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seisai_no_resonance:sce04_05_02_3
夕食の時間となり、恵が迎えに来てくれて、由布と一緒に食堂へ
向かうために廊下を歩いていた。
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「ねぇ、カナちゃん、さっき噂で聞いたんだけどね……」
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由布をチラリと見ると、ほら来た……と、言わんばかりの顔を
している。
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とりあえず、恵の話を聞かないといけないけど……。
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なんとなく予想出来る……。
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「もしかして、本当なの?」
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「本当?(BROKEN:8_20)
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「えっと、中村さんと食堂で喧嘩したって……」
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どうやったら、そういう話になるのだろう、とっても疑問だった。
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「そんな事、してないよ、一緒にお昼食べてただけだし……」
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「………………ぇ?」
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「鼎、これは当然の反応だと思うのだけど……」
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「えっと、何があったの?」
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「と、特に何もないんだけど……って、噂ってどんな風に
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「えっと、あたしが聞いたのは、お昼というには遅い時間に二人が
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「八弥子先輩が来たから事なきを得た……みたいな、
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「それに中村さんは御花会と言っても、あこがれというより、
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「どうしてそうなるんだろ……結構楽しかったけどな……」
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そして、再び恵は『ありえない』事を聞いたように固まる。
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「えーっと、恵さん?」
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「だから、これが普通の反応だってば……」
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中村さん……あなたは一体、いままで何をしてきてるんですかぁ。
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と、叫びたくなる気持ちをグっとこらえて、とりあえず苦笑い。
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「ほら、恵、いつまで固まってるの、さっさと食堂に行くわよ」
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「…………えっ、あ、うん……」
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なんだか、波乱の予感がするなぁ、と思いながら由布達と共に
食堂へ向かった。
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私が食堂に現れると妙なザワつきが起こる、予想はしていたけど、
人の視線が沢山集まるのは苦手だ……。
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由布は普段と変わらない感じで、さっさとしなさいよ、
といいたげな顔で私を席につかせる。
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妙な空気の流れに包まれた食事も終わり、みなそれぞれに
自由な時間を過ごし出す。
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中村さんはいつもどおり、周りを威圧しながら、静かに去って行き
私とは会話どころか視線さえ合わさないと、いった感じだった。
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「中村さんも噂聞いたのかな?」
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「ど、どうなのかな……」
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今度は私と仲良くするのが目的みたいな事を言っていたけど……。
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気を使ったりしてくれたのかな?
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そんな事を考えていると、お茶を入れに行っていた由布が
戻ってくる。
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「どうやら、昼にここで中村さんと鼎がいたことを聞きに行った、
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「その子、大丈夫だったの?」
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「胸ぐら掴まれて、泣かされたらしいわよ。ただね、噂を広げた
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「じゃぁ、本当に中村さんと一緒に仲良くお昼ごはんを
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「だから、そういったじゃん……」
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「まぁ、あの中村真琴と仲良くしてるって、驚くわね……普通」
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「中村さん……嫌われてるの?」
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「さぁ、どうかしら、付き合い難いタイプではあるけど、中村家の
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「ただね、たぶん巫女を目指す人からすると中村家ってだけで、
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「なんで?」
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「中村家は島の漁師や農村部に権力を持ってて、どちらかというと
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「みたいな、なんかよくわからないのよ、それに昔から武闘派って
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「らしい、ってまるで他人事みたい……」
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「ま、そうね……できれば私は関わりたくない、というのが
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「………………」
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「簡単に島の中心に近いところにある家は古くからの家が多くて、
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「だから、実際どうなのかよく知らないし、関わってもいいことは
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「なんだか、可哀想……」
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「そんな同情はいらないでしょ……」
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「だって……」
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「そもそも、実際に彼女の行動はとても学園の代表として……って
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「気に入らなければ暴力を使ってでも解決する、その姿勢もあって
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「どうなったかは言わなくてもわかるわよね?」
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確かに、なんとなく結果が見えるけど……。
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「ま、そんなこんなで、あんたと仲良くお昼食べてたなんて、
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「って、思うわけ」
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「でも……」
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「ま、最後はあんたの問題だから、これ以上は言わないけど、
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「うん……」
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私は今朝の事を思い出していた……。
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叔母様から、今までと全く逆の事を告げられ、私は戸惑った。
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『高遠鼎を懐柔しなさい』
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私はその耳を疑った、当然、私の失態のせいで、叔母様は諏訪の
傀儡とならざるを得なくなったのだ……。
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当然、私に対する叔母様の視線は私の全てを憎むようにキツイもの
だった……。
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私は弁明する事も……出来る訳もなく、その言葉に従うしか無い。
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それは私が生まれて来た時から背負わされた宿命なのだから……。
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そして、私はまぶたをゆっくりとあけ、視界に広がる空の星々を
見つめた。
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浜から吹き上げてくる風が気持ちよく、昼間の暑さからは想像も
出来ないくらい涼しい……。
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今日は高遠鼎という人物に直接触れた気がした……。
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彼女はとても純粋で、とても距離感の近い人間だと思った。
そして、私は戸惑ってもいる……。
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一ヶ月前まで、殺してしまおう……と思っていたくらいの
相手に対して、今度は仲良くなれ……とても、複雑だ。
それ以上に、私はどうすれば彼女と親密になれるのだ?
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繰り返し考えていた……。
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「あれー、マコマコ、何黄昏てるの?」
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私は素早く後ろを振り向き、声の主を見る。
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禰津八弥子……。
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彼女も私の距離にヅカヅカと踏み込んでくる……正直、苦手だ。
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「そんなに睨まないでよー、とって食べたりしないよ、ねー?」
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彼女は自分の頭にしがみついているネコに向かって言う。
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「何か私に用事……でもあるんですか?」
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「特に無いけどさ、なんだか、寂しそうだったから」
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「寂しそう?(BROKEN:8_20)
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「マコマコしかいないと思うんだけど?」
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「………………」
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「前々から、思っていたのですけど、その変な呼び方は
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「え?(BROKEN:8_20)
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彼女は信じられない、という表情で驚くが、私としては彼女とは、
そんな親しくもないので、当たり前だと思う。
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「それに、今マコマコとヤヤはペアの関係なんだよ?
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「だからと言って、あなたと仲良くなる必要は無いと
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「そんな事ないよ、それにマコマコは御花会だって、
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「ナギっちクラスに出会えないレアキャラだったからねぇ、
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「それが不思議な事に今日は2度も出会えた」
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「だから……なんなのですか…………」
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「べっつにー、ただヤヤはマコマコともう少し仲良くなりたい、
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「私はそんな気はない……」
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「ヤヤと仲良くすれば、カナカナと仲良くする方(BROKEN:8_20)
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「!?」
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seisai_no_resonance/sce04_05_02_3.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)