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seisai_no_resonance:sce04_04_04_0
既に夕食の時間が終わったのか、
静まりかえってる廊下を歩く。
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私の先を行くのは、尻尾を垂直に立たせたガジ。
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「ニャーン」
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辿り着いた扉の前で一際高い声で鳴いてみせる。
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程なくして、中から見慣れた顔が現れた。
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「ガジー、おっかえりー!(BROKEN:8_20)
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何とも分かりやすいパジャマ姿の八弥子さんが手を振る。
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「遅くなりました……八弥子さん、もうお休み前でしたか?」
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「ううん、ゴロゴロしてただけ。平気だよ」
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ガジを抱きかかえ、そして定位置――頭の上にセット。
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どう見ても囓られている気がするけど、触れないでおこう。
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「カナカナはナギっちに会えたのかな?」
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「一応は……ただ進展があったというよりは、
(BROKEN:8_20)
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「後退?(BROKEN:8_20)
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「えーと、そんなところですね……」
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大きな目をぱちくりとさせた八弥子さんに言葉を続ける。
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「やっぱり、向山先輩はペアに選ばれても、
(BROKEN:8_20)
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「そっかー、ナギっちはそう言うと思ってたけど……
(BROKEN:8_20)
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「あはは……ショックはショックですけど、
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やるだけやってみせて、それでもダメだったら、
その時は……。
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ううん、そうなったとしてもまだ他に方(BROKEN:8_20)
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でないと、私がこの島に来た意味が無くなる。
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「とにかく今出来ることをやってみせます」
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「おっ、カナカナ前向き!(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「い、一日中って……」
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学園に通う子達にとって、
巫女に選ばれることは子供の頃からの夢。
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始まった途端に、それを棄権することになるなんて、
きっと思ってもいなかっただろう。
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「ね、カナカナはどうして巫女になろうとしてるの?
(BROKEN:8_20)
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「それは……」
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そういえば、お母さんをことを話したものの、
末来さんから言われたことを誰にも話していない。
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お母さんがこの島にいること、巫女となって真実を見極め、
お母さんと再会すること――。
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良い(BROKEN:8_20)
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「消灯前、廊下で立ち話をしてる悪い子は誰ですか~?」
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ひょこっと音も無く、葉子先生が曲がり角から姿を見せた。
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「――――!!」
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突然、八弥子さんが全身の毛を逆立たせたかのように震える。
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「は、話はまた今度っ!(BROKEN:8_20)
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バタンッと勢いよく目の前の扉が閉まってしまう。
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「あれ?(BROKEN:8_20)
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軽快なステップを踏みつつ、先生が私のところまでやってくる。
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「ヤヤちゃんがいたような~?」
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既に閉じられたドアに向かって二回言っている。
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「こ、こんばんは……」
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「は~い、こんばんは。
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「それは……その……」
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八弥子さんと話していた――
と正直に言ってしまうのは危険な気がした。
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「散歩から帰って、自分の部屋ってどこだったかなーって」
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く、苦しい。
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「う~ん、そうですね。高遠さんはまだ寮に入って間も無いし、
(BROKEN:8_20)
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通じた……?
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「じゃあ、先生がお部屋まで案内してあげま~す」
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「あ……ありがとうございます」
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お辞儀をした私を見て、先生は踵を返してから――。
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「ヤヤちゃんも早くお休みするように♪」
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「――――!!」
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八弥子さんの驚く様子が壁一枚隔てた向こうから伝わってくる。
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「高遠さん、行きますよ~♪」
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そんな反応に満足したのか、上(BROKEN:8_20)
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「…………」
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この先生……やっぱり色々と油断出来ない気がする。
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部屋の前まで先生に連行……誘導されてくる。
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「それじゃあ、高遠さんもおやすみなさ~い♪」
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話を聞いたところ、葉子先生は寮の詰め所で生活しているらしい。
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どうりで夜だというのに、寮内で出会ってしまうわけ……。
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「おやすみ、なさいっ……」
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ニコニコと笑顔を浮かべている――終始笑顔の先生にお辞儀をしてから私は逃げるように部屋に戻った。
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seisai_no_resonance/sce04_04_04_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)