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seisai_no_resonance:sce04_01_08_0
――彼女はまるで嵐のようだ。
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私はそう考えていた。
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長い学園生活で、彼女ほど、天真爛漫で聡明で才能に満ち溢れ……
そういった輝きで彩られた存在を私は知らない。
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島、巫女……そして家という呪いがなければ、彼女は幸せな人生を
送れただろう。望むものを何でも手に入れられるだけの様々なモノ
を彼女は持っていた。
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ただ、松籟会も学園も誰もが、あんなことを成すとは
思ってもいなかった……。
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しかも、その時には彼女はすでに島から出て行ってしまった後で、
あの日は大変ではありましたが、心に引っかかっていた何かが
ポロリと落ちたような気持ちでもあった……。
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私は机の中にいつもいれているアルバムを開きながら、
当時の彼女達の笑顔を見ていた。
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私はいつまで、このような事を繰り返すのでしょう……。
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本心とは裏腹の島の事情……。
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沢山の教え子を送り出してしまった……。
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後悔の念は消える事はない……ですが…………。
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そのような事を考えていると、事務から連絡が入る。
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「はい、なんですか?」
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「学園長、巫女候補の高遠さんがお会いしたいと言っていますが、
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高遠――彼女の娘。
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色々な思惑が動き、彼女が巻き込まれて行く……。
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「どうしたのですか?」
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「何か、聞かなければならない事があるそうなのですが?」
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何を聞く……。
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「…………いいでしょう、お呼びなさい」
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「はい、わかりました」
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昼休みの間に事務室から学園長に会えるか聞いたら、
すぐに来るようにって言われ、廊下を進む。
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なんだかドキドキするなぁ。
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先日、巫女候補のペアの組合せの報告を受けた時以来の訪問。
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末来さんは時折、学園長のところに行っているみたいだけど、
話によると親戚だとか……なんとか……。
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学園長とプレートの掲げられた部屋の前に立つ、
どっしりと重そうな扉を(BROKEN:8_20)
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「すいません、高遠です」
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ドアが向こうから開かれ、いつもキリッとした雰囲気の学園長が
自ら姿を現す。
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「お入りなさい」
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「はい……」
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「どうしたのですか、高遠鼎さん」
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学園長は私の名前を確かめるように、そう言った。
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「実は…………」
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「はぁ……なんですか、そんな事の為にわざわざ会って欲しいと
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「そ、そんな事って、とても重要な事だと思うんですけど」
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「編入時の書類には記載していないので、口頭で伝えたと思います
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「まったく、あなたという人は……」
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「す、すいません……あはは」
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「では、再度伝えます……」
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「理事長があなたの学費をすべて免除するので心配しなくても
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「はい、わかりました……」
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「もし……何か他にも困ったことがあれば、相談しなさい。
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「学園長さん……わかりましたっ、本当にありがとうざます!」
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「あまり、無茶なことはしないように……」
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「はい、すいません、お騒がせしました、失礼します」
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学園長は優しい笑顔で私を部屋から送りだした。
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いつも厳しい凛とした表情をしているイメージとはまた違う、
とても親近感の沸く笑顔が印象的だった。
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「っと……よかった」
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学園長室から出てくると、心配そうな顔をしている由布と恵が
私の事を待っていた。
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「どうだったの?」
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「それがね、どうも私がちゃんと聞いてなかったみたいなんだけど
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「ほんと!?(BROKEN:8_20)
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「た、たぶん、そうなのかな……まぁ、なんとか学費に関しての
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「普段の生活のところも、寮からでなければなんとかなる……
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「ああっ!?(BROKEN:8_20)
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「とりあえず、また時間のあるときに港まで連れてってあげるわよ
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「紛失届けとか、色々面倒かもしれないけど……仕方ないわね」
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「だよね……」
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「ひと月も経つのにあんたってば……」
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「あはは、ごめん……」
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「私が貸してるのも忘れないでね」
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「それはちゃんと覚えてるよ、それに使うところもなくて、
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「えらいわね、ポチ」
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「わんわんっ……って、何させるんだよっ」
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「ふふふっ、まるで夫婦漫才みたい……」
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「誰が、こんなのとっ」
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「こんなのって、なによっ」
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「何かあれば、パタパタと忘れて突っ走っていくんだから、
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「反論しようと思ったけど、そこは……確かにと思ってしまう自分
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「そろそろお昼休みも終わるから、教室戻ろ?」
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「あ、もうそんな時間……」
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「あー、私、ご飯食べてないっ」
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「もう……あんたってば……」
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seisai_no_resonance/sce04_01_08_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)