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seisai_no_resonance:sce04_01_01_0
学園長の落ち着いた声が部屋に響き渡る。
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「では、まずは……」
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皆、緊張の面持ちで学園長の方を見つめる。
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向山先輩だけ興味なさげに視線は窓の外だ。
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私はというと、緊張こそしながらも、
他の御花会のみんなを見るぐらいの余裕はあった。
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特に由布と恵の二人は顔を強張らせているのが見てとれる。
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「向山さん、あなたには三輪さんと組んでいただきます」
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「誰と組んでも同じだが……」
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「向山先輩、ちゃんと来てくださいね。困るのは私ですから」
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三輪さんの言葉を向山先輩は適当にあしらうように、
はいはいと、返事をし、彼女を怒らせていた。
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でも、三輪さん、先輩に対しての態度じゃ無いような気も……。
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「静かになさい、不満があったとしても、この決定は松籟会が
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「…………」
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彼女の顔はまだあからさまに不平不満といった様子。
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「さて、次は遠山さん……」
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遠山先輩が呼ばれると由布は彼女の方をハッと見て、
手に胸元に、何かを祈るような仕草をする。
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由布は遠山先輩とペアになりたいんだろうな……。
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「あなたは……保科さんと組んでいただきます」
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「っ…………」
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由布は一瞬、恵の方を見て、その後、残念そうな顔をして俯く。
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恵も由布に悪そうな表情を浮かべていた。
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「分かりましたわ。立派な巫女になれる為に頑張りましょう、
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「は、はいっ」
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先輩は由布の気持ちを知ってか知らずか、恵に対して声を掛けた。
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「次は禰津さん」
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「はいはいっ」
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八弥子さんが元気のいい返事をする。
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学園長は小さく咳払いをして、言葉を続けた。
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「あなたには、中村さんと組んでいただきます」
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「マコマコとね、なるほど……りょーかい、りょーかい!」
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八弥子さんは何か思うところがあるのか、楽しそうに答える。
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中村さんは何も言わず、いつもながら不(BROKEN:8_20)
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後は……私、由布、それと……末来さんが残されている。
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もしかして、私だけ……ペア無し……とか、ちょっと心配かも。
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そんな事を思っていると、再び学園長が口を開く。
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「さて、最後のペアですが……」
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さ、最後……。
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やっぱり三人のうち、誰かペアになれないって事……?
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私、途中参加みたいな形だし……
今年は選ばれないって、可能性もあるのかな……?
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「風間さん、高遠さん、あなた達にペアになっていただきます。
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「は、はいっ」
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「鼎、私の足を引っ張らないでね」
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不(BROKEN:8_20)
私と組む事が嫌というわけではなさそうな雰囲気だった。
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「そうだね、私、頑張るよ。だから、由布も一緒に頑張ろう?」
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「あ、当たり前よ!(BROKEN:8_20)
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ここにいる皆、一部対象外な気もしなくないけど、
巫女になる為に集まっているのだもんね……。
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「片倉さんは後輩達に立派な巫女となる為に、
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「わかった、可能な限り彼女達を見守っていくよ……」
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末来さんはいつものように落ち着いた雰囲気だった。
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ただ、その言葉には何か重たいモノを含んでいるような気がする。
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「毎年、必ず言っていますが……去年も聞いた人は分かっていると
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私は学園長の言葉を聞いて、即座に反応してしまう。
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「え?(BROKEN:8_20)
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私の質問を予想したかのように学園長が返答する。
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「最終的に巫女として選ばれるのは祭事の前で、
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「そして、ペアとして魂の絆の力の使い方を学び、
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「今、発表した組合せで巫女として選ばれるとは限らない。
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「なので、理由はともかく鍛錬をしないモノが選ばれる事もあれば
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実力があっても、選ばれない?
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でも、それだったら、いまペアを決めて、意味ってあるのかな?
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どういうことなんだろう……。
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「高遠さん、疑問に思うかもしれませんけれど、祭事を行う巫女の
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「荒魂、幸魂の使い方、その年々の方位や月の満ちかけなど、
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「なので、ここにいる巫女候補は誰が選ばれてもよいように努力し
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遠山先輩はチラリと向山先輩の方に視線をやって、そう言った。
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「……フン、選ばれた時はその時だ、ここでこのような話をしても
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そう言って、彼女は学園長室を出て行く。
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「これからどうするかは巫女候補のあなた達の自由ではありますが
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「今後のスケジュールなどの確認もありますので、
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「うん、わかった」
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そうして、みんな学園長室から出て行った。
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私は学園長室を出る時に、チラリと末来さんの方を見る。
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すると、どこか悲しそうな表情をしていた様に見えたけれど、
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廊下に出ると、由布が遠山先輩に駆け寄って行くところだった。
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残念そうにしていた由布の頭をそっとなでていた。
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「私もあなたとペアになれなくて残念だけれど……
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「はい、神住姉様……」
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「一年のペアで勝手が分からない事もあるかもしれないけど、
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「わかりました、神住姉様」
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そんなやりとりを私は眺めていたけど、
見ていたら気まずい気がして、足早にその場を去った。
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「特に……することないし、部屋に戻ろうかな……」
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考えてる事を言葉に出して、誰か聞いていないか、
キョロキョロと見回して、恥ずかしいぞ……。
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そう思いながら、一足先に部屋へ戻る事にした。
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「また今年も始まるんだね……」
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「このような事をいつまで繰り返せばよいか……
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「さぁ……ボクにもわからないよ、先のことなんて……」
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「今は……そういう事にしておきます……」
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「うん、そういう事にしておいて……」
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seisai_no_resonance/sce04_01_01_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)