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seisai_no_resonance:sce05_04_01_0
日替わりの定食を頼んだ後、テーブルまで運んで大あくび。
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ずっと寝てたみたいだけど、まだ眠い……。
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ご飯に箸を伸ばそうとしたところで、また大あくび。
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「やっほー!(BROKEN:8_20)
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「あ、八弥子さん、こんにちは」
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向かいに座った八弥子さんが昼食をテーブルに、
お馴染みの猫用の小皿を椅子に並べる。
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すると、早速ガジが今日の魚に齧り付き始めていた。
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「昨日の模擬戦の疲れが抜けない感じ?」
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「あはは、そんなところですね」
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返事をした後、うーんと伸びをして少しでも目を覚ます。
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「そそ、昨日の夜ね、森で何かあったみたいだけど、
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「昨日の夜……森ですか?」
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私と奈岐も森にいたけど、何かあったって……?
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「島の北の方でね、白い<RB='もや'>靄<RB>があがってたのを見た子が
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白い靄……それって、もしかして……。
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「それ、夜の九時頃なら、犯人は私達かも、です」
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「んー、夜の九時頃だけど……カナカナ達って?」
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「ええとですね……順を追って話します」
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夜、食堂での一件の後、奈岐と一緒に森に出たこと。
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それから、巫女の力を使って派手にやらかしてしまったこと。
大雑把ではあるけれど、八弥子さんには伝えておく。
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「そういうことかぁ……ナギっち、やっぱり氷だったんだね。
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八弥子さんが珍しく苦笑してしまっている。
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「事故は起こしましたけど……八弥子さん大正解だったので、
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「えっ?(BROKEN:8_20)
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驚いた八弥子さんがテーブルに身を乗り出してくる。
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「ふふんっ、見事――お友達です!」
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笑顔とセットで、ぐっと親指を立てておく。
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「カナカナ、すごいすごいっ!(BROKEN:8_20)
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「うーん、派手にやらかした事故の御陰かもしれないですね」
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「というと?」
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「奈岐は自分の責任だって、気にしてたみたいで……
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「ほら、模擬戦は出ないかもですけど、せっかくのペアですし」
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大きな目をぱちくりとさせた後、八弥子さんがクスッと微笑む。
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「ふふっ、カナカナはいい子だねー。末来っちが頭撫でてるのも
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どこか安心したように八弥子さんが椅子に大きくもたれかかる。
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「はぁー、ようやくナギっちも初めて友達が出来たかー」
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「初めて……?(BROKEN:8_20)
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「うん。何回も友達じゃないって言われてるよ」
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あっさりと言った後、八弥子さんが長い息を吐き出す。
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「カナカナが羨ましいなぁ。ナギっち、もふもふし放題だねー」
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「あはは……」
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友達じゃないって言われるのは、髪をもふもふするからじゃ……
と思ったけど、今は言わないでおこう。
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「あ、そうだ。カスミから御花会のことでカナカナに伝えるように
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「それ、聞きたくないって言えば、
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「うん。だって、つまんないことだし」
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と、一言で切り捨てられる御花会の伝言。
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「でも聞いておかないと、後が怖いので。お願いします」
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「はいはい。んーとね、次の模擬戦を一週間後に延ばして、
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「一対での訓練って……どうしてまた?」
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「昨日さ、カスミ達ってヤヤとマコに負けたじゃん。
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「…………」
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遠山先輩と由布って……昨日、負けたんだ。
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模擬戦を途中で抜けたから、全く知らなかった。
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「まだ一対としての力を上手く使えてないんじゃないかって。
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「あはは……ますます奈岐が遠ざかりそうな話ですね」
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「だねー」
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二人してどうしようもないとため息を吐き出した後、
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「って、カナカナ!(BROKEN:8_20)
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今になって、八弥子さんがハッと気付いて立ち上がる。
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「ふふんっ、お友達特権ですよー」
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「じゃあじゃあ、ナギっちからも呼び捨て!?」
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「ですです」
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驚く八弥子さんを見てると、つい得意げな顔になってしまう。
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「カナカナ……お、おそるべしっ……!」
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「カナカナ、こうなったら――知ってること、
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八弥子さんが椅子で食事中だったガジをネコ掴みして、
そのまま私に迫ってくる。
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「な、なな、何を……?」
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「ナギっちがどんな風に懐いているのか!
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「ニャー……」
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食事中だったのに、と嘆かわしい鳴き声がガジから聞こえた。
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「そんな大げさなことじゃないですよ」
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「ただ慣れてないのか、しどろもどろになって慌ててる奈岐が
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思い出すだけで少し頬が緩んでしまいそうなぐらい。
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「そんなナギっち、誰も見たことないよー……
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八弥子さんはガジを抱いたまま、羨ましいと繰り返す。
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それから、どこか……とても優しげに八弥子さんが微笑む。
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「ね、カナ。ナギっちがね、誰かと一緒にいようなんて思ったの、
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今まで奈岐を見てきた八弥子さんの言葉に、
背中を押された気持ちになる。
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八弥子さんなりに、奈岐のことをずっと気にかけてきたんだろう。
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だから、今は力強く頷く。
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「もちろんですよ」
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と、私の返事を聞いた後、八弥子さんはいつも笑顔でテーブルに、
身を乗り出してきた。
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「それから!(BROKEN:8_20)
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「あはは……それは奈岐と相談して下さい」
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今日の放課後、奈岐と会うのが待ち遠しくなってくる。
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そんな気持ちにされてくれた昼休みだった――。
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seisai_no_resonance/sce05_04_01_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)