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seisai_no_resonance:sce04_01_02_0
部屋に戻って来たものの、妙に気持ちが落ち着かずに、
心がざわざわするような感じがした。
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まだ巫女という存在もよく分かってはいない不安。
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また一歩、お母さんに近づいたという喜びと複雑な気持ち
でいっぱい。
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手持ち府沙汰にベッドに腰掛けて
由布が部屋に戻ってくるのを待つ。
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ドアがノックされたと思った途端、
ドアが開き、恵がひょっこりと顔をのぞかせる。
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「あ、由布ちゃんまだ戻ってきてないんだ」
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そういいながら、恵は部屋に入ってくる。
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「うん、学園長室を出た後、遠山先輩と話をしてたから……」
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「そっか、由布ちゃんは神住先輩のフ(BROKEN:8_20)
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「フ(BROKEN:8_20)
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恵はちょっと複雑な表情をした。
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「うん、親戚っていうのもあるんだろうけど、小さいころから
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「由布って、もしかして……」
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「うん、結構ミーハーなところがあるんだ」
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「そうなんだ……でも遠山先輩も由布に対して、
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「そうかな?(BROKEN:8_20)
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「あ、確かにそんな感じだね。
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「うん、そうだよ」
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「なんだか、私はあまりいいように思われてないっぽいけど……」
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「まぁ、あたしも似たようなものだから……微妙な劣等感というか
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恵はどこか寂しそうな顔で、夕日が差し込む窓辺のさらに遠い場所を見つめる。
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由布が前に言っていた事を思い出す。
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「幼なじみって言ったら、この学園の子、みんなが幼なじみよ」
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「そっか、彼女も幼なじみなんだよね」
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「そうだね、でも、あたしは御花会に入るまで全然話した事も
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「でもルームメイトなんだよね?」
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「ま、まぁね……部屋でもあまり会話しないから……」
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恵はややバツの悪そうな顔をする。
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どうやら、三輪さんとルームメイトと言えど、
あまり良い関係ではないみたい。
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見てても、そんな気はしていたけれど……。
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「そ、このコったら、いっつも私の部屋に逃げ込んで来るのよ」
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恵との話に夢中になっていたのか、
由布がいつのまにか恵の後ろに立っていた。
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「由布ちゃんってば……意地悪なこといわないでよ」
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「本当のことを言っただけでしょ。
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「嫌なら別の部屋に移動したらいいのに……」
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「だって……」
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「私が口を利いたっていいんだから」
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「そんな事したら、由布ちゃんに迷惑掛るからダメだよ。それに、
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「いつもそんな事を言ってるけど、結局、御花会でもそうだけど、
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「三輪さんだって悪気があるわけじゃないだろうし……」
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「悪気しか感じないんだけど……」
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「で、でも……」
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「もうっ、あんたってコは……」
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「由布は優しいね」
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「ちょ、い、いきなり、変な事いわないでよっ」
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「だ、だって……」
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由布は不(BROKEN:8_20)
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「もうっ、由布ちゃんたら……
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「恵まで、そんな事いわないでよ。まったく……もう……」
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由布は言葉では否定をしていたけど、
表情はどことなく嬉しそうだったのが印象に残った。
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「そろそろお夕飯の時間だね……食堂にいかなきゃ……」
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「もうそんな時間なんだ、どうりでおなかが空いたと
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「あんた、私のとなりでバカバカとはしたなく食べるの
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「えー!?(BROKEN:8_20)
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「美味しい、美味しくないは別として、この学園に通う生徒として
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「えー、八弥子さんとかだって、いつも美味しそうに食べてるし、
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「カナちゃんも由布ちゃんも、そんな事で言い争いしてて、
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「あ、そうだね……」
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この学園寮では夜は基本的に寮生全員で食事を取る決まりと
なっている、点呼の意味も含めてそうしているらしい。
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今まで寮生活なんて送った事がないからよくわからないけど……。
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でも、一部の人は全く来なくても問題ないらしい。
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末来さんもたまにいないみたいだし、
向山先輩もこの時間に見た事ない。
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御花会の人はよくわからないけど、
かなりの自由が許されてるみたい。
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「そ、そうよねっ、遅れて神住姉様に恥をかかせる訳には
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由布は急いで部屋を飛び出した。
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私達もそれに続いた。
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急ぎ足というか、小走りになりながら、由布が恵を急かす。
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「恵さっさと来ないと、置いていくわよっ」
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「時間がないのは分かるけど、廊下を走るのはこの学園に通う学生
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ちょっとイヤミかなぁ、と思いながらも反撃のチャンスと思い、
彼女に意地悪を言ってみる。
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「…………そうね」
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彼女は何か言い返して来るかと思ったのに、素直に歩き出す。
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「なに?(BROKEN:8_20)
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「意地悪したつもりだったのに……」
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「別にあんたの言った事は確かにその通りと思っただけよ」
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「それに、すぐそこだし、時間的に間に合うから」
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「え、でもさっき部屋の時計だと……」
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「由布ちゃんの使ってる時計、全部10分早くなってるんだよ」
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「あんた、もしかして、いままで気がついてなかったの?」
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「え、う、うん……」
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「あっきれた……やっぱり、ここに来る前の学校でも
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「それは違うってばぁ……本当に出来る方だったんだからぁ」
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食堂での食事が終わると、皆、個々に談笑したり、
自由な時間を過ごしている。
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女学園の寮生活ってもっと、厳しいものかと思っていたけれど、
意外と自由に過ごしている――。
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服装も放課後は結構、自由だし。
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八弥子さんに至っては、学園指定のジャージさえも改造している
けど、文句を言われている様子もない。
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さすがに学園内を私服で徘徊するのはダメみたいだけど……。
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そんな事を考えていると、由布が呆れた顔をして言ってくる。
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「さ、戻るわよ、ボーっとしてても仕方ないし」
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「え、あ、うん、そうだね」
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由布と共に部屋へ戻ってきた。
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「さ、課題やって、さっさと寝るわよ」
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「明日は御花会もあるし、それに神住姉様の話によれば、
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「実戦形式……巫女同士で戦うってこと?」
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「そうよ、巫女同士は戦いを奉納するって言ってたでしょ」
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由布はまさに呆れた、と言わんばかりに
髪をサラリとかき上げる。
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「でも、戦うのは穢れじゃなかった?」
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「そんなに穢れが出てくるんだったら、違う意味で困るでしょう、
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「えーと、荒魂、幸魂の云々ってヤツ?」
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「そ、ペアとなった巫女はそれぞれが力を補って、
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「なるらしい?って、由布は分からないの?」
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「これがそうかな?(BROKEN:8_20)
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「そうなんだ、みんな小さな頃から星霊石も持ってるみたいな感じ
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「人にも、家にもよるだろうけど、大抵は間違いがあってはいけな
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「松籟会が?」
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当然なのかもしれないけど、松籟会という名を聞くと、
ついイヤな事を思い出してしまう。
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「松籟会は祭事を仕切ってるってのは分かってると思うけど、
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「うん」
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「(BROKEN:8_20)
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「恵とかの家には星霊石は無くて、巫女としての力が認められて、
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「へぇ、そうなんだ……」
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「松籟会って言っても、組織的には色々あるみたいだけど、
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「さ、お風呂入って、さっさと寝ましょ」
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「うん」
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由布は既に寝ている様子だったけれど、
私はなんとなく眠れずにベッドで横になったまま考えていた。
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巫女同士が戦う……。
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妙な不安と御花会の他の人達の巫女姿、その力に対する興味、
複雑な気持ちでモヤモヤしながらも、暗い天井を見つめる。
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「お母さん……私、頑張るから……」
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そう呟き、眠る事にした。
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seisai_no_resonance/sce04_01_02_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)