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seisai_no_resonance:sce04_05_04_0
寝ようと思ったけれど、なかなか寝付けれなくて、由布が寝たのを
確認して、こっそりと部屋から抜け出した。
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就寝時間はとうに過ぎており、廊下の電気は消され、夜の静けさも
あって、何か出てきそうな雰囲気があった。
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そそくさと、少し明かりのあるロビーの方に向かう。
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ロビーに着くと、勝手口側にチラリと白い影が通りすぎ、
外に出て行くのを見る。
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「!?」
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ま、まさか……幽霊……。
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見間違いだと、心の中で繰り返して言い聞かせる。
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でも、見間違いじゃなかったら……。
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と、考えるとさっきの白い影が何か気になってくる。
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よし。
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と、私はさっきの白い影の正体を突き止めるべく、勝手口の方から
外に出る。
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勝手口から寮の裏口に出ると、そこはすぐ森が広がっており、
辺りを見回しても白い影はいなかった……。
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「おかしいなぁ……」
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と、その時……。
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「誰だ……」
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「ひゃぁぁぁぁっ!!!」
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「!!!」
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「ふぁっ、あ、な、な、中村さんっ……」
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「び、ビックリしたぁ」
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「なんだ、貴様か……」
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「貴様か……じゃ、ないよ中村さんってば、それに、
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「別に、少し外の空気を吸いに来ただけだ……」
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「私はお化けか何かかと思って、様子を見に来ただけだよ……」
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「お化け?(BROKEN:8_20)
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「ちがうってば……中村さんの着物がそういう風に見えただけ」
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「私を化物と見間違えるとは……けしからんな」
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「いや、だから、穢れじゃなくて、幽霊とか……そういうの……」
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「ゆ、幽霊……失敬な……」
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「ご、ごめん……」
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「まぁ、いい……」
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「それより、中村さんはなんで表じゃなくて、勝手口から?」
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「ああ、それはな、こっち側にはベンチがあるんだ、
(BROKEN:8_20)
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そう言って、彼女は勝手口の裏の、少し開けたスペースにある
ベンチへ案内してくれる。
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「お前もこっちへ来ないか?」
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「ありがと、よいしょっと」
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「お前は年寄りか……」
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「ちがうもんっ……確かにちょっと……思うと恥ずかしいけど、
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「なるほどな……」
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「ここも中村さんのとっておきの場所なの?」
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「そんなことはないが、普段ここの生徒が裏口を利用する(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「たまに眠れない時とか、ここに座って空を見上げるのが、
(BROKEN:8_20)
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彼女はそう言って、空を見上げる。
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私も彼女の視線を追うように空を見上げる。
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寮と森の間に広がる綺麗な夜空に浮かぶ星々の煌きに
吸い込まれそうな錯覚を覚える。
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「なんだか、星を見てるとドキドキするよね……」
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「そう言われると、分からなくはないな……しかし、興奮すると
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「興奮とは少し違う高揚感というか……なんとなく……気持ちは
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「なんだか、よく分からないな……」
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「そう……かな?」
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「ああ……」
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その後、しばらく二人無言で空を見上げて過ごした……。
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「さて、そろそろ戻らないと朝が辛いぞ……」
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「あ、そうだね」
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「お前は、本当に変わった奴だな……」
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「そんな事ないってば……」
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「まぁいい……ではな……」
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そう言って、中村さんは足早に去っていく。
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私はもう一度空を見上げ、遠くの方が少し白けてきているのを見て
慌てて部屋に戻った……。
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seisai_no_resonance/sce04_05_04_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)