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seisai_no_resonance:sce06_04_01_1
入り乱れる炎が視界を閉ざす。
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一撃に手応えはあった――
でも、中村さんが巫女の力を解除する様子は無い。
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「腕を上げている。だが、詰めが甘い」
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炎が引いた瞬間、剣を構えた中村さんが大きく踏み込んでくる。
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迎え撃つべきか、下がるべきか――その考えはすぐに決まった。
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剣を両手で握り締め、中村さんへ向けて振りかぶる。
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「フッ、二度目だな」
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「えっ?」
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ブンッ――と手応え無く剣が空振った。
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同時に地面の感触が消える。
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「――ッ!?」
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素早い踏み込みからの足払いだった。
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確かに二度目だ。
初めて彼女と出会った時、同じ手でやられている。
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また足を払われて私は砂浜に転がってしまう。
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「学習しなかった自身を恨め」
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体勢を立て直そうとした時、目の前に巨大な剣が突き付けられた。
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冷たい視線が私を見下ろし、ギリッと鋭くなる。
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「ストップ!(BROKEN:8_20)
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誰よりも早く状況を(BROKEN:8_20)
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だけど、中村さんは耳を貸す様子も無く、
剣を持った左手に力を籠める。
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剣の大きさから、まるで断頭台か。その想像に違わず、
(BROKEN:8_20)
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「マコっ!!」
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八弥子さんの怒声の後、甲高い金属音が鳴り響く。
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間一髪、八弥子さんの放った鎖が中村さんの剣を絡め取っていた。
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「チッ――」
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そして、異変に気付いた末来さん達が声をあげるのが聞こえる。
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でも、私の全神経はまだ目の前にいる中村さんへ。
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「皆が動くまで数秒――充分すぎる」
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やっぱりまだ諦めていない。
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中村さんの右手に蒼い炎が宿り、揺らめく。
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今度は火傷じゃ済まない火球が眼下の私を狙う。
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それに対抗するためにコチラも両手を突き出し、
炎を集束させた瞬間、視界が暗転する。
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「――――ぐっ!?」
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ドンッ――と遅れてやってきたのは腹部への鈍痛。
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蒼い炎はブラフで本当の狙いは足技、容赦無い踏みつけ。
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呼吸が止まるほど、中村さんの踵がめり込んでいく。
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「ぐはっ……!」
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対抗するための炎が、痛みで集中力を欠き、
四散していってしまう。
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その時を待っていたかのように、中村さんが右手に宿していた
蒼い火球が解き放たれる。
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踏みつけられ、身動きが取れない――回避出来ない。
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「消えろ」
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近づく熱気に身体が焼かれるのを覚悟した。
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その瞬間、頬に僅かな冷気を感じる。
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「――ッ!?」
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反射的に両手を交差させて衝撃に備えた。
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ここ数日何度も経験した――あの爆発を受けるため。
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私を包む冷気が急激に高まり、蒼い炎と激突する。
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「これはっ!?」
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そして、幾度となく味わった衝撃が襲いかかってきた。
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ドンッという震動が身体に駆け巡っていく。
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私と中村さんを中心にして、砂が飛び散り、
クレーターのようなくぼみを作り上げる。
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そして、立ち籠める霧の中、予期せぬ衝撃を受けた中村さんの身体が砂浜に投げ出された。
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すぐさま彼女の元に八弥子さんが駆けつけ、拘束していく。
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助かった――と気が抜けた時、視界が霞む。
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霧のせいじゃなくて……こ、これは……落ちる……?
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激しい体力の消耗に加えて、中村さんから受けた打撃の痛みが
反響している。
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「あ……ダメ……かも……」
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身体を包んでいた熱気が勾玉へ集束していく。
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手の中に収まった勾玉の熱と――。
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「鼎っ!(BROKEN:8_20)
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微かな冷気を感じながら意識がぷつりと途絶えた。
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seisai_no_resonance/sce06_04_01_1.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)