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seisai_no_resonance:sce06_03_04_0
何かあれば、葉子先生か末来さんまで、
と学園長に言われたばかり。
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前向きに解釈すれば、末来さんを頼っても問題にはならない、
と……かなり前向きだけど。
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それに勾玉のことなら、末来さんに相談したい気持ちもある。
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「末来さん、まだ寮にいるかな……?」
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窓の外に見える学生の数は先ほどよりも多い。
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今は謹慎中の身ではあるし、あまり人目につく場所にいるべき
じゃないだろう。
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私は末来さんを探しつつ、そそくさと寮に戻ることにした。
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登校する学生とすれ違いながら、ロビーにまで戻ってくる。
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当然のように、ここにも学生の姿が多いわけで、
末来さんを探すのは困難に思われた。
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「そういえば、私……末来さんの部屋がどこか知らない」
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葉子先生に聞けばいいのかもしれないけれど、
今は学園にいそうだし……。
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その場で、うーんと考えを巡らせていると――。
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「鼎、どうしたの?」
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「ひわっ!?」
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突然、首筋を突かれて、変な声が出てしまう。
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「み、末来さんっ……いきなり首筋つつくのやめてくださいっ」
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「変な声出てた」
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「ううぅっ」
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探していたけれど……気配も無く、突然現れるから困る。
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とりあえず、呼吸を整えてから、末来さんに顔を上げた。
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「末来さんに相談したいことがあるんですけど……」
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周囲を見渡すとまだ学生の姿が多く目立つ。
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「場所を変えた方が良さそうだね。おいで」
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そう言った末来さんが近くの階段を上っていく。
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寮の三階にまで上がり、しばらく進むと他の学生の姿が無くなる。
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「ここなら立ち話をしても、聞き耳は立てられない」
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手すりから階下を見下ろせば、まだロビーは喧噪に包まれていた。
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この辺りの学生はもう登校してしまったのだろうか?
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いずれにしても、末来さんはもうすぐ登校しないといけないし、
手短に済ませよう。
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「それで……相談なんですけど、学園長から巫女候補を諦める
(BROKEN:8_20)
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「あとお母さんの勾玉が危険だって」
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「やっぱり学園長はそう動いたんだね」
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「聞き流しておいていいよ。鼎は今まで通りに巫女を目指すんだ」
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末来さんが学園長の指示を微笑みながら切り捨てていた。
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それがあまりにもあっさりとしていたので戸惑ってしまう。
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「え、えっと……」
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「ただ選抜の方(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「どちらに転ぶにしても鼎は今のままでいい。
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「それで巫女になれるんでしょうか?」
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「学園や松籟会の望む巫女にはなれないかもしれないね。
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末来さんやお母さんの望む巫女……?
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でも、巫女を選ぶのは学園と松籟会じゃ?
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「勾玉も同じだよ。それは鼎と鼎のお母さんのものだ。
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「……分かりました」
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どこか力強く感じた末来さんの言葉に頷く。
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「そろそろボクは行かないと。鼎はちゃんと部屋に戻るんだよ」
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「はい、ありがとうございました」
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そして末来さんは微笑みを残して、廊下を歩いて行ってしまう。
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その背中をしばらく目で追った後、勾玉を手に取る。
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「……手放したらいけない、か。その通りだよね」
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これはお母さんが残してくれたお守りだし、
何度も私を助けてくれた。
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詳しい理由も分からないまま、
簡単に手放すことなんて出来ない。
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「よし……」
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私は決意をあらたにすると、部屋へ足先を向ける。
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自室に戻れば、山のような課題が待っているし、
まずはそれと格闘することからスタートだ。
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seisai_no_resonance/sce06_03_04_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)