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seisai_no_resonance:sce06_03_00_0
翌朝になって、登校時間よりも早く学園長に呼び出された。
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謹慎中、外を出歩いたことに対して、お咎めが……
といった様子ではない。
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私の勘が正しければ、末来さんと祠で話していたこと、
奈岐から聞いた勾玉のことに関係した話だろう。
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「高遠さん、朝早くに申し訳ありませんが、あなたに緊急で
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「緊急……ですか?」
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実に不穏な言葉。
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自身の机の前に立った学園長が話を続けていく。
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「結論から申し上げると、高遠さんには巫女候補の座から
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「巫女候補の座からって……それ、巫女になれないってことじゃ」
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「理由はあります。ただし、この事は内密にして下さい」
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学園長が声を低くして、どこか私を脅すように言う。
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「理由を知った上で内密にするかどうか判断します」
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「そのような子供の理屈に付き合っている状況ではないのです。
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「高遠さん、約束して頂けますか?」
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「…………」
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強気に出てみたものの、見事に一蹴されてしまった。
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「何を言われても、巫女のこと、諦められないですよ」
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「……あなたのその考えが島に災いをもたらすとしてもですか?」
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「災い……?(BROKEN:8_20)
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私の質問を受けた学園長の眉が僅かに動く。
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「どこでそのことを?」
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「鬼の付く人達です」
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少し戯けてみせるが、学園長は重いため息をついた。
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「はぁ……ある程度は知っているということですね」
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「勾玉の力が危ない、ということぐらいまでは」
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「ええ、その力は大変危険なものです。その力の影響で、
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学園長の話に今度は私が眉をしかめる番だった。
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封印の儀を早めて、巫女の選出を急ぐ……?
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「それって……どういうことですか?」
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「巫女を選出するのは、本来は夏の祭りの前ですが、
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「巫女に関しては、現時点で力のある者から選び、
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「……そうしないと、儀式を行えないからですか?」
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「ええ、祓うべき穢れに敗北してしまうことでしょう」
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期間が短いからこそ、力の及ばない巫女もいる。
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祭りの日に現れる穢れに敗北してしまえば、
巫女の命はそこまでだろう。
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「高遠さん、出来れば勾玉を学園に預けて欲しいところですが、
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「お母さんのお守りですし……」
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「そこまでは強要しません。ですが、勾玉を所持していることが
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「……力を使うこと以外で、ですか?」
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「ええ、この事態に気付き次第、動く者もいることでしょう」
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「…………」
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頭の中で嫌な単語が過ぎっていく。
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松籟会――手段を選ばない人達。
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勾玉のことが知られれば、私をまた狙う可能性がある。
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「彼らの動きがただならぬ場合、学園側であなたを保護します。
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「それ、勾玉を渡さないといけないって意味ですか?」
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「儀式が終わるまで、そうして頂く必要があるかもしれません。
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学園長はそう言い終えた後、椅子に腰を下ろす。
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「話は以上です。くれぐれも周囲の動向には気を付けて下さい。
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「保護してくれるんですか?」
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「ええ、学生を守ることが学園の役目ですから」
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この言葉、どこまで信用出来るのだろうか?
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奈岐がこの場にいれば、学園長の真意が分かるかもしれないけど、それは無い物ねだりだ。
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だから、今は学園長に頷き、一礼の後に部屋を出ることにした。
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seisai_no_resonance/sce06_03_00_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)