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seisai_no_resonance:sce04_05_15_1
「グォォォォォォォォ!」
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最後の1体に止めを刺し、穢れの身体が星屑のように
細かな光となりながら砕けていく……。
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「……なんとか、やったな……」
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「そうだね……」
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穢れが完全に散ると、さっきまでの森の雰囲気が、いつもの新鮮な
空気を生み出す清んだ空間へと変わった気がした……。
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「この辺りにはもういないな……」
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「そうだね……とりあえず、学園へ戻ろう」
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「ああ……」
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学園長室へ戻ってくると、すでに全員揃っていた。
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「おかえり、鼎……大丈夫だった?」
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「え、えっと、はい、大丈夫です」
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「そう、よかった……」
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「今回、現れた穢れは報告によれば、10数体……先ほどの捜索で
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「どうする?(BROKEN:8_20)
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「それですが……生徒には一切を知らせずにことを進めるように、
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「………………」
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「危なくないですか?」
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「危なくない……とは言い難いですが、理事長も考えあってのこと
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「それで、午後はどうする?」
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「そうですね……いくらか担当を決めて警戒を…………」
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「では戦闘を行った人は午後は休息も兼ねて待(BROKEN:8_20)
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「そうですね、では、高遠さん、中村さん、禰津さん、向山さんは
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「私は用があるので、立ち去らせていただこう。
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そう言って、向山先輩は部屋を出て行く。
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「もう、ナギっちは仕方ないなぁ、ヤヤもナギっちに
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八弥子さんは向山先輩を追いかけて出て行く。
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「では、私たちも捜索に向かいましょう……由布、行くわよ」
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「はいっ、姉様」
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結局、部屋には私と真琴、末来さんと学園長の4人だけとなり、
妙な沈黙の中、時間を過ごすことになった。
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末来さんは時折、遠くを見つめ、どこか寂しそうな表情を
浮かべていた……。
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一方、真琴は私の傍で気難しい表情をしていた。
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学園長は自身の机側の豪華な椅子に座っていたが、おもむろに
立ち上がり、ソフ(BROKEN:8_20)
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それを見ていた真琴が彼女に対して言葉を投げかける。
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「学園側としては今後、こういった自体に対して、私たちだけで
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「現状ではまだなんとも言えません、ただ、アナタたちだけに
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「あなた達も戦う……と?」
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「状況によれば……」
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「戦う?(BROKEN:8_20)
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「……ええ、高遠さん、私たち、一部の教師は元巫女候補として、
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「まず、第一にこれ以上の穢れの出現……巫女候補生の保護、祭事
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「奴らはどう動く……」
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「松籟会のことですか、それとも……」
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「どちらも……だ」
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「あなたは、もし、家の命令に従えない状況になったとき、
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「そんなことは起こりえない……今は…………」
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「……いいでしょう、ですが、後悔だけはしないようにしなさい。
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「………………」
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そうして、またしばらく沈黙が続く。
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談笑や世間話をするような雰囲気でもなく、妙な沈黙が辛い。
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と、その時、ゾワリとする感覚……どこかから、波のような衝撃が
伝わってくる感じがする。
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これは……。
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「神住が穢れを見つけたみたいだ……」
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「巫女の力を持つモノは遠くても、その力が使われると感覚として
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そういいながら、ポンと私の頭に手を置いて、私の頭を撫でる。
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「鼎も真琴も、とても暖かい……感じがする。こないだ、
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「うっ、えっと……」
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「あの時は問題ないと思っていて……」
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「いいんだよ、別に悪いことじゃない……あの時は穢れが出る
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「ただ、頻繁に巫女の力が使われる……今日のようなことがあると
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「中村さんもそうでしたね……」
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「………………」
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「………………」
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「巫女の力に目覚めるのが早い人はある程度、特殊な環境化にいる
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「なので、島の北側には普通の島民は入れないように取り締まって
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「あなたの場合は、強制的に連れてこられた……でしたね」
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「………………」
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「しかし、それでも覚醒するためには資質が無いと……」
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「確かに、それはそうですね、あなたには力があった……しかし、
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「それに、あの時……ヘタをするとあなたは暴走しかねない
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「だから、なんだというのだ……」
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「いいえ……それも過ぎたること、あなたは良い方向に歩むを
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「………………」
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「その……巫女の力が暴走したら、どうなるんですか?」
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「肉体が弱い子供時代に覚醒すると、力の負荷に耐えられなくなり
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「ある程度の年齢に達していると、そこまでの負荷はなく、
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「あなたも初めて装束を纏った後、とても疲れたでしょう?」
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「あ、確かに……」
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「年齢による負荷は幼い時もそうですが、歳を追った時に
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「巫女とはあなた達のような若者の間だけ使える特別な力……
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「でも、学園長も巫女の力を使えるんですよね……
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「ええ、使えます……ただし、あなた達のように、
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「それだけ、大きな力を扱っている、ということです」
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「まぁ、世の中には例外と言える人が数人いますけれど……」
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「例外……ですか?」
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「ええ、そうです。巫女達の力には血筋というものが大事なのは
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「はい」
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「はじまりの巫女の系譜を持つ一族にはその血が強く出ることが
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「それが諏訪か……あなたも諏訪系の家系だったな……」
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「そもそも……元来巫女の家は遠山、諏訪の二家であり、
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「家に縛られるなと言いたいのか?(BROKEN:8_20)
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「確かにそうかもしれませんが……」
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「学園長も真琴もそのあたりにしておこう」
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「そうですわね……」
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「………………」
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真琴はまだ何かを言いたげな感じはしたけれど、黙ってしまう。
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再び、部屋の中には妙な沈黙が続く……。
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夕方頃になり、疲れた表情の由布たちが学園長室に戻ってくる。
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「おかえり、ご苦労さま……」
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「どうでしたか?」
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「とりあえず……見つけた穢れは全て祓いましたわ」
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「ですが、なんとなく嫌な雰囲気がありますわね……」
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「………………」
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「とりあえず、今日のところはここまでにしましょう。
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「教員たちには私の方から伝えておきますので、今日はこの辺りに
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学園長室で解散して、みんな無言で寮に向い、寮の前に来た時に、
真琴に呼び止められる。
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「……どうしたの?」
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「高遠……お前はどう思う?」
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「どう……って、今日のこと?(BROKEN:8_20)
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「今日のことも含めて……」
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「正直なところ、よくわかんない……」
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「お前はわからないけど戦う……というのか?」
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「じゃぁ、真琴はどうなの?」
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「私は何か、不穏なモノを感じている……
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「真琴は何もするなって言われてるって……」
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「そうだ」
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「でもさ、家の人が真琴のことを心配して……とかってことは
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「それは……ありえない、私は……家には逆らえない理由がある。
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「あの人?」
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「お前には関係ないことだ……お前も、気をつけろ……
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そう言って、真琴は寮の中に向かう。
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「ちょ、ちょっと待って……」
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真琴は私の制止を無視して、寮の中に姿を消す……。
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「真琴…………」
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夕食の時間に、葉子先生から寮からは外出しないようにとの説明が
あり、事情を詳しく知ならない寮生たちは不安げな表情を見せなが
らもいつもとあまり変わらない雰囲気だった。
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食後、由布は遠山先輩に会いに行き、私と恵はそれぞれ部屋に
戻って来た。
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私は部屋に戻る途中、真琴に声を掛けようか悩んでいたけれど、
なんとなく話しかけづらく、仕方なく部屋に戻って来ていた。
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部屋の中で、ボーッとしながらも、真琴のことを考えていた。
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彼女はこの間の地震があってから、神経質になっている
ような感じを受けた……。
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今回の騒動で、松籟会の人達が忙しくなっている……その中、
彼女は逆に動くことを禁じられていて、彼女自身もそれに納得
していない、だから……何か気になっているんだろう……。
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でも、私は真琴の言っていた『家には逆らえない理由がある』
の方が気になって仕方なかった……。
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そして、学園も学園の理事長も信用したらダメ……
ってどういうことなんだろう……。
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当然、私はお母さんを探すためにこの島に来たけど、
学園に入れてもらえたのも、学園長や理事長のおかげ……。
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でも、それに何かの理由がある可能性はあるけど……。
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本当に分からないことだらけだ……。
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そんな事を考えていると、部屋のドアノブが回る音がする。
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「おかえり、由布」
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「あ、うん、ただいま」
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「なんだか、ちょっと元気ない?」
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「そんな事ないよ」
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「そ、ならいいんだけど……」
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「そういう由布こそ、元気ないっぽいけど?」
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「まぁね、ほら、地震の件もそうだけどさ、穢れの件でさ、
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「松籟会全体が緊急事態って感じで、本当に大変みたい……」
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「松籟会……って、遠山先輩は関係ないんじゃないの?」
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「松籟会っていっても、色々あるって話したでしょ、遠山の家は
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「へぇ……」
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「神住姉様を遠山の当主にって話が前々からあってね、断っている
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「由布の家の人に聞いたら?(BROKEN:8_20)
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「さっき部屋に戻ってくる途中で、家に電話してみたけど、
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「そうなんだ……」
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「そ、なんだか……ホント何が起こってるんだろう……」
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「うん…………」
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私達は不安を抱えながら、今日という日を終えた……。
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seisai_no_resonance/sce04_05_15_1.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)