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sapphism_no_gensou:7633

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[Nicolle] おーい、アルマー。

[Alma] ………………。

[Nicolle] おーい、アルマー。

[Alma] ………………。

[Nicolle] おーい、アルマってば。

[Alma] ………………。

[Nicolle] おい! アルマ!

[Alma] ………………。

[Nicolle] 迷ったんだろ。

[Narration] それまで、ずっとニコルからの呼びかけに返事をしなかったアルマが、ひたと足を止めた。

[Nicolle] その紙には、あとはどこにどう行けって書いてあるんだ?

[Alma] ………………。

[Nicolle] 答えろ!

[Alma] ……あとは、陽の沈む方向にまっすぐ、森を進め、としか……。

[Nicolle] おい! 太陽なんて、とっくに沈んでるじゃないか!

[Alma] でも、たしか、船は北に向かっていたはずですから!

[Nicolle] 歩いてるのは森の中だぞ? 方角なんて歩いているうちに狂っちまうに決まってるじゃないか!

[Nicolle] コンパスだって持ってるわけじゃないんだしさ!

[Alma] だいたい、こっちだと思うんです……。

[Nicolle] ……帰るぞ! もうやってられるか!

[Alma] そんな!

[Alma] きっと、あと、少しです! あと少し……。

[Nicolle] わからないだろ、そんなこと!

[Soyeon] ちょ、ちょっとニコル!

[Narration] 見かねて、ソヨンがあいだに入る。

[Soyeon] 落ち着いてよ。アルマも、道に迷ったんだったら、とりあえず、ウロウロしないで、誰かに連絡するとか……。

[Alma] それは……!

[Narration] ソヨンの提案にも、アルマはニコルの時と同じように、言葉には出せないものの、拒否の色を浮かべる。

[Soyeon] でも、もう、すっかり遅くなってるんだよ。ニキやアンシャーリーも疲れているだろうし……。

[Anne Shirley] あたしは大丈夫よ? まだまだ元気の素が残っているから。

[Narration] ひょいと自分の口に謎の錠剤を放り込んだアンシャーリーが、続けてニキの口にも同じ物を放り込もうとする。

[Niki] ……! ……!!

[Soyeon] 今日はここまでってことにしない? 目印でもつけておけば、明日、同じ場所から続けることもできるし……。

[Alma] でも、それでは……。

[Soyeon] なんにも持っていないんだよ? 懐中電灯も。暗い中で転んでケガするかもしれないし、危ないよ。

[Alma] ………………。

[Soyeon] ね、アルマ、今日はここまでにしよう?

[Alma] わたし……!

[Alma] もうちょっと、先に進んでみます! 皆さんは、ここで引き返していただいてけっこうですから!

[Nicolle] え、おい! アルマ!

[Soyeon] アルマ、そっちは茂みだよ!

[Narration] 二人の声と、残りの二人の視線を振り切って、アルマは自分の信じた方向にまっすぐに進み出す。

[Narration] ソヨンの声のとおり、その先にある茂みに、スカートがひっかかるのも気にせずに、踏みいった。

[Narration] 地面に這う根の盛り上がりにつま先をひっかける。よろめいて、慌てて踏み出した時、茂みは切れ、アルマはそこにたどりついた。

sapphism_no_gensou/7633.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)