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seisai_no_resonance:sce01_00_04_0
「んっ……朝……?」
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瞼の裏を銀色の光が焼く。
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この場所は東に向いているらしく、
日の出早々に差し込む朝日が眩い。
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「おはよう、鼎。よく寝ていたね」
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耳元で末来さんの声が聞こえる。
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「みら、い……さん……?」
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「って――わわわっ!?」
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末来さんの肩にもたれかかって眠ってしまっていたらしく、
私は跳ねるようにその場で姿勢を正した。
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「ご、ごめんなさいっ……私……いつの間にか……」
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「もう少し寝ていてもよかったのに」
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名残惜しそうに言われても……ちょっと困る。
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私が苦笑していると、末来さんはタオルケットをたたみながら、
ゆっくりと立ち上がった。
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「鼎、ボクはそろそろ学園寮に戻らないといけない」
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そういえば、末来さんは寮長と最初に紹介をされた気がする。
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まさか外で隠れて寝ていたなんて真似は晒せないだろう。
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「もう少ししたら鼎は学園まで来るといい。学園にいる限り、
(BROKEN:8_20)
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「それ、学園は安全……ってことですか?」
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「そうだね、先生達は生徒の味方だよ」
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学園にまで松籟会の手が、と危惧したけれど、
末来さんの言葉を聞いて安堵する。
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「分かりました、今はいち早く転入手続きを済ませることですね」
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末来さんが「そうだね」と頷いてから、北の方角を指さす。
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「学園はここから道路に沿って北に向かえば見えてくる」
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私は立ち上がり、眼下にある浜辺、それから近くに見える道路へ
視線を移す。
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港の方から続く二車線の道路が北へ伸びていっている。
その先はここからじゃ見えないぐらいの地平線。
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「鼎、ボクは学園で待っているから。そこでまた会おう」
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「はいっ!(BROKEN:8_20)
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言葉と共に頭を下げると、末来さんがクスッと微笑む。
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「ううん、これがボクの使命だから。気にしない」
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「でも、鼎のありがとうは嬉しいから」
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すっと末来さんの影が動き、私の頭を抱き寄せる。
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柔らかい感触と優しい香りが不思議と胸を高鳴らせた。
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「み、末来さん……?」
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「鼎――巫女になって真実を見極めるんだ」
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「鼎ならきっと出来るから、自分を信じて進むんだ」
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「…………」
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末来さんの腕に抱かれている今、彼女がどんな顔をして、
私にそう告げているのかは分からない。
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でも、その優しげな声色は……やっぱりお母さんを思い出させて
くれて、私をどこまでも力づけてくれた。
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「はい、絶対に挫けません。私、頑張ってみせます」
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「だって、私はあのお母さんの娘ですからっ」
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「――――」
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そして、末来さんの温もりが離れていく。
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「それじゃあ、ボクは行くから。また後でね、鼎」
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「はいっ、ありがとうございました!」
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末来さんは持ち込んだリュックとバケツを手にすると、
素早く岩場を下っていく。
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その背中を目で追いながら、私は一度長い息を吐き出す。
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「……ホント、お母さんみたいな人だったなあ」
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性格はお母さんの方が粗雑で、末来さんの方が天然さんだけど。
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「ここまで助けてもらったんだ、末来さんの期待にも応えないと」
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崎(BROKEN:8_20)
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この島にいるっていうお母さんに会ってみせる。
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そして真実を見極めること――末来さんが繰り返していたことを、もう一度心の中で繰り返す。
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うん――大丈夫、この織戸伏島に辿り着く前から、
私の気持ちは何も変わっていない。
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「よしっ!(BROKEN:8_20)
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ぱちんと自分の頬を(BROKEN:8_20)
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私服に着替えを済ませたら、向かうは崎(BROKEN:8_20)
お母さんが通っていた学園だ――!
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seisai_no_resonance/sce01_00_04_0.txt · Last modified: 2014/04/23 18:46 (external edit)