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seisai_no_resonance:sce06_04_07_0
食後、八弥子さんと別れて、部屋に戻ってくる。
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もちろん、帰ってきた場所は奈岐の部屋であり、
私の手は奈岐と繋がれたままだ。
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「さて……鼎、真面目な話を聞こう」
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部屋の鍵を確認した後、奈岐はベッドに腰をかけた。
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そんな奈岐の隣に並ぶようにして私も座る。
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一呼吸置いて、私は昨晩閃いた考えを口にしていく。
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「奈岐、穢れと巫女の関係性を今日からまた調べよう」
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「……今日から?」
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昨日の一件を気にかけている奈岐の表情は晴れない。
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「もし私と奈岐が一対として、力を合わせることが出来たら、
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「穢れと巫女の関係が分かれば、末来さんが教えてくれなかった
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「もし……それを知ったとして、鼎はどうしたい?」
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不安に揺れる奈岐の瞳を見つめたまま、私は言葉を続ける。
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「お母さんに会うために、どうして巫女である必要があるのか。
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「だが、末来の答えが考え抜いた末のものかもしれない」
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「でも、奈岐なら末来さん以上のことを考えられる」
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そう言いながら、私は奈岐の淡い色をした髪を<RB='いちべつ'>一瞥<RB>した。
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「…………」
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「人任せなことを言って――って怒ってもいいよ」
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「でも、私は松籟会と御花会に関わらない方(BROKEN:8_20)
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「もし何も分からなかった場合は?」
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「それは何も分からなかった時に決める。巫女になるために、
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奈岐の細い眉が狭まり、険しい顔付きになった。
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私の真意を確かめている、きっとそんなところだろう。
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「鼎は簡単に諦めるような人間じゃない」
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「あはは……言われると思った」
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「だから、本戦までの六日間、調べられるだけ調べて、
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「…………」
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「そうなったら、奈岐は私を止める?」
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「……力尽くでも」
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奈岐の手が伸びてきて、私の腕を痛いぐらいに掴む。
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抗議の声を上げようにも、痛々しいぐらいに震える手を見ると、
何も言えなくなる。
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「じゃあ、そうならないように祈る」
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「…………」
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しばらく奈岐は俯いたまま、何も言おうとしなかった。
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私は奈岐に対して、ずるい選択を迫ったと思う。
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この島にいる限り、お母さんに会いたいという気持ちは
どうしても消せない。
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でも、それは奈岐の気持ちを無視して、巫女になるため、
危険を冒し続けるということ。
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わがままでも、どちらか一つだけなんて選びたくない。
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だから、本戦までの六日間で……必ず何かを掴んでみせる。
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必ず――心の中で私は言葉を繰り返し、まだ震えている奈岐の手に手を重ねた。
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「まずは一対の巫女として、御魂を体現するところからだね」
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そう言って、空元気だとばれてもいいから、奈岐に微笑みかける。
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「…………」
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奈岐は無言のままだったけど、僅かに頷いてくれた。
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seisai_no_resonance/sce06_04_07_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)