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seisai_no_resonance:sce02_00_01_0
森での一件後、私はまるで捕縛されたかのようにして、
学園長室まで連行されてた。
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島からまだ出ていなかったことも問題だろうけれど、
やはり一番は先ほど事件である。
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得体の知れない化け物を勾玉の力で退けた。
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私にとって疑問符がいくつも並ぶ出来事だったけど……
ここにいる人達はみんながみんな把握しているようだ。
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「――以上が森で起きた穢れの事件です」
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「ふむ……そうですか。状況は把握出来ました」
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神住さんの説明を聞き終えた学園長が重い息を漏らす。
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「穏便に島を出てくれれば、と思っていたのですが……
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「あ、あはは……」
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冷たい視線がとんでもなく痛い。
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「派手にやらかした件、あの方々も黙っていないのでは?」
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私の左側に縁子さん、右側には神住さん――と逃げられないように拘束されている気分になる。
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末来さんだけ一人、少し離れた場所で私達を見守っていた。
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「……三輪さんの仰るとおり、すぐに動きがあるでしょう。
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「そ、それって……!」
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また命の危険に晒されるか、島を追い出されるか、
そんな二択にしか思えない。
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「自業自得ですわね」
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失笑と嫌味が重なって、複雑な気持ちにさせてくれる。
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「もし松籟会が動いたとしても……彼女を引き渡してはいけない」
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静寂を切り裂くようにして、末来さんの声が聞こえた。
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「……片倉さん、それはどういう意味ですか?」
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「鼎には他の誰よりも資質がある。学園側で保護するべきだ」
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「その言葉を松籟会が鵜呑みにしてくれるとでも?」
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「鵜呑みにさせてみせる」
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不穏な空気が室内に漂い始めた時、
机の上に置かれていた電話が音を立てる。
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「失礼――はい、私です」
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一言告げた後、学園長が受話器を手に取った。
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「資質があるといっても他の学生に気付かれるかもしれないほど
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「おやめなさい、縁子。外の人間なのだから、
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「っ……神住先輩は……いったいどちらの味方なのですか」
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縁子さんが妬むようにして爪を噛む仕草が見える。
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「縁子、私は御花会を預かる身として対応しているだけです」
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「かといって、彼女が褒められるようなことをしていないのは、
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「あ、あはは……」
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そう言った神住さんの視線が痛くて、苦笑することしか出来ない。
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「理事長っ、それはあまりにも危険では――!」
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突然、学園長の語気が強くなる。
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「ですが……それでは…………」
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眉間に皺を寄せた学園長が重い息を零した。
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そして通話が終わったのか、受話器を元へ戻すと同時に、
室内の空気が一気に張りつめる。
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「…………」
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学園長の視線がゆっくりと私を捉えた。
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「……たった今、理事長から通達がありました。
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「わ、私の……ですか?」
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理事長って……学園長を動かせるだけの力を持ってるの?
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でも、通達に従うということは……
理事長の言葉を優先する必要があるように思えた。
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「……高遠鼎さん、あなたの処分を伝えます」
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その場にいる全員が次の言葉を待ち、静かに息を呑んだ。
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そして――。
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seisai_no_resonance/sce02_00_01_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)