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seisai_no_resonance:sce03_00_06_0
放課後、学園の中庭に御花会から呼び出しがかかる。
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一年生である私達が着いた後、しばらくして、
二年の遠山先輩と八弥子さんが顔を見せた。
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それから最後に三年の末来さんと――。
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「待たせたね」
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「――――」
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無言のまま中村さんがやってくる。
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「奈岐は……やっぱり来ないか」
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末来さんは静かに呟いた後、遠山先輩に視線を向けた。
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「場所を移動しながら……きっと授業では教わらないことを
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「分かりましたわ」
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その場から末来さんが歩き出すと、私達はその後に続く。
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「今日、きっと授業で葉子先生からお話があったと思いますが、
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その質問は私ではなく、遠山先輩の隣にいる由布へ。
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「御魂の話と一対の巫女に関するお復習いです」
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「そう、じゃあその辺りは掻い摘んでお話ししますわね」
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遠山先輩の視線がようやく私へと向かう。
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「巫女は一対の存在として選ばれます。ですので、高遠さんも
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一対の存在と聞かされていたから、それは分かっている。
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でも、この中の誰かと組むことなると思うと、
それはなかなか想像出来ない。
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「この島に火の玉が降って、異形のものと戦った女性達……
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「巫女に選ばれたものが祭で奉納するのは――戦闘です。
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「戦闘って……?」
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穏やかな祭りにはならないと思っていたけれど、
そんな直接的な表現が出てくるとは……。
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「巫女は危険な役目。奉納の戦いは本気の戦闘。
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「<RB='れんめん'>連綿<RB>と続く歴史の中で、不幸にも命を落とした巫女もいます」
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「異形というのは……昨日の化け物みたいなのですか?」
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「私達はそれを『穢れ』と呼んでいますわ」
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昨日のことを思い出したのか、由布がぎゅっと自分の肩を抱く。
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そんな由布に対して、遠山先輩が頭を抱き込むように引き寄せた。
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「由布なら大丈夫よ。もし巫女に選ばれても、
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「神住姉様……私は姉様と……」
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「そうね、そう出来ればいいのだけれど……
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そんなやりとりに目をやっていると、
不意に隣にいた恵が末来さんに質問をしていた。
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「末来先輩、ずっと疑問だったんです。巫女として戦う理由って
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「保科さんは今さらなことを言いますのね」
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「島の子として生を受けた以上、巫女に選ばれるのが
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それは知っていると言いたげに恵の瞳が揺れるが、
言い返す言葉が出てこないまま。
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「巫女に選ばれ、危険を冒す代価として、我々は崎(BROKEN:8_20)
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「それでも不平不満があるか?」
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意外なところからあがった声に恵が肩を震わせた。
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「……い、いえ……そんなことっ……」
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そんな話をしている間にも、私達は中庭を抜けて、
近くの森へ入っていく。
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「みんな、それぞれ思うところはあるかもしれないけど、
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「森の奥に棲んでいる異形のもの……島に火の玉が降り注いで
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「あの穢れは悲しい存在。そして、巫女には穢れを祓う力がある」
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立ち止まった末来さんが振り返り、私を見つめた。
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「……鼎。昨日キミは穢れを追い払ったけど、本当はあの場で
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「祓うって……でも、どうやるんですか?」
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「巫女の力で穢れの命を奪うこと、それだけだよ」
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「……あの力で」
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腰に下げている勾玉に手を当たる。
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自分でもまだあんなことが出来たという実感が湧かない。
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「ところで……みんなの心がバラバラだって感じる。
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ストレートな言葉に他の巫女候補達が固まる。
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「もしかして、もっとバラバラになった感じ?」
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前言撤回、末来さんの発言で固まったのは、
八弥子さん以外の巫女候補達だった。
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「みんな、もっと鼎の力を知るべきだと思う。鼎は特別なんだ」
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末来さんが私に歩み寄り、今日も今日とて頭を撫でられてしまう。
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その光景にみんながまた唖然として……変な空気が流れていく。
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「高遠さんを知るべきという片倉先輩のご意見に私も賛成ですわ。(BROKEN:8_20)
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「神住先輩に同感です。昨日のアレがまぐれではないことを見せて(BROKEN:8_20)
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動きだした空気に一番慌てたのは恵だった。
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「ちょ、ちょっと待ってください!(BROKEN:8_20)
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「危なそうだったら、カナカナはヤヤが助けるよ。
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八弥子さんがぽんぽんと恵の頭を(BROKEN:8_20)
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「……どうかしら、高遠さん?」
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遠山先輩に声をかけられて、私の手が自然と勾玉に向かう。
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昨日と同じことをやる?
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アレだけ切羽詰まっていたから出来たことかもしれないし、
正直なところ自信は五分あるかないか。
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でも、これからあの力を使っていくなら……
後でやるか今やるか、その違いだけ。
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なら――。
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「分かりました、やってみます」
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私の答えにまた空気がざわめいた気がした。
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「…………」
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その中でも、中村さんが私を見る目は今にも斬りかかってきそうなほどの鋭さを感じる。
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「いい答えだ、鼎。じゃあ、行こう、森の奥へ」
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末来さんが先行する形で、私達はさらに森を進む。
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seisai_no_resonance/sce03_00_06_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)