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sapphism_no_gensou:8050

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[Narration] アイーシャ・スカーレット・ヤンは暗闇の中に、ぐったりと横たわっていた。

[Narration] 濃密な汗の匂いが、つい先ほどまで行われていた情事を連想させる。

[Narration] 陵辱者はいきなり襲いかかり、彼女をさんざん辱めたのち、また唐突に行為をやめた。

[Narration] 拘束された痛み、敏感な部分をなぶられたショック、そして圧倒的な疲れが全身を覆い、彼女の気力を根こそぎ消滅させていた。

[Narration] ──カシャッ!

[Aisha] ──!?

[Narration] 身じろぎひとつしなかったアイーシャの身体が、機械音に反応してビクッと震える。

[Narration] ──カシャッ! ──カシャッ!

[Narration] それがカメラのシャッター音であることを理解して、アイーシャは必死に身を隠そうとよじった。

[Narration] だが、拘束されたままの彼女には、手で隠すことひとつ、自由にならない。

[Narration] ──やがて、彼女が絶望に低い嗚咽を洩らしはじめたころ……。

[Narration] 何者かの気配は、彼女ひとりを残して消えていた。

[Narration] ──カメラからメモリーカードを取り出し、そいつはほくそ笑んだ。

[Narration] またひとつ脅迫のネタが手に入った。有効に活用すれば、そいつの目的に大いに役立つだろう。

[Narration] PSの目は杏里・アンリエットに向かい、杏里の目はまったく自分を向いていない。

[Narration] 杏里の退学でコトがうやむやになるまでは、自由に行動できるだろう。

[Narration] ──まったく、杏里さまさまだ。そいつは、もう一度笑った。

[Unknown] ……何がおかしいのかな?

[Narration] 笑いを凍り付かせたそいつの前に、天京院鼎が静かに立っていた──。

sapphism_no_gensou/8050.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)