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seisai_no_resonance:sce06_03_09_0
「カナカナッ!!」
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八弥子さんの怒声が聞こえ、
刀が当てずっぽうな方向へそれていく。
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「くっ!」
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八弥子さんが中村さんに肩からぶつかり、
体勢を大きく崩していた。
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「ふぅ、間一髪……これ、どういう状況?」
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八弥子さんが私と中村さんを見比べる。
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刀を手に再び構えを取る中村さん、
片や顔を青くしているであろう私。
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だいたい(BROKEN:8_20)
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「禰津先輩、邪魔をするつもりですか?」
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「んー、物騒なものを持って、そんなこと言われてもねえ……」
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「……私の行動は松籟会の意向があってのことです。
(BROKEN:8_20)
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「でも、目の前で刀振り回されてると邪魔もしたくなるよ」
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「あとカナカナの意見も聞きたい」
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こんな時でも余裕の様子で八弥子さんが私に振り返る。
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「えーと、私、八弥子さんに勾玉の話をしました……?」
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「んー?(BROKEN:8_20)
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「勾玉を使うと、島が封印してるものに影響するって、
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「だから、マコに狙われちゃってるわけかー。
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こんな状況で、初めてそんなことを言われてしまい苦笑した。
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「島の封印に影響する。つまり災いを呼び起こす危険性がある。
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「意味は分かるけどさ、カナカナが勾玉を渡さないのにも
(BROKEN:8_20)
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「私は……ただの感情論ですよ。お母さんのお守りだし、
(BROKEN:8_20)
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子供の理屈かもしれないけど、それでも勾玉がお母さんに繋がる
お守りであるなら……渡したくはない。
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私の言葉と中村さんの言葉、天秤にかけているのか、
八弥子さんがうーんと考え込む。
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でも、一つ気になった。
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松籟会の命令が絶対で、勾玉が狙いなら……
今、中村さんはどうして一歩も動かないのか。
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八弥子さんは巫女姿でもなく、武器すら持っていない。
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一方、中村さんは刀に加えて、
扱えるだけの技術も持っている。
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八弥子さんの動きを封じて、私を手にかけることぐらい、
きっと<RB='ぞうさ'>雑作<RB>も無いことなのに。
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「やっぱり、ヤヤはカナカナの味方だなー。
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「――そう言うと思っていました」
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中村さんが刀を鞘に収めると、草むらに視線を向ける。
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「……?」
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「探し物はコレかな?(BROKEN:8_20)
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八弥子さんが悪戯っ子の笑みを浮かべる。
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その手には星霊石――きっと中村さんのものが握られていた。
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「なるほど、禰津先輩の余裕は自身の力だけでなく、
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「そういうこと。それで、マコはどうする?
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「……噂には充分。星霊石の力無しに挑んでしまえば
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確かに八弥子さんは自分の星霊石を持っているし、
いざとなれば使うことも出来る。
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でも、中村さんの口ぶりでは、それと違う何かを指しているような気がした。
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「交換条件。カナカナを見逃すなら、コレを返してあげる」
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「そこに私も見逃すという条件を加えてもらえるなら」
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「当然。そんな真似はしないよ」
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「先輩の家柄的にそうでも言っておかないと、
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「なるほどね。マコがそう言うなら、それでいいよ」
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八弥子さんが息を吐いた後、中村さんに星霊石を投げ渡す。
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「はい、交換。マコは撤退、撤退ー」
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「言われなくても……」
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最後に中村さんが私をきつく睨むと、
木々の隙間に姿を消していった。
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「ホント、マコは困ったちゃんだなぁ。カナカナ、無事ー?」
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「あはは……お陰様で。ありがとうございます、八弥子さん」
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歩み寄ってきた八弥子さんに答えつつ、
一難去ってくれて胸を撫で下ろす。
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「でも、よく八弥子さん、ここが分かりましたね」
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「ヤヤの勘は鋭いからねーっていうのは半分冗談で、
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周囲の安全を知ったからか、ガジが茂みから飛び出してきて、
八弥子さんの頭に這い上がっていく。
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そして、ガブリと噛み付いて固定された。
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「ガジ、優秀すぎません……?」
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「あともう一つ。おまけで理事長の秘書さんがね、
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理事長の秘書……それが本命と考えたら良さそう。
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どうやら初めからこうなることは予期されていたらしい。
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それなら教えてくれても良かったのに、と思う。
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「でも、まさかこんなことになってるなんてねー」
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「中村さん……これで諦めてくれる気がしないです」
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勾玉のことも、私のお母さんがしたことも。
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隙があれば、また同じ目に遭ってしまうだろう。
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「他に人を呼ばれても困るし、
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「あ、はい、そうですね」
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返事をすると、八弥子さんは先導するように森の中を歩き始めた。
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seisai_no_resonance/sce06_03_09_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)