか、奈岐がガチャッとドアノブをひねった。
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「勝手に開けたら、まずいよ……?」
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「鍵がかかっている。いないらしい。時間を変えて――」
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奈岐が言葉を途中で切り、廊下へ険しい視線を向ける。
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こちらへ歩いてくる男性の姿が目に映った。
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「お二方、頼継様に何か御用でしょうか?」
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確か……この人は理事長の秘書だったはず。
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「アレはどこへ行った?(BROKEN:8_20)
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「アレというのが何を指しているのか分かりかねます」
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「面倒な奴め……理事長だ、諏訪頼継はどこへ行った?」
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挑発するような奈岐の言葉遣いにも、男性は動じる様子もなく、
表情一つ崩さない。
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「頼継様は今週行われる巫女の選抜、その本戦の予定を
(BROKEN:8_20)
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「いつ戻る予定だ?」
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「学園側には週末まで戻らぬ旨を伝えております」
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「……なら、こちらから会いに行く。どこにいる?」
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「それを巫女候補の方にお話することは出来ません」
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奈岐は男性を睨み付けた後、首を横へ振った。
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「あの理事長の秘書だけある。読めないな」
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「お話は終わりのようですね。では――」
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男性が理事長室の鍵を開き、部屋の中へ姿を消していく。
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ドアが閉められる音が響いた後、奈岐がため息を吐いた。
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「奴は理事長の忘れ物を取りに来ただけだ。
(BROKEN:8_20)
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「理事長がいないんじゃ……どうするの?」
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「一つだけ当てはある」
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行ってみようとばかりに奈岐が廊下を歩き出す。
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seisai_no_resonance/sce06_04_14_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)