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seisai_no_resonance:sce02_00_06_0
さっきまで夕方だった気がしたのに、もう外は暗くなっていた。
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ここからでも……多くの星が見える。
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このまま少し寮の周りを歩いてこようか。
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「…………」
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悪意は穢れを生む――末来さんの言う通りかもしれない。
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悪意に感情のまま噛み付いていたら、それこそあの化け物……
みんなが穢れと呼んでいたアレと同じなんだろうな。
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「しっかりしないと……」
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お母さんを見つける――ちゃんと目標はあるんだ。
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だから今は前を向いて進もう。
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「……?(BROKEN:8_20)
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寮へ続く道に見覚えのある女の子がいた。
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あの子は……船から私を突き落とした松籟会の……!
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考えるより先に物陰へ身を隠す。
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女の子は私に気付くことなく、
鋭い視線を正面にいる男性に向けている。
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「松籟会側では色々と画策していたようですが……
(BROKEN:8_20)
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「……何の話をしている」
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「<RB='しら'>白<RB>を切るつもりですか?」
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男性がポケットから何かを取り出し、少女に見せる。
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「…………」
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「血の呪縛から逃れるためとはいえ、このようなものを持ち出し、(BROKEN:8_20)
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男性の手に見える物は……石のような?
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距離があるため、それが何なのかまでは分からない。
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「話はそれだけか。貴様(BROKEN:8_20)
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「私が貴女の前に現れ、言葉を告げること――それに意味がある。(BROKEN:8_20)
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「……理事長の犬め」
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「頼継様の為ならば、甘んじてその言葉をお受け致しましょう」
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「…………」
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女の子が男性を一瞥し、寮とは反対側へ歩き出す。
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急いでいるのか、その背中はすぐに見えなくなってしまう。
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そして残されていたはずの男性も気がついた時には、
もう寮の前から立ち去ってしまっていた。
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「……松籟会……理事長……?」
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私のことで動きがあって、それがまだ響いている?
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違う……これからもっと大きな波になる可能性の方が高い。
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「だったら、もっとしっかりしないと」
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悪意に呑まれて、落ち込んでいた自分を叱咤する。
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ちゃんとお母さんのところに辿り着けるように、
しっかりと自分を持たないといけない。
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「うん……もう少しだけ歩いたら戻ろう」
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変な形で飛び出してきたし、由布達にも心配をかけてるかも。
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道なりに歩き、星空を見上げ……一度小さく息を吐いた。
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seisai_no_resonance/sce02_00_06_0.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)