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seisai_no_resonance:sce06_03_19_0
何とか徒歩で寮に帰り、ヤヤと言葉少なく別れ、
部屋にまで戻ってくる。
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予想はしていたけれど、由布の姿は無く、
部屋はもぬけの空だった。
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「…………」
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勾玉は無し、一人っきり――。
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この状況、非常にまずい気がする。
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動けない?
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違う、動かないとまずい。
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「やばい、やばいやばい……」
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床にあった鞄を拾い上げ、制服や下着などを詰め込む。
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ここに一人でいる状況がまずい。
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嫌な予感。でも、まだ嫌な予感。
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殺気がふりかかってくる状況じゃない。
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その間に、早くどこかへ逃げないといけない。
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そして思考した結果、逃げられそうな場所なんて限られていた。
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人目に付かないように廊下を走り、ヤヤの部屋までやってくる。
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素早くノックを繰り返し、名前を呼ぶ。
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「ヤヤ?(BROKEN:8_20)
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すぐにカチャッとドアが開いてくれる。
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「カナカナ……?」
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沈んだ声色ながらもヤヤが中から顔を出してくれた。
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「部屋に由布がいなかった。今の私、一人だよ。
(BROKEN:8_20)
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「そっか……マコはまだ……」
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「ヤヤも星霊石取られちゃってるし、先生か末来さんを頼ろう」
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「ヨーコ先生はダメ。迷惑かけちゃう。ミライっちは……」
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ヤヤが部屋から出て、私の手を取った。
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「カナ、こっちっ」
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手を引かれながら、廊下を走り、
少し離れた場所にある部屋の前に辿り着く。
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すると、すぐにヤヤがノックを繰り返す。
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「ミライっち、いる?(BROKEN:8_20)
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返事どころか物音一つしない。
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この時間なら部屋に戻っていてもおかしくないのに……。
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末来さんの不在が分かり、ヤヤはすぐに振り返った。
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「……とりあえず、ヤヤから離れないで」
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「何か方(BROKEN:8_20)
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「方(BROKEN:8_20)
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「……どんな方(BROKEN:8_20)
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「言えない。でも信じて」
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「…………」
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私を見るヤヤの視線は鋭い。
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嘘は言っていないと思うけれど、でも何がある……?
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ただ何よりも。
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「ヤヤに信じてって言われて、嫌とは言えないよ」
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「……カナ」
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「とりあえず、どうするの?」
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「ヤヤの部屋に戻ろう。安全にするから」
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「……?」
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安全にするという言葉の意味が分からず、
首を傾げるが、ヤヤからの説明は無い。
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私の手を再び掴むと、来た道を戻り始める。
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ヤヤは部屋に戻ると、素早く施錠した。
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そして、私へ振り返り、僅かに違和感を感じる笑顔を見せる。
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「覚悟決めたから、もう平気だよ」
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「ヤヤ……?」
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「何か起こってからじゃ遅いから。カナカナにはガジをお願い」
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ヤヤが足下にいたガジを抱きかかえると、私に差し出す。
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「えっと……ヤヤのことは信じるよ。
(BROKEN:8_20)
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「うん、それももちろん。ただ覚悟の問題だっただけ」
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ヤヤからガジを受け取ると、いつものようにニコリと笑った。
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「カナカナは今度こそヤヤが守るよ。何があっても」
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「……ヤヤ」
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「落ち着くまで自分の部屋には戻れないだろうけど、
(BROKEN:8_20)
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守ると言ってくれたヤヤの言葉通り、
その日はそれ以上何も起きなかった。
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空いているベッドを借りて、眠りに就くときまで、
確かに私は安全だった。
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中村さんからすれば、好(BROKEN:8_20)
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そんなことを考えながらも、目を閉じてシーツにくるまっていると疲労感からか意識が闇に落ちていった。
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seisai_no_resonance/sce06_03_19_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)