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seisai_no_resonance:sce03_00_05_0
食堂を出て教室へと戻る途中――
頭上でまとめられた黒髪に視線が吸い寄せられた。
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忘れたくても忘れられない、その人影。
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「あの子……!」
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織戸伏に来る定期船の上で私を突き落とした女の子。
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今は学園だし危険も少ないはず。
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足早に廊下を進む背中を追いかける。
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その影が階段に向かってのを見て、私は駆け足で続く。
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「あ、あれ……?」
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階段の踊り場は静かで人の気配も無い。
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確かこっちに来たはずなのに……。
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「私に何の用だ?」
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すぐ背後で声がした。
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「ッ――!?」
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同時に、右肩に激痛が走る。素早く右腕を背中側へねじ上げられ、壁に押しつけられる。
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「くっ……何するのっ!」
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激痛に耐えながら振り返ると、私を船から突き落とした少女で
間違いは無かった。
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さすがに学園内では帯刀していないみたいだけど……。
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「あの勾玉を使って学園に潜り込むとは小賢しいな」
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「潜り込むって……元々転入予定だったのっ……!」
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「あなたこそ、いったい何するのっ!?(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「それが私の使命だからだ」
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「松籟会とかいう人達に命令されて?」
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松籟会という言葉に反応して、少女が私を押さえ付ける力を増す。
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「痛っ……!」
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「答える必要は無い」
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関節を外させるかと思うほど、一際強く壁に(BROKEN:8_20)
ようやく身体が解放される。
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「随分と嗅ぎ回ってるようだな」
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「土産に一つだけ教えてやろう。私は<RB='なかむらまこ'>中村真琴<RB>――
(BROKEN:8_20)
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「中村……真琴……?」
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中村って……巫女候補の?
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未だ顔を合わせてなかった最後の巫女候補が、
まさかこの子だったなんて……。
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一番、私に悪意を向けている人じゃないか……。
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ずるずると壁を伝うようにして、私はその場に尻餅をつく。
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そんな私を見下ろすように中村さんは冷たい視線を向ける。
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「同じ巫女候補、その意味が理解出来るなら……覚悟しておけ」
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そのまま踵を返し、階段を下っていく。
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「覚悟しておけって……まだ何かするつもり……?」
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痛む右肩をさすりながら、私はその場から起き上がる。
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当然のように、もう中村さんの姿はどこにも見当たらなかった。
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「……あ」
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気付くと無意識のうちに握りしめていた勾玉が熱を放っている。
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巫女候補って、この力で……何かするつもり……?
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まさか、ね?
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一瞬生まれた考えを振り払うように、私は自分の教室へ急いだ。
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seisai_no_resonance/sce03_00_05_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)