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seisai_no_resonance:sce05_04_13_4
消灯からどれだけ時間が経っただろうか?
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私は部屋を抜け出し、人気の無い廊下を歩んでいた。
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手にはお母さんの勾玉をしっかりと握り締めたまま。
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「私……何してるんだろ」
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鬼子、穢れ、巫女、松籟会、御花会、星霊石――見鬼。
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頭の中で回り続ける言葉の数々が気分を憂鬱にさせる。
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この島に来てから、何度も嫌な思いや怖い思いもしたけど、
今回のは特別で、また違うものだ。
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何よりも怯える自分が嫌だった。
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考えを読まれるのは怖いことだと思う。
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でも、鬼子として生まれた子だって……
知りたくて知っているわけじゃないかもしれない。
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きっと知りたくもない声を押しつけられることも多いだろう。
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冷静になれば分かることなのに、まず私は恐怖してしまった。
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見鬼のことを知った後、奈岐と一度も話してもいないのに、
確かめる前から、友達を怖がるなんて……。
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「…………」
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息を漏らし、廊下の壁にもたれかかる。
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奈岐に会わないといけない――そう思っているのに、
足が止まってしまった。
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私、ホントに何をしてるんだろう?
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繰り返し、自身に問いかけて答えを求める。
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seisai_no_resonance/sce05_04_13_4.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)