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seisai_no_resonance:sce04_04_06_1
翌日の放課後、御花会の活動ということで、
近くの森に呼び出される。
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いつもの顔ぶれの中に向山先輩の姿は無い。
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昨晩、話を聞いた通り、御花会の活動はサボり続けるらしい。
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「カナカナ、一人で二人を相手するなんて無茶だからね?」
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全員が揃ったところで、八弥子さんが私に耳打ちしてくれる。
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荒魂に幸魂だっけ……?
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確かに無茶かもしれないけど、でも「はい、そうですか」で
引き下がるように育てられた覚えは無い。
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「大丈夫だよ、私も強いから」
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八弥子さん相手に強がるように微笑んでおいた。
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全員が揃ったことを確認した末来先輩が遠山先輩に頷く。
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すると、少し緊張した面持ちで遠山先輩が私達の前に出る。
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「さて、向山先輩以外は揃いましたね。
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「模擬戦では穢れとの戦闘を想定し、一対の巫女同士で、
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「先日、学園長から指示があったペアに分かれ、どちらかが直接
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向山先輩から聞いた通り、一対になって戦う場合、戦闘を行う巫女と、それを補助する巫女に分かれるみたい。
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人、一人の魂では使いこなせない力――それが巫女の力。
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向山先輩はそう言っていたけれど、今の私は……。
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「戦闘に関しては存分に力を発揮して下さい。穢れとの戦いが、
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遠山先輩が一通り模擬戦について語り終えた後、
付け加えるかのように言葉を続けた。
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「……この模擬戦ですが、勝ちを重ねたからといって、
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「模擬戦を通して、巫女としての適正、戦い方、強さなど、
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続けての解説はまたしても向山先輩から聞いた通りだった。
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松籟会っていう人達が必ず間に挟まってくる。
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向山先輩の言葉を借りるなら、杓子定規な考えを伴った上で。
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「――私からの話は以上です。片倉先輩、何か付け加えることは
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「模擬戦はペアでなくても参加することは出来る。
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末来さんが伏せていた視線を私に向ける。
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「一対となり、心を通わせた巫女の力はとても強力――
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まだ、まともに力を使いこなせていない私にとって、
それは無茶もいいところ……無謀すぎることかもしれない。
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「みんな、審判はボクが務める。試合中断の合図には従って。
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遠山先輩が頷き、各々も末来さんの言葉に頷いてみせた。
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「うん、それじゃあ……初戦の相手だよ、神住」
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末来さんがポケットから取り出した紙を遠山先輩に渡す。
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「…………」
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対戦相手が書かれているメモを見た遠山先輩の顔付きが
途端に険しいものへと変わる。
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小さく息を吸った後、遠山先輩が伏せていた目を開いた。
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「本日の初戦は、私・由布ペアと
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「……鼎と!?」
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驚きを顕わにした由布が声を上げる。
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そのまま驚いた表情で私へ視線を向けてきた。
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棄権しろ、と視線で訴えかけられているようだ。
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そんなこと言われても、ね――。
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「うんっ!(BROKEN:8_20)
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景気づけに平手を拳でパシッと打ってみた。
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「ちょっ、正気!?」
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「カナカナ!?」
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勾玉を片手に取り、拳を作った私に皆の注目が集まる。
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「か、カナちゃんっ……一人で参加するだなんて……」
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「無謀というより、恥知らずというべきでしょうか」
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「…………」
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「巫女の魂は一対のもの――分かっているね、鼎?」
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「それはもちろん。たった今説明を受けたばかりですから」
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私の答えを聞いた末来さんは感情の読めない表情で目を伏せる。
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「今ならまだ棄権を認めます。ですが、模擬戦を始めれば、
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「むしろ手加減なんてされたら困ります」
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「私、一人で勝っちゃいますよ?」
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ピクッと遠山先輩の眉が跳ね上がった。
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「その言葉、覚えておきなさい。由布、準備を――。
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由布と遠山先輩を残して、みんなが距離を置いていく。
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さて、強気なことを言ったのはいいけれど……どうするかな?
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「由布、今はまだ初戦です。幸魂で援護しつつ、
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「か、神住姉様……でも、相手は……!」
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「あそこまで言った高遠さんが、戦いの舞台に上がった以上、
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「っ…………」
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押し黙った由布が髪飾りにそっと手を触れる。
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アレが私の持っている勾玉と同じ、星霊石と呼ばれるもの……。
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でも、形状は勾玉と違うし、それに何だろう……?
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ざらりとした違和感が(BROKEN:8_20)
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とにかく、それよりも――今はやるだけだ。
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「お母さん見てて……私は絶対諦めないよ」
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「だって、私はあなたのような頑固者の娘なんだから……」
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「お願い――力を貸して」
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手の中の勾玉が熱を放ち始める。
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火の粉が舞い、勾玉がゆっくりと手から離れて浮かぶ。
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肌を焼くような痛み――感じる熱という熱。
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「――燃えろッ」
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火の粉が吹き飛び、火炎へ変わる。
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草木を焼く匂いと共に、私を中心に炎がとぐろを巻いていく。
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これは私の炎。
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内に秘めた力、私の魂をあらわした紅(BROKEN:8_20)
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そして、きっとお母さんと同じ揺るがぬ心の火――。
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「これが私の魂を示す力……」
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「これが私の炎だ――ッ!!」
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手を掲げ、勾玉から溢れ出す火炎を操っていく。
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引き上げられた炎は形を作り、私を包む力となる。
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それは織戸伏で巫女と呼ばれる者の力――魂の力!
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「高遠――鼎、か」
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「お前は結果が見えた勝負に何を求める?」
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火の粉を散らす衣服を払い、現れた剣を構える。
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勾玉の炎は私の力になり、道を切り開く巫女の力となった。
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剣の切っ先をひるがえし、相手となる遠山先輩に向ける。
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そして、全ての炎を剣に集中――。
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「本気で行くよっ……!!」
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seisai_no_resonance/sce04_04_06_1.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)