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seisai_no_resonance:sce06_04_10_0
翌日、朝の授業――。
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月曜日の気怠さもあってか、あくびをするクラスメートも多い。
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そんな中、私は教科書を机に立てたまま、船をこぎ続けていた。
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「まったく……突然、部屋移動したと思ったら……この様だし」
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呆れた様子で由布がそうぼやいているのが聞こえる。
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そんな声も今は子守歌のように感じて、意識が途切れていく。
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「へぇ~、それで上手くいったんだ。おめでと、カナカナ!」
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昼休み、食堂で一緒になった八弥子さんに昨晩のことを話す。
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「あはは、随分と遅いスタートですけどね」
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日替わりの定食をつつきながら、机を囲って、会話を続ける。
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「それでもカナカナは凄いよ。ナギっちが誰かと一緒にいるだけ
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鬼子として生まれ、人を遠ざけ、一人で生きる奈岐。
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そんな異端に対して、よそ者の私だから上手くいったのかな。
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「まだこれからどうなるかは分からないですけどね」
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「それでカナカナ達は本戦に出るつもりなの?」
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「それもまだ未定です」
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「へぇ~、二人して何か面白そうなこと考えてそう!」
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「ふふんっ、大当たりです。でも、秘密ですよ」
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私はそう言ってから得意げに微笑みを浮かべる。
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「カナカナ達、ホント楽しそうだなあ。一安心だよー」
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つられるように微笑んだ八弥子さんは羨むわけでもなく、
ホッとした様子でそう言ってくれた。
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「ねねっ、もし何かあったら、ヤヤにも相談してね!
(BROKEN:8_20)
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「あはは、奈岐が許してくれれば……ですけどね」
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「うーん、ナギっちは気むずかしいからなぁ」
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そんなやりとりをしていると、このまま順調にいってほしいという思いが加速していくように感じられる。
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でも、その結果を出すのは自分達だ。
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ここはしっかりしないと――自分に言い聞かせて、
食後のお茶を一気に飲み干した。
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夜が訪れると、まだ早い時間にも関わらず、いてもたっても
いられなくて、私と奈岐は寮を飛び出していた。
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消灯時間はまだ訪れていないので、足早に森の中へ進む。
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「穢れは巫女の力を嗅ぎつけてやってくるんだよね」
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寮から遠ざかると、私はすぐさま奈岐に話しかけていた。
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「推測の域は出ないけど……ただ闇雲に力を使うのは危険だ」
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「……完全な状態で力を使えるようにはなったけど、
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もし複数体に囲まれた時、対応出来ない可能性もある、か。
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それだとリスクが大きすぎる。
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「一匹だけ誘導出来る方(BROKEN:8_20)
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「出現の条件が特定出来ないから難しい」
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「最初は二人別々に戦って数を減らすことも考えたけど、
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奈岐がポケットからノートを取り出して、今までの記録を参考にしているが、めぼしい情報は見つからないらしい。
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「それって、隙を無くすことが出来ればいいんだよね?」
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「しかし、相手は神出鬼没だ。一筋縄では行かないぞ」
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「大丈夫だよ、一つだけ良い方(BROKEN:8_20)
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「……?」
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不思議そうに奈岐が片眉をあげてから、私の考えを視ようとする。
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「奈岐さえ良ければ、だけどね」
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頭の中で奈岐に語りかけるようにして、一人の人物を思い描く。
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すぐに伝わってくれたのか、奈岐は困ったように息を吐いた。
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「はぁ……やむなし……なのか?」
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「ふふっ、それは奈岐次第だよ」
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何故か私に尋ねてきた奈岐に対し、クスッと微笑んでみせる。
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そして、奈岐が出した答えは――。
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seisai_no_resonance/sce06_04_10_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)