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seisai_no_resonance:sce03_00_04_0
食堂に入ったところで、また一つ驚かされる。
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まさかカフェテラス式になっているとは……
開放的な空間がとても心地良い。
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ここでご飯を食べるのは美味しそうだなぁ、と考えていると、
背中をつんつんと突かれる。
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「やっほー、カナカナ!(BROKEN:8_20)
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「あ、こんにちは……八弥子さん!」
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名前を忘れたわけじゃなくて、禰津先輩と言いかけてしまう。
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「じゃあじゃあ、ご飯は一緒だね?」
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「はいっ、何がオススメか是非教えて下さい」
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「任せて!(BROKEN:8_20)
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八弥子さんが頭にいる猫を掴んで話しかけている。
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でも、何で猫がいるんだろう……?
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「とりあえず、ヤヤのオススメは日替わり海鮮丼!」
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食券の自販(BROKEN:8_20)
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「朝一でお魚を学園に届けてくれてるからとっても新鮮なんだよ」
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「その中でも日替わりは一番美味しいって漁師さんが言ってるのを(BROKEN:8_20)
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「魚が美味しい島ならでは、って感じですね」
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「うんうん!(BROKEN:8_20)
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と、八弥子さんが腕に抱いている猫に話しかけていた。
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大人しく抱かれているみたいだけど……子猫なのかな?
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「その子、八弥子さんが飼ってる猫なんですか?」
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「そーだよ。ほら、いつもヤヤの頭をガジってしてるから、
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八弥子さんの肩をのぼり、そのまま頭の定位置へ戻る。
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とても分かりやすいけど、痛くないのだろうか……?
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「あはは、ガジもよろしくね」
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挨拶をしてみるが囓るのに忙しいからか、返事は無かった。
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食堂のおばちゃんから注文を受け取った後、
八弥子さんと空いてる席に移動する。
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「今日はネギトロだったねー!(BROKEN:8_20)
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屈託なく八弥子さんが笑いながら、
お盆の上に乗せられた小皿を手に取った。
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小皿には食堂のおばちゃんがガジ用に切り分けてくれた魚が
乗っている。
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「あはは、ガジも常連なんですね」
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「おまけしてもらえること知ってるから、ガジだけでも、
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ニャと小さく鳴いた後、ガジは小皿の魚にかぶりつく。
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「じゃあ、ヤヤもいただきまーす!」
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「いただきますっ」
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新鮮なネギトロを一口。
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この口の中に広がる新鮮な風味――お、美味しい!
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「ふふんっ、美味しいでしょ?」
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「最高です、感服いたしましたっ」
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何故か八弥子さんに頭を下げてしまうほど美味しい。
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「そういえば、八弥子さんはいいんですか……?
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「カナカナ、ご飯が美味しくなくなるよ?」
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「えっ、えっと?」
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「アレね、ナギっちも来ないし、同じ話ばかりでつまらないよ?」
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「昼ご飯の時ぐらい、少し肩の力抜いたらいいのにねー」
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八弥子さんは笑った後、もぐもぐとネギトロ丼を食べ進める。
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思った以上に天真爛漫な人――接しやすくて良かった。
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「織戸伏って島の外から見ると何もないとこかもだけど、
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「それ、すごく分かりますっ……!」
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そういえば、船の上でもらったカツオも美味しかった。
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「お?(BROKEN:8_20)
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「残すなんてもったいないですっ!(BROKEN:8_20)
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つい力説してしまうと、八弥子さんにあははと笑われてしまう。
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「さては、カナカナ、大食いだなぁ?」
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「ふふふっ、そんな八弥子さんこそ!」
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そして顔を見合わせて、二人で声を揃えて笑い声を上げる。
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こういう食事の時間って楽しいな。
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そんなことを思いながら、さらに箸を進めていった。
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昼休みはまだまだ続いているので、
八弥子さんとそのまま食後のお茶の時間を楽しむ。
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「あ、そうそう。カナカナは来て間もないから教えたげるね。
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「参加したければ参加してもいいし、嫌だなーって思ったら、
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「なんだか、昨日も似たようなこと言われちゃいましたよ?」
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「んー?」
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八弥子さんの顔が声に合わせて傾いていった。
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「向山先輩です。昨日の晩に会ったんです」
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「えっ、カナカナ、またナギっちと会えたんだ!?」
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向山先輩の名前を口にした途端、八弥子さんの目の色が変わった。
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八弥子さんの言う「ナギっち」というのは
向山先輩のことで間違い無いらしい。
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昨日もどこか親しげにしていたような気もするし……
先輩同士、仲が良いのかな?
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「二度もナギっちと会えるなんてカナカナは運がいいね」
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「そうなんですか?」
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「学園は基本サボり、御花会にも顔を出さない――
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そ、そんなに貴重な出会いだったんだ……。
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「鬼子って言われてること、気にしてるみたいでね。
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「そうですね、髪の色も肌の色も」
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「ナギっちはナギっちなんだから、知らない人の話なんか
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明るく言ってみせるが、八弥子さんの横顔がどこか寂しそうで、
目が離せなくなってしまう。
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「巫女になりたくないなら、なりたくないって言えばいいのに、
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そこまで言った後、クスッと八弥子さんが笑った。
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「ね、カナカナ。今度、ナギっち見つけたら、
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「知らせて、どうするんですか?」
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「ふふーっ、あのふわふわ頭をもふもふするの!」
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も、もふもふって……確かにもふもふしてそうなイメージだけど。
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「向山先輩が嫌がらなければ教えることにします」
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「ええぇー、ナギっちも猫みたいで可愛いんだよ?(BROKEN:8_20)
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満腹のまま居眠りしていたガジを目の前に突き出される。
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「ニャー……」
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寝起きです、と言いたげな苦情が聞こえてきた。
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「あはは……小さくて可愛い先輩だとは思いますけど」
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「カナカナも一回もふもふしてみるといいよ~」
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先輩相手にそれは……と思うものの、ちょっと気になる。
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「ふわふわ?」
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「ふわふわ~」
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今度やってみよう――ついつい、そんなことを思ってしまう。
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しばらくして予鈴が響くと、元気に手を振る八弥子さんと別れて、
自分の教室へ戻ることになる。
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seisai_no_resonance/sce03_00_04_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)