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seisai_no_resonance:sce06_03_15_1
「せっ!」
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鉄球を豪快に振り回し、遠山先輩の鎌をよせつけない。
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ドォンッと轟音を響かせ、ヤヤの鉄球が地面に(BROKEN:8_20)
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「戦えてる……一人なのに、一対と……」
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遠山先輩や中村さんが手を抜いている様子は無い。
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ただ息が合っていないのだけは目に見えて分かる。
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それもそうだろう。
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戦闘前から二人の間には微妙な距離感があった。
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ひょっとしたら、由布と組んでいた時より
遠山先輩の力は落ちているかもしれない。
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「もういっちょ!(BROKEN:8_20)
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木々を背後に追い詰められた遠山先輩に向かって、
ヤヤが鉄球を振り上げる。
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「くっ……!?」
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遠山先輩の得物ではヤヤの攻撃を受け止めることは出来ない。
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取れる行動は回避だけ――でも、ヤヤはそれを読んでいる。
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先ほどの大きな縦振りではなく、退路を塞ぐようにして、
横薙ぎの鉄球が遠山先輩へ向かう。
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「させるものかっ!」
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幸魂からの援護で中村さんが火球をヤヤに放つ。
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「マコ、いい判断」
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ヤヤが鉄球を引き戻し、反対の鎖を回転させて火球を散らす。
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単純な力の差ではなく、感覚的なモノでヤヤは二人を圧倒した。
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戦闘能力に長けた血筋――血の為せる業、才能かもしれない。
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「降参です。現状では私達に勝ち目はありませんわ」
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遠山先輩が大鎌を地面に突き立てて首を振るった。
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「ま、そーだろうね。二人とも動きがバラバラだし」
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「せめて戦いの方針ぐらい決めた方がいいよー?」
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「……返す言葉がありませんわ」
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遠山先輩が力を集束させ、星霊石へ戻していく。
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中村さんとヤヤもそれに続き、元の制服姿へ戻った。
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「今日はここまでです。中村さん、少し相談を――
(BROKEN:8_20)
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「やれやれ……明日、授業休みなのに呼び出されそうだね?」
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「必要があれば、その連絡は入れさせてもらいますわ」
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戦いを終えたヤヤが私に振り返り、得意げに笑みを浮かべる。
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「ふふんっ。カナカナー、どうだった?」
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「凄いね……今のがヤヤの本気?」
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「んー、本気は本気だけど、真面目にやった感じ?」
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ヤヤの言葉の意味が今一つ掴めず、私は首を傾げた。
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「真面目じゃないパターンもあるの?」
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「ほら、言ったじゃん。
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「うーん、想像出来ない」
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「想像しなくていいよ。
(BROKEN:8_20)
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遠山先輩達は戦闘の反省点を話し合っているみたいで、
私とヤヤを気にしている様子は無い。
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「うん、分かった。ガジ、ヤヤのところにお帰り」
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ニャンと腕の中で鳴いた後、ガジは地面に降り立ち、
ヤヤの足下へ駆け寄っていった。
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「そうだ、カナカナ、明日遊びにいこーよ」
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ガジを抱きかかえたヤヤがそんなことを言う。
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「遊びに?(BROKEN:8_20)
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「うんうん、島の南にショッピングモールとかあるんだよ。
(BROKEN:8_20)
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「へぇ、それは行ってみたいかも」
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「じゃ、決定だねー!」
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とても戦闘があった後とは思えない会話を交わしつつ、
私達はその場から引き上げていく。
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寮に戻った後は夕食を食べ、しばらくすると消灯時間を迎える。
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特に事件もなく――巫女候補のみんなが落ち込んでいたのは、
事件かもしれないけど――無事に一日を終えることが出来た。
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そして、明日はお出かけだ。
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この島に来てから遊びに出るのなんて初めのこと。
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そう思うと、今から気分が高揚して眠れなくなりそうだった。
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そして、実際――わくわくしすぎて寝不足になったのは言うまでもないことかもしれない。
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seisai_no_resonance/sce06_03_15_1.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)