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seisai_no_resonance:sce04_01_07_0
「…………」
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ふと目が覚め、時計を見る。
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時計は午前三時を指し、部屋には由布の小さい寝息が
微かに聞こえる程度。
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暗い中の静寂は不安にも似た感覚を呼び覚まし、
再び寝るには難しい覚醒感を起こす。
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ベッドから出て、カーテンをめくり外を覗き込むが、
辺りは本当に深淵とでもいうように真っ暗で、
夜空に浮かぶ星々が綺麗な光を放ち輝いていた。
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これまた、妙な高揚感に包まれて、眠れない気がしたが、部屋の中
をウロウロしたり、ベッドで暴れて由布を起こしてしまうと悪いと
思い、こっそりと部屋を出て、寮内を散歩する事に決める。
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「起こさないようにしないと……」
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ふと、部屋を出ようと思って、由布の寝るベッドの側を
通りかかった時に由布がぐっすりと眠っているか確認しようと
思い立ち、チラリと確認する。
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「すー……すー…………」
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とっても気持ちよさそうに眠っている由布は可愛くて、
つい、ほっぺたをツンツンとつつきたくなったが、
起こしてはいけないと思い諦める。
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「フフッ、寝顔もーらいっ」
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若干、自分でも何を言ってるんだとツッコミを入れたくなりつつも
部屋をこっそりと抜け出す。
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廊下に出ると、当然、消灯時間を過ぎているので、
廊下も非常灯しか付いていない。
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幸いにも部屋も暗かったので、闇に目が慣れている状態なので、
薄らと見えるので、普通に歩く分には問題はなさそうだった。
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しんと静まりかえっているのも当たり前ではあるけれど、
普段から比べると静か過ぎて少し怖いような気もした。
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とりあえず、食堂にでも行って、お茶を飲んで落ち着いてから
寝ようと思い、ロビーに向かって移動する。
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ロビーに着くと廊下よりは遥かに明るい、当直の先生もこの時間は
流石に寝ている様子で、とても静かだった。
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「ま、当然みんな寝ているもんね……」
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そんな事をつぶやきながら、食堂の方に移動しようとすると、
食堂の方から灯りが漏れている事に気がつく。
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誰かいるのだろうか?
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そんな事を考えながら、食堂に向かう。
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食堂はいつもどおり電気がつけられ、明るい状態であったけれど、
人の気配はなかった……。
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「誰もいないのに電気が付いてるのは勿体ない気がするなぁ」
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そんな事をいいながら、私は給湯用に置いてあるポットのある場所
まで移動しようとする……。
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「あら……こんな時間に何をなさってるのかしら?」
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「ひゃぁっ…………」
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突然、後ろから声を掛けられて飛び跳ねるくらい驚いてしまう。
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「三輪さん……び、びっくりしたよ……」
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「大げさですわね……」
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彼女は微妙に由布と似通った、ため息混じの反応をした。
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「で、どうしましたの?(BROKEN:8_20)
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「んー、なんとなくね起きちゃって……と、いうか三輪さんこそ、
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「べ、別に私の事は放っておいてくださらない?」
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「って、恵が言ってたよ、三輪さんはお寝坊さんだって」
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少し余計な事を言ったような気もと思いつつも、少し意地悪を
言ってみたくなり、ついつい余計な事を言ってしまう。
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「あの娘ったら……余計な事を…………」
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と、予想通りの反応。
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「もしかして、こんな時間までいつも起きてるの?」
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「う、うるさいですわっ、べ、別に……私の自由じゃなくって?」
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「確かにそうかもしれないけど、いっつも家のこととか、しきたり
(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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我ながら、嫌な感じだと思いつつも言わずにおれず、
さらに追い撃ちをかけてしまう。
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彼女はバツの悪そうな顔をして、視線をそらしながら、
あからさまに不(BROKEN:8_20)
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怒るというより、悲しむという表現が適切な風だった。
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「……確かに……確かに、褒められたことでは無いのかもしれませ
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な、なんだか……。
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私の方が悪ことをしたような感じになっちゃった……。
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確かに、御花会のみんなもそうだけど、風習や慣習、家柄とか、
複雑なモノに縛られているような部分が多く見受けられた。
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彼女も普段は人にキツくあたっているように見えて、
私と同じ年齢の少女なのだと気付かされてしまう。
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「……って、何ですの?(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「別にそんな顔してないってば!」
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「……はぁ、まぁ、いいですわ……私、部屋に戻りますから、
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「そうする、おやすみ三輪さん」
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「……フンッ」
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あいも変わらずな風に彼女は去っていったが、
何だか不思議と嫌な気はしなかった。
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彼女のかぶっている仮面の下の素顔が少し見えたような気がした。
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「あ、お茶飲んで、部屋に戻って寝よっと」
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お茶を飲んで部屋に戻って来て、ベッドに倒れこむ。
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すぐに睡魔がやって来て、いつ寝たか解らないほどのあっさりと
眠りについた。
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seisai_no_resonance/sce04_01_07_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)